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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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太田述正事件 第2回
法秩序に対する挑戦

『週刊現代』と『週刊新潮』がそれぞれ200万円の支払い(『週刊現代』には謝罪広告の掲載も命じられた)を命じられたころにはすでにメディアから「創価学会疑惑」報道はほとんど姿を消した。しかし、裁判でことごとくその主張が排斥されていたにもかかわらず、矢野と直子が「万引き冤罪」と「他殺説」の主張をあきらめたわけではなかった。明代の「万引きとそれを苦にした自殺」を認めることは、矢野のアリバイ工作への加担と被害者に対する威迫行為などの隠蔽工作、さらには彼らがそれまでの8年間の間繰り返してきたデマ宣伝の事実を認めることでもある。だから、彼らは裁判で主張した内容を出版というかたちで訴えようとした。これなら、出版社を説得できさえすれば、誰にも論難される心配もなく、彼らの主張を一方的に展開できるのである。

 裁判で否定された事実を主張するには相当の根拠がなければならない。矢野と直子はそのために「新証拠」なるものを主張したが、それも実はすでに裁判で「証拠」と主張したものの、裁判官からは相手にもされなかった代物にすぎなかった。つまり、彼らは「新証拠」をでっち上げ、第三者の判断の及ばない場所で法廷や捜査機関の結論を覆そうと企てたということである。

 また、すでに「東村山市民新聞」裁判で敗訴している矢野と直子は『東村山の闇』では直接的な表現を慎重に避けていた。「言論の自由」とのバランスにおいて「これなら名誉毀損とは認定できないだろう」という意図とみえた。つまり「新証拠」なるものを捏造して公的判断を覆そうとしたこと、法廷での名誉毀損認定の実情を見越した上で直接的な表現を避け、その上で創価学会へ疑いの目が向けられるよう計算したことがうかがえる。平成15年11月10日に発行した『東村山の闇』(第三書館)は、自らの非を決して認めない矢野穂積の特異性を現したものであるという以上に、その出版自体が法秩序に対する挑戦でもあった。

 ただ、名誉毀損とならないように直接的な表現を避けてはいるものの、矢野と直子の狙いが、この出版によって裁判で否定された「創価学会疑惑」を蒸し返すことにあったことは疑う余地がない。矢野と直子にとって「真相究明活動」とは、明代の万引きの事実と矢野の隠蔽工作への関与という事実から目をそらさせるための大義名分にすぎない。そもそも彼らにとって、「創価学会疑惑」を蒸し返せなければ出版には何の意味もないのである。

 冒頭部分には、出版にあたっての彼らの意図と狙いをうかがわせる文章が断続的に繰り返されている。以下に掲げる箇所は、読者が断片と断片を重ね合わせ、理解を積み重ねることによって事件と創価学会の関連をうかがわせるよう意図したものとしか思えなかった。

A〈「非合法テロ」によって(朝木明代議員を=筆者)殺した側は、この議員が取り組んでいた問題や打ち鳴らした警鐘が、自分の存在自体を脅かしかねないと考えたからにちがいない。〉

B〈朝木明代議員が「万引き」や「自殺」をするような人物でないことは、多くの市民が知っているのだが、自称三〇〇〇世帯そして市議会議員を六人当選させている創価学会は信者ぐるみで、「万引き苦にして自殺した」と宣伝するとなると、少々話は違ってくる。
 しかも、こういう事件の捜査を担当する警察を指揮する立場にある地検、つまり東京地方検察庁八王子市部の当時の支部長や当時の担当検事までが創価学会の幹部だったとすると、簡単明瞭な真実すら、これを証明するためには大変な努力と時間がかかることになる。〉

C〈殺された朝木明代議員は、議員活動の一部として、東村山市内外の創価学会の脱会者の支援や人権侵害の被害救済活動をし、創価学会信者らと緊張関係にあった。他の議員は後難を恐れて、この分野の問題には手をつけなかった。〉

D〈(事件のキーパーソンとして=筆者)登場する人物の第一番目は、事件の捜査を担当する警察の捜査を指揮する検察庁支部の面々だ。……いずれも創価学会の幹部信者である。……信田昌男検事は、朝木明代議員が「万引きの犯行をした」ときめつけた担当検事である。〉

E〈第二番目は、これらの地検支部検事らによって指揮された東村山警察署の千葉英司副署長。このひとも重要な登場人物だ。……(千葉副署長は=筆者)捜査結果判明した事実をどんどん書き変え、「自殺説」を広報した。〉
 
 ――上記のAとCから推認されるのは、〈「非合法テロ」によって殺した側〉とは〈創価学会〉のことであり、Bの前半部分、〈創価学会は信者ぐるみで、「万引き苦にして自殺した」と宣伝〉していた理由についても、読者は「犯行を隠蔽するため」だったと理解するのではないか。さらにBの後半部分とDおよびEによって、東京地検八王子支部とその指揮下にあった東村山署千葉英司副署長が、真実の追及よりも創価学会の組織防衛を優先した結果、「他殺」の事実を隠蔽して「自殺」として処理したと理解する可能性は高い。

 とりわけ、事件発生直後から矢野と直子の宣伝に乗せられた週刊誌を中心とするメディアの報道に一定の信頼を置いていた読者が、〈八年目の真実〉と称して発刊されたこの本の記述を信用した可能性を否定できない。彼らの多くは、その八年の間に争われた多くの裁判のすべてで矢野と直子の主張がことごとく排斥された経過はもちろんその事実さえおそらく知らない。もちろん、『東村山の闇』で「万引き冤罪」「他殺」の「新証拠」と矢野と直子が主張する事実もまたすでに法廷で否定されていたことも。


(第3回へつづく)
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テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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