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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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朝木明代転落死・鍵隠蔽事件 第22回
ストッキングをめぐる求釈明

 平成7年9月1日夜、明代が事務所に(青いローヒールの)靴を置いて、裸足で自殺現場まで歩いて行ったことを直接的にうかがわせるのはストッキングの足底部が破れていた事実である。千葉は準備書面で「警察(原告を含む)及び検察は亡明代のストッキングの足底部に破損があったことから、裸足で外出したと認定し、その旨を公表した。」と述べている。 

 これに対して矢野は〈「亡明代のストッキングの足底部に破損があった」のはどのような具体的な証拠に基づき判断をしたか、明らかにされたい。〉と求釈明した。このため千葉は次のように回答した。



(求釈明に対する回答)

 平成7年9月2日、東村山警察署鑑識課員は検視の際に、亡明代が着用していたパンティストッキングの足裏部分が破損していた状況を近接撮影した写真に説明文を添えた報告書を作成し、原告を経由して警察署長に報告した後に検察官に送付している。警察署長及び検察官は上記の報告書に基づき「ストッキングが破れていた」と発表したのである。



 明代のストッキングの足裏部分が破れていた事実については矢野もかねてより重要視している。この裁判でも上記の千葉の回答に対して矢野は重ねて求釈明を行うとともに次のように主張している。



(ストッキングに関する矢野の再度の求釈明)

(「警察(原告を含む)及び検察は亡明代のストッキングの足底部に破損があったことから、裸足で外出したと認定」したとする千葉の主張を引用した上で)すなわち、朝木明代議員は1995年9月1日夜、自宅を出て、被告矢野のいた朝木明代議員の事務所に立ち寄ったが、この事務所から裸足で「飛び出し」たと推認でき、本件記事に指摘した「鍵」は事務所に置いたバッグに入れたままだった(可能性が高い)、と警察(原告千葉を含む)及び検察は判断した旨、原告千葉は東村山警察に代わって主張するのである。

 然るに、「亡明代のストッキングの足底部に破損があった」との事実が客観的真実であることが証明できなければ、朝木明代議員が自宅を出て、被告矢野のいた朝木明代議員の事務所に立ち寄ったが、この事務所から裸足で「飛び出し」たという推認も成立せず単なる憶測にすぎないことになるし、事務所においたままの「バッグ」に「鍵」は入ったままだった可能性もありえず、単なる憶測レベルのものとなる、からである。



 矢野はこう述べて、千葉に対して「亡明代のストッキングの足底部に破損があった」とする事実についてどのような具体的な証拠に基づくものなのかを明らかにするよう求めた。その上で矢野は、明代のストッキングの足底部の破損について自らが「確認した」とする事実について次のように述べた。



(矢野が主張する「ストッキングの足底部の破損」に対する認識)

 被告両名は、朝木明代議員が救急救命処置のためにかつぎこまれたが結局死亡した防衛医大付属病院の担当医師から、「亡明代のストッキングの足底部に破損があった」とはいえないとの供述を得ており、原告千葉の主張には全く根拠がない。



 矢野によれば、明代の救急救命処置を行った医師が「ストッキングの足底部は破れていなかった」と証言したというのである。それは本当に事実なのだろうか。

変遷した「証言」

 インターネット「東村山市民新聞」には医師の証言に関して以下のような記述がある。



(「東村山市民新聞」の記載)

〈朝木明代議員遺族や矢野議員は、病院に搬送された朝木明代議員の救急救命を担当した防衛医大病院担当医師に、事件後、朝木明代議員がストッキングをはいていたか、足の裏がどうなっていたか、ストッキングは破れていたか、を詳細に質問し確認しました。ところが、担当医師は「ストッキングは自分達が脱がせました」と認めた上で、「それは、警察にも聞かれたんですけれど、そこまでは覚えていないですね」とはっきりと語っていますし(録音あり)、〉



 ここでは、警察もストッキングが破れていたかどうか医師に確認したように聞こえるかもしれない。しかし矢野が法廷に提出した医師に対する調査の録音記録によれば、警察は「ストッキングが破れていたかどうか」を確認したわけではない。録音記録をみよう。



中田弁護士(矢野の代理人)  足なんですけど、ストッキングをはいてたですか?

医師  それは、警察にも聞かれたんですけどね。ストッキングは、うちで確か、脱がせて、全部ビニール袋に入れるんです。入ってたように思うんですけど。

矢野  入ってました。

医師  だとすれば、たぶん、はいていたと思います。

中田  ストッキングが破れてたとか……、例えば、足の裏がどうだったかは?

医師  そこまでは覚えてないですね。



 医師は「ストッキングが破れていたかどうかは覚えていない」と証言している。この点においては「東村山市民新聞」の記載と同じである。

 ただしここで医師は、「ストッキングを履いていたかどうかについて警察に聞かれた」と述べているにすぎない。ストッキングの足底部が破れていることを確認した東村山署は、明代がそのストッキングを履いていたかどうかを確認したということなら、きわめて自然な質問であるといえる。明代がそのストッキングを履いていたことが確認されれば、明代が裸足で歩いていたことの裏付けとなる。

 医師もここで、矢野の「(ビニール袋に)入ってました。」という発言を受けて「だとすれば、たぶん、はいていたと思います」と答えている。するとやはり、医師が「警察にも聞かれた」と述べている内容とは、「明代がストッキングを履いていたかどうか」だったと理解するのが自然なのである。会話の流れとしても、テーマが「ストッキングを履いていたかどうか」から「破れていたかどうか」へと移っていることがわかろう。

 ところがこのやりとりが、矢野の記事になると、警察が医師に「ストッキングが破れていたかどうかを聞いた」という話に変質している。つまり矢野は、話をすり替えることによって、警察はストッキングが破れていたかどうかを確認していないことにしたものと理解できよう。その上で、医師が「覚えていない」ということになれば、「破れていたとは断定できない」という結論になる。これが「東村山市民新聞」記事の狙いだろう。

〈明代の救急救命処置を行った医師が「ストッキングの足底部は破れていなかった」と証言した〉とする矢野の主張に対して千葉は準備書面で次のように反論している。



(中田弁護士の質問に対し)担当医師は「そこまでは覚えていないですね」と回答している。そして、被告ら訴訟代理人の福間弁護士は、別件裁判の平成23年1月6日に行われた被告に対する尋問の際に、朝木明代市議を担当した医師の証言内容として「ストッキングが破れていたかどうか、そこまでは覚えていない」と発言している。

 ……被告らとその訴訟代理人は、担当医師が、ストッキングが破れていた事実は覚えていないと供述していることを知っていながら、ストッキングの足底部に破損があったとはいえないと変更したことは証拠上明白である。



 また千葉は、朝木が明代の遺品を受領した際の状況について、以下のように述べている。



(朝木が遺品を受領した際の状況)

 被告直子は、警察でストッキングを受領した際に、担当の警察官から足裏部の破損していることの説明を受け、その破損状況を視認した本人である。仮に、破損状況を見落としたとしても、亡明代のズボンに擦り傷があったのを発見した被告らが、一目してわかるほどに破損していたストッキングの足裏部を見落としたとすることは極めて不合理である。



 その上で千葉は、矢野が〈医師が「ストッキングの足底部は破れていなかった」と証言した〉と主張していることについてこう結論付けた。

「『亡明代のストッキングの足底部に破損があったとはいえない』との医師の供述があったとの主張は、被告らが意図的に為した虚言であると言わざるを得ない。」

(つづく)
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