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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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佐藤ブログ事件 第12回
「東村山市民新聞」など以外に佐藤が「矢野と朝木はパーソナリティ障害等を有する」とするコメントには真実性・相当性があると主張して提出したのは矢野と朝木が関わった過去の裁判所の判断だった。①「許さない会」事件②超党派事件③少年冤罪事件の3件である。③少年冤罪事件については本連載の第10回で触れたので、①②の裁判の内容と認定内容をあらためて確認しておこう。

1 「許さない会」事件

 平成7年4月に執行された東村山市議選で、当選した朝木直子が次点で落選した矢野穂積を繰り上げ当選させることを目的として議員任期開始前に住民票を千葉県松戸市に移動した。これによって朝木の被選挙権がなくなったことで当選も失ったとみなされ、矢野の繰り上げ当選が認められることとなった。この議席譲渡が違法であるとして東京都選管の決定に異議申立を行ったのが「『草の根』の議席の私物化を許さない会」(以下=「許さない会」)だった。

 議席譲渡から2年後の平成9年8月25日、最高裁は矢野の繰り上げ当選を無効とする判決を言い渡し、矢野は議席を失った。この間、「許さない会」は多くのビラ(「手を結ぶ市民のニュース」=以下=「市民のニュース」)を発行して議席譲渡がいかに民意を愚弄するものであり、選挙制度の根幹を揺るがすものであるかを訴えてきた。議員資格を失った矢野は「許さない会」が発行したビラの文言をめぐり「許さない会」メンバーと、〈他の被告ら(「許さない会」のメンバー)と通牒して虚偽の事実を〉提供したなどとして万引き被害者を提訴したのである。

 矢野が問題にした記事の中には本件の「矢野と朝木はパーソナリティ障害等を有する」とのコメントに通じる文言があった。最高裁判決を市民に伝えた平成9年9月1日付ビラで安藤智文が記載した文言と同年12月1日付ビラに掲載された匿名市民の文言である。



(平成9年9月1日付「手を結ぶ市民のニュース」の文言=記事3)

 矢野氏は物事を自分本位に解釈して、訴訟を計画し、これをもって時には脅し、執拗なまでに実行します。また自分の憶測を理屈づけ、朝木直子さんという媒体を巧みに利用し、多くの市民を味方に惹きつけようとしています。精神分析のリポートによりますと、パラノイヤ(偏執病・妄想病)の中でも好訴妄想者がこうした傾向を示す場合が多いと云います。

(平成9年12月1日付「手を結ぶ市民のニュース」の文言=記事4)

 1人の異常とも思える人間とこれにマインドコントロールされた人達とが、一見正常とも見える反社会的行為を繰り返しているのが「草の根」の真の姿だと思います。自分達に都合の良いウソの情報を流し世間をごまかして来ました。

 批判する人は告訴やペンの暴力で攻撃され続けています。行政や市議に対しても然りです。



 上記記事3、4について東京地裁は、いずれも議席譲渡事件に関するものおよび最高裁判決あるいはこれまでの「許さない会」の活動等を報じる「市民のニュース」の「市民の声」欄に掲載された文章であり、その〈前提となる事実は、本件議席譲り渡し事件における原告矢野及び同直子らの行動であるというべきである。〉と認定した上で、その真実性・相当性について検討している。

 その際に裁判所が注目したのは、議席譲渡に際して矢野と朝木が市民に公表した「理念としての当選者交代について」と題する文書の内容と最高裁判決に対する矢野の見解である。「理念としての当選者交代について」において彼らは議席譲渡を正当化し、最高裁判決については「東村山市民新聞」で〈最高裁は判決で、選管が朝木直子編集長の住所移転(当選失格)を判断する権限がないのに勝手に、繰上当選の手続きをとったのは誤りで、市議会に繰上当選の手続きをはじめからやり直しをすべきというもの。〉と主張していた。

 最高裁判決によっても矢野がなお、繰り上げ当選が是認されることを前提とした論理を組み立てている点にはやはりかなりの違和感を覚える。最高裁判決は、

〈本件繰上補充は、当選人である朝木が被選挙権を失っていなかったにもかかわらず、これを失ったものと誤認してされた点において違法であり、矢野の当選には無効事由があるというべきである。〉

 と述べている。すなわち最高裁が矢野の繰り上げ当選を無効とした理由の根幹は、「朝木の被選挙権は失われていなかった」ところにあるのであって、矢野の繰り上げ当選手続きを行った機関がどこだったかにあるのではない。矢野が得意とする論点のすり替えにほかならない。

 これらの矢野と朝木の主張に対して東京地裁は次のように述べた。

〈(「理念としての当選者交代について」)で示された考え方は、公選法上は想定されていない考え方であるといえる。また、……議席譲り渡し事件に関する本件最高裁判決について原告矢野は、東村山市民新聞において……(上記の主張)との記事を掲載しているが、本件最高裁判決は、……東村山市議会において、原告矢野の繰上当選の手続をやり直さなければならないなどと判断したものではない〉

 その上で東京地裁は、「許さない会」のビラに掲載された、

〈原告矢野は物事を自分本位に解釈する〉
〈自分の憶測を理屈づける〉
〈1人の異常と思える人間〉

 との論評について〈その前提となる事実は相応の根拠があるということができる〉と認定した。

 さらに、〈原告矢野は訴訟を計画し、これをもって時には脅し、執拗なまでに実行する〉との論評については、

〈原告矢野が、市議会議場の傍聴席から、創価学会等を批判する発言をした際、公明党所属の市議会議員がこれをとがめたところ、原告矢野は、「裁判するぞ。」「新聞に書くぞ」「公明党とも全面戦争、仁義なき闘いをするぞ。」と発言したこと、……当時市議会議員であった者に対し、8年間にわたって「裁判するぞ。」「新聞に書くぞ。」と発言していたことが認められる。……論評の前提となる事実は相応の根拠があると認められる。〉

 と認定している。その上で残された「パラノイア」との論評についても次のように結論づけた。

〈パラノイアに関する論評は、上記各論評を前提にしたものであることからすると、表現自体はやや穏当さを欠くものであるが、当該論評の前提たる事実もまた相応の根拠があると認められる。〉

 東京地裁はこう認定し、矢野と朝木の請求を棄却したのである。もちろん万引き被害者についても〈共牒していたと認めることはできない。〉などとして矢野らの請求を斥けた。矢野と朝木は一審判決を不服として控訴したが、控訴審第1回口頭弁論当日になって控訴を取り下げ、一審判決が確定している。

 佐藤の裁判で東京地裁は、この判例もまた「矢野と朝木はパーソナリティ障害等を有する」とするコメントの真実性・相当性の根拠として認めたのである。

(つづく)
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