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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『週刊現代』事件 第23回
朝木関連事件で最初の判決

 平成11年5月17日、原告、被告の三者がそれぞれ最終準備書面を提出し、裁判の途中から被告同士が激しく争うことになったこの珍しい裁判は結審した。裁判の焦点は、

①「遺族の声の伝達」であるとする講談社の主張に対する判断

②「コメントはしていない」とする朝木らの主張に対する判断

③名誉毀損の有無

 の3点だが、私の個人的な最大の関心事は「コメントはしていない」とする朝木の主張を東京地裁がどう判断するか――にあった。さらにいえば、朝木の主張が排斥されれば、名誉毀損は免れないだろうとみていた。

 東京地裁が判決を言い渡したのは平成11年7月19日である。ちなみにこの判決は朝木明代の自殺をめぐる裁判の中でも最初の判決で、法廷には矢野と朝木の姿もあった。では、東京地裁はこの珍しい事件をどう判断したのだろうか。

〈争点1 「被告講談社らの原告に対する名誉毀損の成否」〉

 東京地裁はまず〈争点1 「被告講談社らの原告に対する名誉毀損の成否」〉として講談社に名誉毀損があったかどうかを検討している。東京地裁は記事の『週刊現代』としての論評部分について〈原告が朝木市議を殺したとの事実を断定はしておらず、したがって、一般読者においても原告が朝木市議を殺害したとの断定的、確定的な印象までは生じ得るものとはいえない。〉と述べた上で、講談社が引用しただけと主張する朝木らのコメント部分に言及して次のように述べた。



(朝木らのコメント部分に対する判断)

①本件大見出し部分には、……『明代は創価学会に殺された』と記載されており、朝木市議は原告に殺害されたという被告直子の前記認定の発言内容をことさらに強調する表現方法を採用していること、

②本件見出し部分には、本件大見出し部分の直下に……「オウムのような犯行の手口」と記載し、……特定の宗教団体が自らに批判的な……弁護士を暗殺した疑いを持たれているという……一般読者が有していた知識を引き合いに出して、原告による朝木市議殺害の疑惑の存在を読者に強く印象づけようとする意図が読みとれる表現方法がなされていること、

③本件記事の大半は、本件発言部分を含む被告朝木らのコメント及び朝木市議の死亡に自殺にしては不審な点があることや朝木市議が生前原告に批判的な活動を続けていた事実等……で占められており、原告関係者の発言を記載した部分は本文中僅か9行に過ぎないこと、

④……本件記事には、本件直子発言部分に関する被告講談社らの論評として、「しかし、朝木さんの活動は創価学会にとってはかなり脅威だったようだ。」との記載があり、また本件大統発言部分に関する被告講談社らの論評として、「朝木さんの夫・大統氏が『妻が自殺するはずがありません。この事件は創価学会と警察によってデッチあげられたとしか思えない』と憤るのも無理はない。」との記載があるほか、朝木市議の死亡原因を自殺と断定した警察の初動捜査を批判する論評の記載がなされており、これらの論評の内容は、全体として、朝木市議の死亡に原告が関与しているとする被告朝木らの主張に好意的な内容となっていること

 等に照らすと、本件問題部分の表現は、筆者である被告講談社ら自身が間接的に引用事実の存在そのものを主張していると一般読者に理解されても仕方がないというべきであり、その一般読者としては、……本件問題部分の記載から、朝木市議は原告に殺害されたのではないかとの疑惑を十分に抱き得るものといわざるを得ない。

筆者注=判決文に改行はないが、便宜上、項目別に改行を施した)



 東京地裁は本件記事の問題部分についてこう述べ、記事が創価学会の社会的評価を低下させたと認定した。

引用による名誉毀損を認定

 では、講談社が「遺族の声をそのまま伝えたもので、不法行為は構成しない」と主張している点についてはどうだろうか。東京高裁は〈出版社が……取材された者の発言を引用する形で取材内容を記事にする場合でも、その表現方法等から見て、一般の読者にその出版社自身が間接的にその発言内容が真実であると主張するものと受け取られる可能性があるならば、その発言内容につき真実性ないし相当性が立証されない限り、公表された発言内容について……不法行為責任を免れ得ないと解すべきことは前記のとおりである。〉と一般的認識を述べた上で、本件についてこう述べた。



(「朝木らのコメントを引用しただけ」とする講談社の主張に対する判断1)

(被告講談社らは)被告朝木らの……原告が朝木市議を殺害したかのような印象を特に強める発言部分をことさらに取り上げて、……不適切な表現方法をあえて採用しているのであって、……被告講談社らにおいて被告朝木らの発言をそのまま引用したに過ぎないこと(本件記事の中立性)を根拠に名誉毀損の不法行為責任を免れることはできないというべきである。



 講談社は朝木らのコメントを引用しただけで、記事はコメントの内容が真実であると主張するものではないと主張したが、東京地裁は記事について、『週刊現代』自身が「間接的にその発言内容が真実であると主張するもの」であると認定したのである。

 余談だが、朝木明代の自殺をめぐってはその後も裁判所が上記と同様の判断を示した判例が生じている。『週刊現代』事件一審判決から10年後、東京・中野の右翼Mは矢野と朝木のデマ宣伝と「行動する保守」Aの伝聞の伝聞にすぎない「内部告発」話を鵜呑みにし、機関紙に明代の万引きと自殺の捜査を指揮した千葉英司を誹謗中傷する記事を掲載して千葉から提訴された。さらに「行動する保守」Aは、右翼Mを支援する目的で同記事を自身のブログに転載して千葉を誹謗し、提訴されたのである。右翼Mは10万円の支払いを命じられ(未だ支払っていない)、「行動する保守」Aは10万円を支払わされている(和解で決着)。

「行動する保守」Aは矢野から『週刊現代』判決など知らされてはいなかったのだろう。『週刊現代』判決を知っていれば、「行動する保守」Aも右翼Mの記事を引用するような愚かなマネはしなかったのではあるまいか。いずれにしても、矢野と朝木の主張を信じ込み、彼らの著書や主張を引用して支援しようとする者は、相当の覚悟をしなければならないということである。

 なお右翼Mも「行動する保守」Aも、最近では東村山には近づかなくなった。

(つづく)
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