ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

プールマン

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

万引き被害者威迫事件 第27回
東京地裁八王子支部が被害者供述の信用性を認定

 矢野が威迫発言の存在を否定するために、すなわち明代の万引きを否定することを目的に裁判所に提出した「会話記録」に改ざんは本当になかったのか。改ざんがあったとすればそれは何を意味するのか。

 読者にはここでもう1度思い出しておいていただきたい。矢野が明代とともに被害店を訪問した際、矢野による威迫発言が仮に存在したとすれば、それがどんな意味を持つのかに関して平成11年5月26日、ほかならぬ矢野自身が「許さない会」裁判における準備書面で主張した内容である。

――「万引き事件」があったとされる翌日に訴外故朝木明代と原告の矢野が誰の指摘を受けることもなく被告○○の洋品店を訪れて被告○○を脅かした事実が存するとすれば、「万引き事件」への関与があると一般に疑われるという経験則から明らかなとおり、その存否が「万引き事件」の真相究明(特に犯人性)において極めて重要な要素となる事実である。――

 すなわち矢野は、「矢野と朝木が被害店を脅した事実が存在するとすれば、その犯人性が十分に疑われる」と述べている(「『万引き事件』があったとされる翌日」とは「許さない会」の誤認に基づくもので、ここで矢野が述べている趣旨になんら影響するものではない)。さらにいえば、威迫発言が存在したにもかかわらず矢野が提出した「会話記録」から威迫発言が意図的に削除されていたとすれば、ますます明代の犯人性および彼らの訪問目的、すなわちそれが脅し目的だったことが明らかになるということである。

 はたして裁判所は、朝木明代の万引き事件における犯人性を裏付けるきわめて重要な、被害者に対する威迫の事実についてどう判断したのか。平成17年7月26日、東京地裁八王子支部は、この裁判の争点について、

〈本件記述は真実か。すなわち、①原告(矢野)は、民事訴訟において、改ざんした会話記録を証拠として提出したとの事実及び②原告は、平成7年6月30日に、洋品店に3回行き、店員に対して、「人を訴えると罪になると伝えて下さい。」と言ったとの事実は真実か。〉

 と示した上で、記事の真実性について次のように述べた。

〈原告(矢野)は、「原告は、平成7年6月30日に本件洋品店には2回(午後7時ころと、午後8時前)しか訪れていない。原告が本件店員に対して、『人を訴えると罪になると伝えてください』と言ったことはない。平成7年6月30日に原告が2回しか本件洋品店を訪れていないことは、本件窃盗被疑事件に関連する民事訴訟において、平成12年2月23日に行われた本人尋問(被害者が『東村山市民新聞』の記事をめぐり矢野を提訴していた裁判)で○○(被害者)も認めている。」と主張する。

 しかしながら、被告宇留嶋が本件記述を執筆するに当たり参考にした前記千葉の陳述書は、本件窃盗被疑事件の捜査を指揮した東村山警察署の副署長である千葉が、本件洋品店の女性店員から、原告との対応の状況について、当時同人を取り調べた結果が記載された参考人供述調書を参考にして作成したものであり、その内容も、具体的で詳細であり、十分信用できるのに対し、○○=被害者は、原告と本件店員とのやり取りについては直接見聞したものではなく、原告らが帰った後に、本件店員から原告との対応の状況を聞いたものであり、また、その出来事から4年以上経過した後の供述であり、原告が同日に何回本件洋品店を訪れたかの点まで正確に記憶していなかったとしても不自然ではない(○○=被害者は、本件店員が「矢野さん達から、嘘をつくと訴えられると言われた」と聞いたとの点は、平成16年10月9日の段階でも記憶していると陳述書に述べている。)

 以上によれば、平成7年6月30日に、原告が本件洋品店を3回訪れ、3回目に訪れた際に、本件店員に対して、「人を訴えると罪になると伝えてください。」との趣旨の発言をしたとみる余地は十分にあり、仮に同事実が真実でないとしても、被告宇留嶋が、上記千葉の陳述書の記載などから、平成7年6月30日に、原告が本件洋品店を3回訪れ、3回目に訪れた際に、本件店員に対して、「人を訴えると罪になると伝えてください。」との趣旨の発言をしたと信じたことには相当な理由があるというべきである。

 そうすると、原告が作成した本件反訳書に、平成7年6月30日に原告が本件洋品店を訪れた際に、本件店員に対して、「人を訴えると罪になると伝えてください。」との趣旨の発言をしたことが記載されていないのは、原告が故意にその事実を隠したものであると被告宇留嶋が信じたことには相当の理由があるというべきである。〉

 東京地裁八王子支部はこう述べて、矢野の請求を棄却したのである。矢野がパート店員に対して「人を訴えると罪になると伝えてください」と言い残したこと、また矢野が提出した「会話記録」にその発言が記載されていないのは故意にその事実を隠したものである点について記事の相当性は認定したものの、裁判所自身の判断が直接的に示されていない点にやや不満は残った。しかし、威迫発言の事実に関する被害者の記憶の信用性を認め、矢野が威迫発言をしていないとする根拠の1つとした被害者の「2回」であるとする供述について、それが「正確に記憶していなかったとしても不自然ではない」として矢野の主張を排斥した点については十分に評価できるものと考えた。

 なおこの裁判で私たちは、矢野の提訴が当然、矢野自身の経験に基づくものであり、矢野は被害店に3回行ったこと及び被害者に対して脅し文句を言い残していったことが事実であることを知っているにもかかわらず、それが事実でないとする虚偽の事実に基づいて提訴したもので「訴権の濫用」に当たり、訴えは却下されるべきであるとも主張したが、裁判所は〈原告が本件記述が真実であることを知りながら、本件訴えを提起したことが明らかであるとは認められない〉などとして、この点に関する私たちの主張を退けた。

 余談だが、同日、同じ法廷で並行して審理されていたもう1つの裁判の判決も言い渡された。平成15年6月9日、東村山市議会本会議中、傍聴席から議会を撮影していた私に対して矢野が「恐喝事件に関与したアングラ記者」とする趣旨の発言をしたことについて、私が矢野に対して慰謝料を請求していた事件である(私が恐喝事件に関与した事実はない)。当初、私は議会関係者に、東村山市議会として矢野に対してなんらかの処分を下すことはできないかと問い合わせたが、ルール上、それは難しいということだった。

 議会では傍聴人の発言は禁じられており、発言権を持つ議員が傍聴人を一方的に誹謗してもなんらの処罰も受けないことになれば市民の傍聴の権利を脅かすことにつながりかねない。普通の議会ではめったにあることではあるまいが、東村山市議会に限っては今後も頻発する恐れが十分にあった。矢野はこれまでもたびたび他の議員を誹謗しては議会を空転させてきたのである。

 私の訴えに対し矢野は、私の撮影行為が議事妨害であるとし、議長に注意喚起したにすぎないなどと主張した。しかし、注意を喚起するのなら撮影行為を問題にすればすむ話で「アングラ記者」などと決めつける必要はない。東京地裁八王子支部は矢野の議場内での発言の違法性を認め、10万円の支払いを命じる判決を言い渡した。矢野は平成17年7月26日、2件の敗訴判決を言い渡されたのである。

 さて、被害店に行ったのは「2回」で、脅し発言もしていないとする主張を否定された矢野が、もちろん一審判決を受け入れるはずはなかった。


(第28回へつづく)
関連記事

テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

TOP