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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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第2次「行動する保守」事件 第29回
 私が肖像権を侵害されたとして「行動する保守」Aを提訴していた第2次裁判で平成24年11月13日、さいたま地裁川越支部は「行動する保守」Aに対して1万円の支払いを命じる判決を言い渡した。なおこの日、法廷には公安3名が傍聴に訪れ、傍聴席の後方ではいつもどおり裁判所職員2名が警戒にあたったが、「行動する保守」Aもその弟子も、支持者らしき人物も法廷には姿をみせなかった。

 判決主文は以下のとおりである。



(主文)

1 被告は、原告に対し、1万円及びこれに対する平成21年3月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 原告のその余の請求を棄却する。

3 訴訟費用は、これを100分し、その1を被告の、その余を原告の負担とする。

4 この判決は、第1項に限り仮に執行することができる。



「受忍すべき限度を超える」と認定

 判決文によれば、本件の争点は、

 本件(写真の)掲載行為は不法行為に該当するか。

 消滅時効の成否。

 ――の2点である。争点に対して裁判所はどんな判断をしたのか。まず、「争点1」に対する「行動する保守」Aの主張は以下のとおりだった(判決文)。

(「行動する保守」Aの主張)

〈原告は、本件街頭宣伝活動(筆者注=平成20年9月1日に行われた「東村山駅前街宣」)現場において、氏名を名乗らず、物陰からの盗撮及び無断撮影を繰り返し、不当な取材活動を行った。また、(行政書士ら)複数の本件街頭宣伝活動参加者から、無断撮影を続けるなら逆に原告の行為を撮影して映像を公開するという抗議及び意思表示を受けた後も無断撮影を繰り返した。したがって、原告は、原告の容ぼうの撮影及び当該映像の公開に対し、黙示の承諾をしていた。

 仮に承諾していないとしても、原告自身、本件街頭宣伝活動参加者に対する不当な取材活動及び後日の出版によって、被告を含む多数の肖像権を侵害していること、ジャーナリストには自身の肖像権だけを振りかざしたり、逆取材を拒否したりすることはできないという一定の職業上の受忍義務があると解すべきであることなどに鑑みれば、本件掲載行為は原告の受忍義務の範囲内にある。〉

 これに対して裁判官はまず、私に受忍義務があったかどうかについてこう述べた。



(受忍義務について)

 被告は、本件記事において、原告を「創価御用ライター」とした上で本件写真を掲載しており、その内容が直ちに原告の社会的評価を低下させるものとはいえないものの、このような本件掲載行為の態様等に鑑みれば、原告が被った人格的利益の侵害は、社会通念上受忍すべき限度を超え、不法行為法上違法であると認められる。



 裁判官はこう述べた上で、「行動する保守」Aが裁判で主張した内容について具体的に検討している。とりわけ重要と思われるのが、「行動する保守」Aが私に対して「離れろ!」と警告したと主張している点である。

「警告した」とする主張を排斥

「行動する保守」Aは当初は私に対してなんらの抗議もしていないことを自ら認めておきながら、私が浦安の行政書士を提訴したあと急に、私に対して「離れろ!」と警告した(にもかかわらず宇留嶋は撮影を続けた)などと主張を変遷させ、裁判中にも時間帯について変遷を重ねたという経緯がある。しかしこれまで見てきたように、「行動する保守」Aは私に対して「離れろ!」と警告したとする事実だけは撤回していない(本連載第26回、第27回参照)。

「行動する保守」Aが私に対して「離れろ!」と警告したとする主張が事実認定されるかどうかは、私の取材・撮影行為に違法性があったかどうか、すなわち本件写真の掲載について私の側に受忍義務が発生するかどうかに関わってくる重要な論点である。仮に裁判官が、私に対して「離れろ!」と警告したとする「行動する保守」Aの主張を信用した場合には、私の請求を棄却する可能性がある。

 では裁判官は、私に対して「離れろ!」と警告したとする「行動する保守」Aの主張についてどう判断したのか。



(私に対して「離れろ!」と警告したとする「行動する保守」Aの主張に対する判断)

〈前記1(4)の本件ブログ(筆者注=「行動する保守」Aの平成20年9月12日付及び同年10月11日付ブログ)の記載内容からすると、被告としては次回以降は取材を拒否する旨を述べているものと解するのが自然(である)〉

〈本件写真が撮影された午後3時30分すぎころに、被告やその他の本件街頭宣伝活動参加者が原告に対して取材拒否を申し入れ、仮に原告が取材を続行するのであれば被告側も撮影をすることを告げた上で本件写真を撮影したことを認めるに足りる証拠もない〉

 裁判官は直接的には述べていないものの、上記認定は、私に対して「離れろ!」と警告したとする「行動する保守」Aの主張を排斥したということである。

 裁判官はそのほかにも、

〈本件街頭宣伝活動が東村山駅前という公共の場で不特定の一般市民に向けて行われていることからすれば、これに対して写真撮影を含めた取材活動を行うことは一応許容されているものとみることができる〉

〈原告は被告に対して自分の氏名等を明かした上で取材を行っていること(なお、原告が氏名を明かしていたことは、本件街頭宣伝活動参加者が原告を「ウルシマ」と呼んでいることからも推認される〔乙5の1・2=筆者注=行政書士が撮影した動画〕)〉

 などの理由を加え、原告には受忍義務があったとする「行動する保守」Aの主張についてこう結論付けた。

〈原告が本件写真の掲載について黙示に承諾をした事実は認められないし、原告において自己の容ぼうを撮影、公開されることが受忍すべき限度内にとどまるとの被告の主張は失当であるといわざるを得ない。〉

「争点1」について裁判官は「不法行為に該当する」と判断したということである。

「消滅時効」も否定

 では「争点2 消滅時効の成否」についてはどうか。この点についても裁判官は〈被告は、時効消滅を主張するが、原告が本件訴訟が提起された平成24年4月20日の3年前より前に本件掲載行為について知っていたことを認めるに足りる証拠はない。〉などと述べて、時効に関する「行動する保守」Aの主張は「採用できない」と結論付けた。つまり争点1、2のいずれも「行動する保守」Aの主張を斥けたことになる。

 その上で裁判官は損害賠償の認容額について、〈本件街頭宣伝活動参加者から取材は拒否する旨の通告があったこと〉、それでも私が雑誌に「行動する保守」Aが写った写真を掲載し、彼らの街宣活動が〈「デマ宣伝」に乗せられたものであったなど批判的な意見を述べていること〉、〈本件写真の別の掲載行為についてはすでに別の裁判において被告に損害賠償の支払(筆者注=10万円)が命ぜられていること〉などのいっさいの事情を考慮すれば1万円が相当であるとした。

 この判決が確定するかどうかは現時点ではわからないが、平成20年9月1日に行われた東村山駅前街宣の際、私に対して「離れろ!」と警告したなどとする「行動する保守」Aの主張を認めなかったさいたま地裁川越支部の判断の意味は小さくないと私は考えている。「行動する保守」Aの主張は事実の捏造に基づくものであることを認定したに等しいからである。「行動する保守」の重鎮としてはあまりほめられた話ではないのではあるまいか。

(了)
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