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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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「拉致」デマを検証する 第6回
穏便な「質問状」

〈暴力団員2名が、朝木議員の体をビルの6階の外側に抱え上げて、創価学会に敵対する活動を止めなければ落とすぞと脅していた。ところが、誤って朝木議員を落として死亡させてしまった〉とする「他殺説」は、高倉教授の陳述書をみる限りでは客観的な裏付けもない上に、内容自体もにわかに信じられるような代物ではないように思われた。

 ただ高倉教授がこの「拉致説」に関して知り得た情報を1通の陳述書にすべて記載したとは限らない。またこの「出来の悪いデマ」と扱われかねない話を高倉教授が「事実」と信じたことには、第三者にはうかがい知ることのできない理由があった可能性もないとはいえない。仮にそうでなかったとすれば、国立大学の、それも法律を専攻する教授が、ただの伝聞情報を、裏付けを取ることもなく「事実」として吹聴するなど、常識ではちょっと考えられない。

 高倉教授は何を根拠にこの伝聞を「事実」と判断したのか――。明代の転落死事件の捜査を指揮し、「事件性なし=(万引きを苦にした)自殺」と結論付けた当時の東村山署副署長千葉英司は、高倉教授に直接その根拠を聞いてみることにした。

 千葉が高倉教授に対し平成25年7月23日付でファックス送信した質問は以下の4項目だった。



 本件記事は、現職警察官の内部告発(警察は、朝木市議殺害犯人を特定したが創価学会員の検事が握り潰した=筆者注=「行動する保守」Aによる伝聞の伝聞)及び朝木直子の問題発言(週刊誌に「創価学会に殺された」とコメント)と関連しているのか。

 法律学者である貴殿は、伝聞の伝聞である事実を公表するに当たり、十分な検証を行ったはずであるから、その検証結果を具体的に明示されたい。

 野崎氏(筆者注=高倉教授が陳述書で「拉致」の模様を話したとする人物)は、本件記事を公表することを承諾したのか。

 重大な野崎証言を公表や告発もせず9年間も放置した(筆者注=高倉教授はこの「拉致」説を「平成16年7月18日」に聞いたと述べている)、その理由は何か。



 仮に高倉教授が「伝聞の伝聞」の客観的裏付けを取っているとすれば上記質問はきわめて穏便なもので、教授を困惑させるようなものではあるまい。

不可解な求釈明

 これに対する高倉教授の回答書はすみやかに届いた。なぜかファックスではなく内容証明郵便だった。千葉の「質問状」は住所とファックス番号が明記されているとはいえ、それが実際に千葉が送信したものであるという証明はない。したがって高倉教授は、記載された住所が実際に千葉の住所に間違いなく、また発信者が千葉であることに間違いがないことを確認するために内容証明郵便を利用したのかもしれなかった。郵便物が遅滞なく届けば「質問状」に記載された氏名と住所が事実であることが一応は確認できよう。

 ただ高倉教授の回答をみると、「質問状」の送り主が元警視庁東村山署副署長の千葉英司であることを疑っている様子はなかった。しかし高倉教授は回答書の冒頭で次のように述べていた。

〈質問にお答えすることにやぶさかではありませんが、前提に不可解な点が多々あります。不可解な点が解消された後、質問にお答えしたいと思います。〉

 高倉教授のいう「不可解な点」とは、千葉が「質問状」において「職業」を「無職(元東村山事件書記捜査指揮者)」と記載していたことである。高倉教授はこれが「肩書」の記載にあたるとし、警察官はそのような「肩書」は使わないから、これは「経歴詐称にあたる」と主張していた。千葉には意外な反応だった。

 千葉は「質問状」において自らが何者であるかについて〈無職(元東村山事件書記捜査指揮官)〉と記載し、本文では〈初期捜査の結果、事件性は薄い(他殺を否定)と判断した私は〉と記載している。しかし、ファックスの送信主が実際に千葉であると証明するものは何もない。だから高倉教授が、送信主の真正性を問題にし、まず送信主が元東村山警察署副署長の千葉英司であることの証明を求めたというのならまだわかる。ところが高倉教授は、送信主が千葉であることについては特に疑念を表明せず、千葉が自分について「元東村山事件書記捜査指揮官」と記載したことについて「経歴詐称」であると主張していたのである。

 その上で高倉教授は、千葉が「経歴詐称」をするのは不可解であるなどとし、それを前提に千葉に対してその理由について数点の項目を挙げて釈明を求めていた。教授は「不可解な点」が解消されたあとで、千葉の質問に答えるとした。

 高倉教授が「回答書」で千葉に示した質問については詳述を避けるが、第三者からみると、相手が千葉であると認めたのなら、「伝聞の伝聞」の検証結果を明らかにすることに何の支障があるのだろうか。むしろ相手は当時の捜査指揮官でもあり、捜査機関の出した結論が誤りであることを告発、あるいは追及する絶好の機会というべきだろう。にもかかわらず、教授は不可解な釈明を求めた。

 これはやはり不自然な対応に映る。あるいは高倉教授は、千葉の質問に答えるだけの裏付けを実は何も持っていなかったのだろうか。

裏付けを明らかにしない教授

「経歴詐称」などと決めつけた高倉教授の求釈明に対して千葉は、「(そのような)事実はないので、釈明要求には回答しない。」とし、これ以上の書面でのやりとりは無用である旨の回答をファックスで返送した。理解しにくい教授の求釈明によって、千葉は一定の感触を得たのかもしれない。それに対して高倉教授はすぐにブログでこう述べた。

〈私は、内容証明郵便での回答をお願いしたのですが、ファックスでの文書送付でした。残念で、かつ、不可解なことです。〉

 高倉教授は千葉の送付方法についてこう感想を述べたが、千葉の「経歴詐称の事実はない」との回答内容には特にコメントしなかった。「経歴詐称」の主張といい「内容証明」への執着といい、高倉教授の論点の示し方にはやや違和感を覚える。

 その後高倉教授は問題の「伝聞の伝聞」について触れようとはしない。仮に高倉教授が裏付けを取っているのだとすれば、教授のいうように朝木明代の転落死は「万引きを苦にした自殺」ではなく「他殺」ということになり、警視庁および東京地検の「自殺」とした判断は誤りだったことになる。大学教授として捜査機関の結論を真っ向から覆す主張を行ったからには、高倉教授が再捜査の要求など何らかのアクションを起こしてもおかしくない。

 かつて朝木明代の転落死(自殺)についてしきりに「他殺」を主張していた元国家公安委員長で弁護士の白川勝彦は、千葉から「東村山事件は今でも『他殺』とお考えですか」と問われて「事件捜査は客観的証拠に基づかなければいけませんね」と答えた。その一方で白川はもう「他殺」であるとはいっさい主張しなかった。つまり当時の「他殺」とする白川の主張には客観的証拠がなかったことを認める発言だったということと理解できた。

 釈迦に説法と思うが、今回の伝聞情報に基づいて「再捜査」を要求する際には、陳述書だけでは素人がみても相手にされないと思う。だから高倉教授は当然、捜査機関を納得させるだけの証拠を添えるのだろう。

 しかし、今のところ高倉教授が捜査機関に対して「再捜査」を働きかけた様子はない。今後、高倉教授が「明代他殺説の伝聞情報」に関してなんらの現実的アクションも起こさないとすれば、それはやはり「行動する保守」Aの「内部告発」同様の与太話だったと考えるのが常識的な判断というべきだろう。

(了)
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