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「朝木宅襲撃事件」 第9回
『週刊実話』も同様の記事

 朝木は本当に「暴漢」から「てめぇ、ぶっ殺してやる」と脅され、週刊誌の取材に対してそう伝えたのだろうか。

 そのことを検証する材料としてもう1つ、「事件」を伝えた『週刊実話』(平成18年3月9日付)の記事がある。『週刊実話』もまた明代の自殺に関して疑惑仕立ての記事を掲載した実績がある。

 その『週刊実話』も独立した記事ではなく〈News! 4回転ワイド〉という雑多な記事を集めた特集の中の1本として取り上げた。タイトルは〈謎の自殺から11年 東村山・朝木市議の実娘を襲った怪事件〉。『週刊実話』では「事件」を矢野のいうように「殺人未遂事件」とは表現せず「怪事件」とのみ記載している。『週刊新潮』の〈「暴漢乱入」〉よりも一歩引いた表現といえるのではあるまいか。余談だが、明代の転落死を「自殺」と記載している点は評価できる。

 この記事で朝木は次のようにコメントしている。

「……自宅2階で寝ていたところ、わめき散らす男の声が聞こえてきたんです。なんだろう、酔っぱらいかなと思っていると、その男は私の家の敷地に押し入って来て、『てめぇ、出てこい、このヤロー』などと怒鳴りながら、1階のサンルームのガラスをドンドンと叩き始めました」

「男は激しくガラスを叩いていましたが、……今度は家が揺れるほどの激しい勢いでガラスを蹴りはじめました。『出てこい、このヤロー』と叫びながらの激しい蹴りに、私は蹴破られて侵入されるのかと、強い恐怖を憶えました」

 確かに就寝中に自宅敷地内に不審者が侵入し、いきなり「このヤロウー」などとガラスを蹴られたのでは、確かに身震いするような恐怖を覚えただろうことは察するに余りある。しかし『週刊新潮』同様に、『週刊実話』にも「ぶっ殺してやる」という発言は記載されていなかった。なぜなのだろう。『週刊実話』から取材を受けた状況についても代理人が訊いている。そのやりとりも紹介しよう。



代理人  このとき(『週刊実話』の取材の際)もあなたは、自分の記憶のまま記者の人に話をしたと。

朝木  そうですね、そのとおりです。

代理人  このときもあなたは、男のほうが、出てこい、という話と、てめえ、ぶっ殺してやる、という発言をしたということを、この記者の人にいってましたか。

朝木  発言というか、ありのままをお話ししました。

……略…

代理人  このときに、あなたは「週刊実話」の記者のほうにも、ちゃんと男が、てめえ殺してやる、というふうにいってたということは、伝えてるということですね。

朝木  ありのままをお伝えしてあります。



 私の代理人が重ねて「てめえ、ぶっ殺してやる」といわれたかと訊いたのに対して、朝木は「ありのままを伝えた」と答えている。すると朝木が『週刊実話』に対しても「『ぶっ殺してやる』といわれた」とコメントしたとすれば、同誌もまた偶然にこの発言を聞き漏らしたか、あえて不審者のこの発言を記載しなかったのだろうか。

 普通に考えれば、同じように取材した2つの週刊誌が、2誌とも偶然に同じ発言を聞き漏らしたとも、聞いていながらあえて記載しなかったとも考えにくい。朝木は『週刊新潮』に対しても『週刊実話』に対しても「『ぶっ殺してやる』といわれた」と伝えたと主張するが、実際には朝木はそのようなコメントはしなかった――そう考える方がすんなり腑に落ちるのである。

 朝木が実際に「ぶっ殺してやる」といわれたとすれば、週刊誌に対してそう伝えないはずがない。そう考えると、事実は、不審者はガラスを蹴りながら「出てこい、このヤロー」といったかもしれないが、「ぶっ殺してやる」とはいっていないということではないのだろうか。同じように取材した『週刊新潮』と『週刊実話』が、同じような内容の記事を掲載し、打ち合わせでもしたかのように「出てこい、このヤロー」の発言については記載しているにもかかわらず、「てめぇ、ぶっ殺してやる」との発言は記載していないという点からすると、やはり不審者がそのような発言をした事実はなく、朝木もまた取材に際してそのような発言があったとは答えていないということではないかと私は考えた。

東京地裁の認定

 取材に対して朝木が本当に「『てめぇ、ぶっ殺してやる』といわれた」と話していたとすれば、『週刊新潮』も『週刊実話』も、いずれもきわめて重要な発言を記載していないことに対し不満を持っていても不思議はない。私の代理人の尋問では記事が不本意であるとさえ供述しなかった。朝木の本心はどうなのか。その点について朝木の代理人が聞いてくれているので朝木の本心を聞こう。



矢野・朝木代理人  今、「週刊新潮」、「週刊実話」の記事の話が出てましたけど、これは、おうおうにあることかなとも思いますけれども、要するに、あなたの言ったこと(筆者注=「てめぇ、ぶっ殺してやる」といわれたとする主張)が、当然そのまま記事にはなっていない、そういうことなんですかね。

朝木  そうですね、若干というか、かなり事実と違うところもある記事ですね、両方とも。

代理人  もちろん、発売前にあなたが原稿を確認されるなんてことは当然ないわけでしょう。

朝木 見ておりません。

代理人  そうすると、週刊誌の記事は、あなたの言ったこと、あるいはあなたの思っていることと、ちょっと大分違うんじゃないのという、そういう面もあるということですかね。

朝木  そうですね、ちょっと事実関係がかなりずれているなというところはありましたけれども、読んだときに、ただ、特に抗議をする事件の本筋をゆがめるようなものでもなかったので。



「殺人未遂事件」と主張する朝木が「てめぇ、ぶっ殺してやる」といわれたかどうかは、実際に事件を体験していない第三者に真相を訴える意味できわめて重要な事実だと思うが、朝木は両誌の記事が本筋をゆがめるものではないと考えているようである。

 では、裁判所は朝木の供述をどうみたのか。



(「『ぶっ殺してやる』といわれた」とする主張に対する東京地裁の認定) 

 原告朝木が両誌の記者の取材に応じていたことや両誌の記事は内容がほぼ同じであることからすると、両誌の記事には週刊誌の記事に特有の誇張はあるとしても、原告朝木が取材に応じて語った内容をほぼ忠実に再現しているものとみられる(ところで、原告朝木は、前記のとおり、取材を受けた際、記者には「てめぇ、ぶっ殺してやる」との男の言葉を伝えた旨を供述しているが、原告朝木が記者にそのことを伝えていたというのであれば、この種の記事の性質上、記者があえてこの言葉を記事に書かなかった理由は見出し難いから、原告朝木が男の言葉を記者に伝えていなかったか、あるいは、原告朝木の供述(同原告は、両誌の記者の取材を受けて記憶にあるままを語ったものであって、両誌の記事は本筋をゆがめるものではないと供述している。)に照らすと、原告朝木は当日男からそのような言葉を聞いていなかったとの可能性が考えられる。)。



 東京地裁のこの判断はきわめて常識的であるように思われる。

(つづく)
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