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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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太田述正事件 第3回
デマを鵜呑みにした元エリート官僚

 社会に対する根強いある種の偏見と偏向した考え方を持つ者にとって、また常に物事に対する客観的な判断をしようとしない者にとって『東村山の闇』がどう理解されたか。同時に、バランス感覚を持った判断力と学歴や社会的地位とはまったく関係がないのだということも教えてくれる人物が現れた。太田述正という、旧防衛庁の元官僚だった人物である。この東大法学部出身のエリートが『東村山の闇』をどう読んだか。平成15年11月26日、このエリートがブログで発表した〈今次総選挙と日本の政治〉と題するコラムをみよう。

〈1 キャスティングボード(原文ママ)を握っている公明党

 矢野穂積・朝木直子「東村山の闇――「女性市議転落死事件」8年目の真実」(第三書館2003年11月)を読みました。著者のお二人はともに東村山市議であり、殺害された「女性市議」朝木明代さんの同志と娘さんということで、怒りがみなぎった筆致となっており、繰り返しも多く、ちょっと読みづらい本です。しかし、書かれている内容はこの上もなく重いものです。
 1995年に起こったこの殺人事件については、当時マスコミで相当話題になり、国会でも取り上げられたので、ご記憶の方も少なくないと思います。

 東京都東村山市は、創価学会の勢力が強いところで、市議26名中、(建前上はともかく創価学会の政治部以外の何者でもない)公明党は6名で、自民党の7名等とともに与党を構成しています。
 明代市議は、議員活動の一環として創価学会脱会者の支援や人権侵害の被害者救済活動を行っていたことから、東村山市の創価学会員や公明党市議らと緊張関係にありました。このような背景の下で、1995年に明代議員を被疑者とする万引きでっちあげ事件が起こり、更にその直後に明代議員殺害事件が起こったのです。
 当時捜査当局によって、昭代(ママ)市議は万引きの被疑者として送検され、また、昭代(ママ)議員のビルからの転落死は万引き発覚を苦にしての自殺と断定されてしまいます。
 ところが、所轄の東村山警察署で転落死事件の捜査及び広報の責任者であった副署長も、彼の下で捜査を担当した刑事課員も、また捜査を指揮した東京地検八王子支部の支部長及び担当検事もことごとく創価学会員だったのです。
 昭代(ママ)市議をビルから突き落として殺害した人間は創価学会関係者の疑いが強かったため、彼らは公僕としての義務よりも創価学会への忠誠を優先させ、創価学会の組織防衛に走ったと思われます。
 しかし、彼らの画策したでっちあげや隠蔽工作は、この本の著者達やマスコミによって、創価学会の執拗な妨害を受けつつも、徹底的に暴かれ、社会の厳しい批判に晒されることになります。
なお、明代市議の殺人犯はまだつかまっていません。

創価学会は、1996年にフランスの国会の委員会がとりまとめた報告書において、フランス国内最大規模のカルトと名指しされています。
 こんな創価学会すなわち公明党が、1993年、非自民連立政権の下で初めて政権の一翼を担い、1994年には創設メンバーとして新進党に合流し、1999年からは死に体の自民党を与党として支える、という具合に日本の政治のキャスティングボード(ママ)を握っています。
 背筋が凍るような話だとお思いになりませんか。〉

 公正中立であるべき検察庁幹部と警察官、とりわけ東村山署の副署長が、私的に所属する団体の組織防衛をはかるために「殺人事件」という犯罪事実を隠蔽したのみならず、そのために無実の人間に犯罪者の烙印を押した――。これが事実とすれば、とうてい「背筋が凍るような話」ではすむまい。一党独裁国家ならまだしも、これが現代の民主主義国家日本で起きた事実だというのなら、きわめて重大な国家的危機にほかならない。太田はそう認識したからこのコラムを書いたのだろう。

 ただし常識人なら、本に書かれていたからといって、事実確認もせずに行動を起こすことはしない。私が彼の立場であれば、まず矢野と朝木が本で主張している内容が事実かどうかの確認作業をまずやろうとするだろう。

 もちろん太田にしても元防衛庁の幹部だったほどの人物だから、そのあたりの手順をわきまえていないとは考えられない。ところが『東村山の闇』を読んだ彼に何が起きたのか。太田はその根拠がどこまで真実なのかについては独自の調査をしないまま、一方当事者である矢野と朝木が主張する内容のみに基づいてこのようなコラムを書いたのである。

 このとき、少なくとも太田述正というエリートに対しては『東村山の闇』はまさしく矢野と朝木の狙い通りか、それ以上の効果を挙げた。頼んだわけでもないのに太田は自発的に彼らを美化し、本の好意的な宣伝までしてくれたのだから。一方、コラムを書いた太田は、コラムの内容がどう見ても創価学会や当時の東京地検の捜査担当者、東村山署の千葉英司元副署長の名誉を毀損するものであることについてどれほど自覚していたのだろうか。


(第4回へつづく)
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テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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