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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『週刊現代』事件 第28回
矢野特有の詭弁

 朝木父娘に対する責任を認めなかった東京地裁の判決に対して、創価学会は当然、控訴した。

 控訴審において創価学会は、とりわけ朝木らの責任について、「本件発言が掲載された『週刊現代』を国家公安委員長宛の請願書に添付して提出するなど積極的に利用するなど本件記事の内容について追認する行動をとっており、掲載自体に共謀性はないとしても、記事の成立について講談社とともに共同不法行為責任を負う」などと主張。

 これに対して朝木らは一審同様に「コメントはいっさいしていない」と主張するとともに、新たな主張を追加していた。朝木は新たに次のように主張していた。

「朝木らが『朝木市議死亡までの一連の事件に創価学会関係者が関与しているのではないかとの疑いがある』と指摘したとしても、それは事実の摘示ではなく論評であり、違法性阻却事由の立証対象は『疑い』や『疑惑』を基礎づける前提事実に関する真実性、相当性である。朝木議員の死亡に関しては創価学会の関係者が関与しているのではないかと疑われる事実が存在するから、これを指摘した朝木らの行為に違法性はない」――と。

 矢野を当事者とする複数の別件裁判でも登場するもので、「立証対象は事実の真実性・相当性ではなく、『疑惑』の真実性・相当性である」という主張である。「疑惑を指摘しただけ」と主張することで立証のレベルを下げようという思惑らしい。矢野でなければ思いつかないような詭弁だが、言い換えれば事実に対する真実性・相当性の立証を免れようとするものにほかならない。一応「コメントはしていない」と主張するつもりではあるものの、再び排斥されることを想定して手を打ったものとみられた。

引っ張り出された大統

 さて控訴審においても朝木らはなおも執拗に「コメントはしていない」と主張したため、東京高裁はこの点についてより慎重に判断しなければならなくなった。裁判所は大統に対する尋問を行うことを決定し、大統は「尋問には1時間しか耐えられない」(矢野)状態であるにもかかわらず東京高裁の証言台に立たされることになったのである。

 大統に対する取材の状況について『週刊現代』記者は、朝木宅を訪問した際、「大統は介助なしに杖もつかず、普通に飛び石の上を真正面を向いて歩いて門のところまで出てきて、渡された名刺を見ていた」と供述。これに対して朝木らは、大統は『週刊現代』の取材当時すでに「失明状態」にあり、記者が証言したような状況はあり得ないなどと主張していた。東京地裁は朝木だけでなく大統の「コメント」もあったと認定したが、大統に対する尋問は行っていなかった。このため東京高裁は実際に大統の供述を聞いた上で、その主張が真実なのかどうか判断したいと考えたのだろう。

 大統は当時、本当に失明していたのかどうか。開廷前、早くも朝木側の「失明していた」とする主張を疑わせる光景が見られたという。裁判に慣れていない実の父親を証人にしたのなら、障害がなくても当事者席まで案内するのが普通だろう。ところが法廷で見ていた千葉によれば、大統が被告席に行くまで娘の朝木が手を取るなどの介助をすることはなく、大統は独りで支障なく被告席まで歩いていったという。

 なお、証言にあたっては宣誓書に署名・捺印をしなければならない。その署名を見ると、大統の筆跡は判読ができる程度に漢字の部品が離れたり、近づきすぎたりしており、捺印も横向きになっていた。ただ、それが意図的になされたものではないという保証もなく、大統が「失明」状態にあったという証拠にならないことはいうまでもない。

乙骨が「失明状態」を否定

 では、大統の代理人が聞いた主尋問からみよう。代理人は冒頭、『週刊現代』にコメントしたかどうかあらためて聞いている。



(朝木大統に対する主尋問)

代理人
  あなたはこのような取材を受けたことはありましたか。

大統  ありません。

代理人  なぜ、ないというふうに言えるのですか。

大統  ……全く事実に反するようなことが書いてあったし、とんでもないことだということで、もし取材を受けていればそんなことはなかったはずです。

……

代理人  ……あなたはこの事件について取材を受けたことがありましたか。

大統  ありません。

代理人  講談社の週刊現代の記者から取材を受けたこともないんですね。

大統  ありません。



 代理人の質問に対し、大統は明代の転落死についてあらゆる媒体を含めていっさい取材を受けたことはなく、もちろん『週刊現代』の取材も受けていないと明言したのである。

 その大きな理由の1つが「失明」していたということで、『週刊現代』の取材について大統は、自力では玄関から門のところまで飛び石の上を歩いて行くことができないから、取材に応じられるはずがないと主張していた。

 しかし少なくとも当時、大統が玄関から門まで独りで歩いて出ることができたことを裏付けるもう1つの事実があった。『週刊現代』が取材した1カ月後の平成7年10月、東村山署の刑事が自宅を訪問した際、大統は玄関から門まで出てきて対応していたのだった。

 矢野と朝木が「靴がない」と騒いでいたため、自宅の靴箱を見せてほしいと要請に行ったのである。大統はこの要請を拒否した。この点について大統はこの尋問の際に「そのような要請があり、それを断ったという記憶はない」と供述したが、矢野や朝木と親しいジャーナリストの乙骨は別の裁判で、「大統さんから『東村山署が靴箱をみせてほしいといってきた』と聞いたことがある」と供述している。

 乙骨の供述は東村山署の記録を裏付けている。したがって東村山署の記録からも当時、大統は少なくとも独りで歩ける程度には目が見えており、「失明状態」にあったとする主張は虚偽であると判断できた。

 なお大統は東村山署の事情聴取に応じている。千葉によれば、その調書には大統自身が通常の文字で署名しているとのことである。

(つづく)
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