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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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右翼M事件・債権取り立て編(その7)
「独自の主張」繰り返す右翼M

 右翼Mが東京高裁の判決を無視し、損害賠償金を支払う必要がないと主張する根拠はもう1つあった。裁判中から右翼Mは「具体的に誰に対して千葉の社会的評価を低下させたというのか、明らかにせよ」と独自の主張を行った。回答書ではその主張を繰り返しており、千葉を困惑させている。その主張を紹介しよう。 



(〈賠償金云々について〉 4)

3.低下と判断したのは誰なのか

 貴殿が主張する「社会的信用と評価が低下させられた」との事実が立証されていないのであるから、損害を賠償する必要性が存在しない。

 立川駅前で自ら手を伸ばして受取を希望した数人と、模索舎で入手した若干名が本件記事に接しただけであり、それらの人物は貴殿との接点はないのであるから、貴殿の社会的信用、及び評価を現実に比べて低下する事も高めることも不可能である。

 審理の過程において私から質問した「誰によって低下」させられたのか貴殿は回答していない。



 名誉毀損の不法行為は①公然と②事実を摘示して③他人の社会的評価を低下させる恐れを生じさせた――という3つの要件を満たす場合に成立するとされており、『政経通信』のような印刷物の場合には、上記①の「公然性」は「不特定多数」に配布されたかどうかによって判断される。

 この点について東京地裁は次のように判断している。



(「不特定多数に配布されたかどうか」に対する東京地裁の判断)

 被告(右翼M)は、被告が編集・発行する政経通信は、一般書店で販売している週刊誌のような一般的読者が存在せず、何らかの政治的意図を持った少数の関係者しか目にする機会がないから、名誉毀損には当たらない旨主張する。

 被告の上記主張は、要するに、本件記事が掲載された政経通信は不特定多数の者に配布されていないというものであると解される。しかしながら、被告が、平成21年9月2日、JR立川駅北口広場で街頭演説を行った際、本件記事が掲載された政経通信第38号を聴衆に配布したことは前記前提事実のとおりであり、また……政経通信は、……書店「模索舎」で入手でき、被告は、そのことをインターネット上で宣伝しているほか、……特定の者にだけ政経通信を配布したとの事実はなく、政経通信の配布による本件記事の伝播可能性は極めて明らかである。



 最高裁判例では、右翼Mのビラのような印刷物と異なり、全国紙のような不特定多数への頒布が自明である印刷物についてはある人物の名誉を毀損する記事が掲載された時点で社会的評価を低下させる恐れが生じたものと認定される。一方「政経通信」の場合には不特定多数への頒布、配布が印刷の時点で自明とは評価できないと判断したため、裁判所は「政経通信」が不特定多数に頒布、配布されたかどうかを検討し、その事実を認定したのである。したがって、右翼Mの〈貴殿が主張する「社会的信用と評価が低下させられた」との事実が立証されていない〉とする主張は最高裁判例に反しているだけでなく、判決によっても社会的評価が低下した事実を認定されているのである。

 さらに、不特定多数に配布されることが名誉毀損の要件となっている判断基準に基づいて続く右翼Mの主張をみると、むしろ右翼Mは「政経通信」を不特定多数に配布した事実を認めている。最高裁判例に従えば、その時点で〈損害を賠償する必要性〉があることを理解するはずだが、右翼Mは逆に〈それらの人物は貴殿との接点はないのであるから、貴殿の社会的信用、及び評価を現実に比べて低下する事も高めることも不可能である〉と主張して「損害を賠償する必要はない」と強弁しているのである。

 右翼Mの理屈によれば、記事が千葉との接点がある人物に読まれなければ不法行為は成立しないということのようだが、最高裁がいう「不特定多数」とは、社会的評価を低下させられた人物と接点がある人もない人物も含めて「不特定多数」なのである。また千葉の現実の社会的信用および評価を客観的に行うことなど誰にもできない。よって〈貴殿の社会的信用、及び評価を現実に比べて低下する事も高めることも不可能である〉などという主張はその前提においてあり得ないのである。
 
本当だった現地訪問

 ところが右翼Mは最高裁判例に対抗するように、千葉の社会的信用および評価が低下したかどうかは千葉を知る人物が「政経通信」を読み、それによって千葉の評価を低下させられたという事実が確認できた場合であるという独自の考えに執着していた。だから前回の回答書(平成25年8月8日付)で、千葉の居住地近辺を聞き回ったと書いていたのである。

 これに対して千葉は、千葉の居住地近辺でそのようなことを聞き回ること自体が嫌がらせであるとして、〈今後、債権者である私に対する質問や調査等を口実に嫌がらせをした場合には、その程度に相応した罪名で刑事問題とする〉ことを警告した。ところが今回の回答書において右翼Mは次のように予告していた。



(右翼Mの予告〉

 貴殿の居住地周辺住民においては政経通信を見たことのある人間は皆無であり、低下して評価した人物には行き当たっていない。

 それでも貴殿が該当者を明示せずに「低下させられた」との主張を繰り返すのであれば、更に捜索範囲を広げ、大々的に該当者を捜索しなければならない。

 貴殿は早急に低い評価を下してしまった人物と、その結果として生じた被害の実態を示すべきである。



 まさかと思ったが、右翼Mが千葉の居住地近辺を訪問したというのは事実だったらしい。しかしそれ以上に注目すべきは、千葉が〈該当者を明示〉せずに請求を続ける場合には〈捜索範囲を広げ、大々的に該当者を捜索〉すると予告している点である。

 もちろん千葉が右翼Mの主張に従い〈低い評価を下してしまった人物と、その結果として生じた被害の実態を示す〉必要などあるはずがないし、千葉がこの主張を受け入れるはずもない。それどころか、すでに千葉の居住地近辺に行ったというのなら、右翼Mは最初から十分な調査を行えばよかったはずである。にもかかわらず、千葉に対して〈貴殿が該当者を明示せずに「低下させられた」との主張を繰り返すのであれば〉という具体的な条件を突きつけ、これに応じなければ〈捜索範囲を広げ、大々的に該当者を捜索〉するというのは、これはもはや脅しか嫌がらせと受け取られても仕方がないのではあるまいか。

(つづく)
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