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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『週刊現代』事件 第42回
別の裁判で提訴を予告

 矢野が『東村山の闇』で主張する「創価学会による刑事告訴は東京地検が〈創価学会が事件に関与した疑いは否定できない〉という理由によって不起訴とした」とする事実が虚偽であることは、『東村山の闇』の発行から1年半後、裁判というよりはっきりした形で確定している。

 平成16年2月、創価学会はジャーナリストの乙骨正生が発行する『フォーラム21』平成16年1月15日号)に掲載された鼎談(「特集/検証-新事実が明らかになった『東村山事件』」)をめぐり矢野、朝木、乙骨を提訴した。鼎談は矢野らが『東村山の闇』で述べた内容をなぞるもので、創価学会は矢野が「聞いた」と主張する東京地検の「不起訴の理由」について「全くの作り話」と批判していた。

 これに対して矢野は答弁書で『東村山の闇』における記載と同様の主張を繰り返し、〈実質において、(「東京地検発表」の)1年3カ月後に、検察が上記第2次処分(筆者注=「不起訴処分」のこと)で第1次処分(筆者注=「東京地検発表」のこと)を取り消したことは明らかである。〉などと主張するとともに、(矢野が「不起訴処分」の理由を聞いたとする内容を陳述書に記載して裁判所にも提出して)〈以来6年経過したが、原告から不法行為の責任を問う訴訟提起の手続きはもちろん、抗議をうけた事実もない。〉などと主張している。

「創価学会から提訴も抗議もされた事実もないからその主張には根拠がない」とする主張の非論理性はともかく、矢野はここで明代の転落死に関する捜査と『週刊現代』記事に対する告訴を勝手に「第1次処分」「第2次処分」と称することで裁判所に対して完全に同一事件であるかのように思わせ、「東京地検発表」が覆されたかのように主張していることがわかろう。それだけでなく矢野は、答弁書の末尾で次のように主張していた。

〈本件訴訟において原告が請求原因事実として主張する事実の根幹部分(筆者注=「不起訴処分」の理由)は虚偽であることが明白であり、その事を知る当の本人であるにもかかわらず、被告矢野の名誉権を侵害し裁判所を欺罔する陳述書を提出した上で原告訴訟代理人として訴訟追行を担当する○○弁護士に対する請求も含めて、被告矢野は本件原告に対する別途訴訟提起を検討中である。〉

「創価学会とその代理人を訴えるといっているほどだから、この主張は本当なのかな」――矢野はそう裁判所に思わせようとしたのだろうか。

ついに裁判に持ち込んだ矢野

 とはいえ、矢野が現認したとする「不起訴処分」の理由が真実であることを主張、立証しようとするだけなら、『フォーラム21』裁判でも「請求原因」の中で創価学会が主張しているから十分に重要な争点であり、あえて新たな裁判を提起する必要もなかったような気もする。明代の汚名を晴らすという大きな目的のためなら、矢野としては『フォーラム21』裁判の中で矢野が聞いたとする「不起訴」の理由を確定させればすむのではなかっただろうか。

 真実を明らかにするという点では、どの裁判だろうと関係があるまい。仮に『フォーラム21』裁判で矢野の聞いたとする「不起訴処分」の理由が真実であると認定され、矢野がどうしても創価学会なり創価学会の代理人の責任を追及したいというのであれば、その時点で提訴しても遅いということはなかろう。

 しかし、いかなる局面にあっても相手に対して常に優位性を保っていなければ気がすまない矢野としては、被告として相手の攻撃を防御する立場に置かれることは気に入らなかったのだろう。まして相手はこれまで何度も尋問で相まみえてきた創価学会の代理人とあってはなおさら、個人的にも特別のこだわりがあったのではないかという気がする。この代理人は、いわば矢野にとっての「宿敵」といってもよかろう。矢野は『フォーラム21』裁判の答弁書で「予告」してから5カ月後の平成16年8月5日、「不起訴処分」の理由をめぐり創価学会と「宿敵」である代理人を本当に提訴した。

提訴対象は陳述書と訴状

 この裁判で矢野は創価学会と代理人を提訴したが、矢野が訴状で不法行為として挙げている項目とその内容からみると、その主たるターゲットは代理人であるように思われた。矢野は訴状で代理人の「不法行為」として次のように記載していた。



(矢野が特定した訴訟対象)

1 本件陳述書の提出

 被告○○(筆者注=代理人)は、上記検察処分期日の前後関係を入れ替えて、第1次処分が第2次処分の後になされたかのように虚偽を記載し、逆に原告が虚偽を主張しているかのようにきめつけ、2002(平成14)年8月23日付および同年10月3日付で内容が同一の陳述書を記述し……裁判所を欺罔するとともに、原告の名誉権を侵害した。

2 本件訴状による訴訟提起

 被告創価学会は、隔週刊誌「フォーラム21」が掲載した上記「第2次処分」に関する原告発言は「作り話」で虚偽であるなどと訴状に記載して……訴訟提起し、再び裁判所を欺罔するとともに、原告の名誉権を侵害した。



 上記「2」の対象は創価学会となっているが、「不起訴処分」に関する矢野の主張を「作り話」と断じたのは代理人だから、実質的にはこの項目も代理人の責任を問おうとするものであるといっていいのではあるまいか。

 訴状で矢野は、代理人が提出した陳述書について〈(代理人が陳述書によって裁判所を欺罔した結果)裁判所は原告敗訴の判決を言い渡した〉とも述べている。裁判所がわずか1通の陳述書のみで欺罔されるなどということは常識的にあり得ず、裁判官がこの主張をまともに受け取るとは思えなかった。事実は、たんに矢野が代理人の陳述内容に対して具体的な反証ができなかったことを意味するにすぎない。

 いずれにしても、この部分もまた代理人に対する矢野の個人的なこだわりを感じさせる。『東村山の闇』で矢野が聞いたとする情景描写を含めて活字化した内容が「作り話」と断定されたことがよほど許せなかったものと思われた。

(つづく)
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