ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

「朝木宅襲撃事件」 第7回
「酔っ払いには見えなかった」という主観

 平成18年3月31日付「東村山市民新聞」第144号の「暴漢侵入事件」の記事は、矢野によるFMラジオや議会における質問を利用した宣伝を経て掲載されたものだった。さらに3面の「やの議員の頁」には〈殺害未遂事件〉〈私は朝木議員殺害を狙った犯人を見た〉と題して矢野の「目撃談」なるものが掲載されている(「目撃談」はのちにウェブ版「東村山市民新聞」「矢野ほづみ議員のページ」に掲載されたものと同じ内容である)。

 このタイトルからすれば、犯人はたんなる「住居侵入犯」ではなく「殺人未遂犯」であると多くの読者は受け取るのではあるまいか。しかしこの「目撃談」とは、パトカーに乗せられた「犯人」の顔を見たというものにすぎず、犯行現場を目撃したというものではない。その上で記事は「おとなしく神妙にしている様子は、とても酔っ払いには見えませんでした。」と、矢野の主観で締めくくっている。

 記事には犯人が「住居侵入犯」ではなく「殺人未遂犯」であるという客観的な根拠は何も示されていなかった。つまりこの記事は、矢野の主観を並べることで読者に対して事件が「殺人未遂事件」だったかのように印象付けることが目的だったのではないかという見方ができよう。それをよりうかがわせたのが、矢野の「目撃記事」の隣に朝木明代の自殺を「殺害事件」とする記事が掲載されていたことである。

隣に「殺害事件」と題する記事

 記事は〈殺害事件〉〈最高裁判決は警察捜査結果を否定した!〉と題し、本文には次のように記載していた。

〈昨年5月13日に、朝木明代議員遺族・矢野議員側の勝訴が確定した最高裁判決が、朝木明代議員が自殺したとする東村山警察の捜査結果を、事実上、否定していたことがわかりました。これまで、朝木明代議員の遺体には、加害者と争った証拠とされる上腕内側部に変色痕(アザ)があったことが「司法解剖鑑定書」に書かれてあったことなどから自殺ではない、との判断が判決書には書かれていましたが、さらに加えて、自殺を裏付ける事情があるとする東村山警察の捜査結果では「自殺を推認するに足らず、他に朝木明代が自殺したと認めるに足りる証拠はない」と断定していることがわかりました。

 2月5日の朝木直子議員殺人未遂事件も発生しており、真相がはっきりしたといえます。〉

「昨年5月13日」とは平成17年5月13日である。この日の最高裁判決とは月刊タイムス裁判の最高裁判決を指している。その中で矢野がいう「裁判所が東村山警察の捜査結果を否定していた」箇所とは、東京高裁判決の以下の部分であると類推できる。



……現場の状況、亡明代の死亡直前の言動、死体の状況及び関係者の供述を総合考慮すると、亡明代が自殺したことを裏付ける事情が存在することは確かである。

 しかしながら、他方で、……司法解剖の結果、亡明代の左右上腕内側部に皮膚変色が認められたこと、亡明代の事務所の鍵が、平成7年9月2日夕方になってから、本件マンションの2階踊り場付近で発見されたこと、亡明代の靴がいまだに発見されていないこと、亡明代が同年8月において本件窃盗被疑事件が冤罪であると主張して徹底的に闘う決意を表明していたことが認められ、これらの事実に照らせば、上記亡明代が自殺したと断じるにはなお疑問が残るところであり、上記亡明代が自殺したことを裏付ける事情をもって、自殺を推認するに足らず、他に亡明代が自殺したと認めるに足りる証拠はない。



 東京高裁は明代の自殺に関する東村山警察署の捜査結果について、矢野がいうように〈自殺を推認するに足らず、他に朝木明代が自殺したと認めるに足りる証拠はない。〉と述べた。しかしこれはあくまで、東村山警察署の捜査結果に基づき〈現場の状況、亡明代の死亡直前の言動、死体の状況及び関係者の供述を総合考慮すると、亡明代が自殺したことを裏付ける事情が存在することは確かである。〉と東村山署の「自殺」の結論に同意を示した上での話で、裁判所が自殺を否定したものでも、まして「他殺」であると断定したものでないことは明らかである。

 また矢野は記事で〈これまで、朝木明代議員の遺体には、加害者と争った証拠とされる上腕内側部に変色痕(アザ)があったことが「司法解剖鑑定書」に書かれてあったことなどから自殺ではない、との判断が判決書には書かれて(いた)〉とも主張している。しかし、裁判所が明代の「自殺」(あるいはその可能性)を否定したことは1度もない。

 たとえばタイムス裁判以前の判決としては「潮事件」判決があり、一審の東京地裁は上腕内側部の変色痕などを理由に〈亡明代が自殺したとの事実が真実であると認めるには足りず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。〉と認定した。しかしこれも東村山署の捜査結果に基づき〈亡明代の死因が自殺であるとみる余地は十分にあるというべきである。〉と認定した上でのことで、自殺を否定したわけでも、まして「他殺」であると断定したものでもない。

 したがって「東村山市民新聞」144号における〈朝木明代議員の遺体には、加害者と争った証拠とされる上腕内側部に変色痕(アザ)があったことが「司法解剖鑑定書」に書かれてあったことなどから自殺ではない、との判断が判決書には書かれていました〉とする矢野の記載は虚偽であるということになる。矢野は上記記事と「暴漢侵入事件」の記事を並べることで相互に信憑性を持たせる効果を狙ったのではないかと私には思われた。

 いずれにしても、平成18年2月10日に多摩レイクサイドFM(「ニュースワイド多摩」)で「事件」の第一報が伝えられて以後、なにやら関連性があるかと思わせる事件の発生(半固体排泄物放置事件)も含めて、事件を伝える矢野の表現内容は徐々に強まり、ついには「殺人未遂事件」となったものの、客観的裏付けが示されることはなかった。私が朝木直子に直接聞いた際には「もう調べはついてるんでしょ」というのみで、朝木の口からはなんらの具体的な説明も聞かれなかった(本連載第3回)。また同年3月上旬、私が矢野にその後の状況を聞くと矢野は、私に対してこういったのである。

「お前も仲間なんじゃないのか」

 もちろん私に身に覚えはなかった。矢野のこの発言からも、矢野が事件について具体的な根拠もなく「暴漢が朝木に危害を加える目的で侵入した」と主張しているのではないかと強く感じた。

(つづく)
関連記事

TOP