ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

プールマン

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

『週刊現代』事件 第46回
「欠席」翌日の尋問

 矢野は東京地検の「不起訴処分」をめぐって創価学会代理人を提訴した裁判で控訴したものの、「別件事件との重複による差し支え」があるなどとして控訴理由書を提出しなかった。ここで矢野がいう「別件事件」とは翌日(平成17年6月22日)に創価学会代理人に対する尋問が行われた「フォーラム」事件のことと思われた。では、「フォーラム」事件でなにか「差し支え」が生じるような尋問がなされたのだろうか。

 あらためて尋問の内容を確認してみると、矢野の代理人が創価学会代理人に聞いたのは主として以下の内容である。



(矢野代理人の主な尋問内容)
 
1 先行記事について

 創価学会代理人は平成14年以降、矢野が東京地検の不起訴理由について「創価学会の関与は否定できない」とするものだったと主張したことは事実に反すると公に主張し始め、平成16年には雑誌『フォーラム21』に掲載された東京地検の不起訴理由に関する矢野の発言などを問題として提訴した。しかし一方、矢野はすでに平成10年9月1日付『東村山市民新聞』において、〈捜査の結果、創価関係者が、朝木議員殺害までに至る事件・嫌がらせに関与した疑惑は否定できないことが判明する事態となったのが不起訴の大きな理由となっており〉と記載したが、これについては提訴していない。その理由は何か。



――『フォーラム』の記事については問題にし、『東村山市民新聞』の記事は提訴しないのは一貫性がないと主張したいらしい。また「不起訴処分」直後の記事を提訴しなかったのは真実性に自信がないからだという主張のようにも聞こえる。ただもちろん矢野の代理人は、矢野の証言が真実であるとする裏付けを示すことはできない。



(矢野代理人の主な尋問内容)

2 検事に電話した時刻


 創価学会代理人が告訴の結果を聞くために担当検事に電話した時刻とその正確性について。



 ――何かの矛盾があれば揚げ足を取ろうと考えたと思われるが、創価学会代理人は事実に基づいて供述しているのでまったくブレがなく、追及のスキがない。



(矢野代理人の主な尋問内容)

3 「その後」の意味


 創価学会代理人が陳述書において、〈このこと(筆者注=「不起訴処分」の理由が矢野が主張するような「明代の転落死に創価学会が関与した疑いは否定できない」というようなものではないこと)は、その後東京地検が朝木明代氏の転落死事件そのものについて……平成9年4月14日に「自殺の疑いが強く、他殺の確証は得られなかった」と事実上自殺と断定……していることからも明らかだと思います。〉と記載した部分のうち、特に矢野が問題視している「その後」とする部分について聞いた。「『不起訴処分』の理由が都合の悪いものだったがゆえに時系列を意図的に逆転させているのではないか」という趣旨である。



 これに対して創価学会代理人は、「不起訴処分」の理由をめぐって矢野から提訴された裁判の答弁書で述べたとおり、(「『不起訴処分』の理由について検察官と話した後」ではなく)「転落死事件後」の意味であると明解に答えた。陳述書には「転落死事件」そのものに関する東京地検の発表と「不起訴処分」が決定された日時が明記されており、この陳述書を見た裁判所が誤読する可能性もない。

アダになった控訴

 矢野の代理人が創価学会代理人に対する行った尋問は以上だった。いずれも矢野が「不起訴処分」の理由をめぐって代理人を提訴した裁判の訴状で主張している内容で、目新しい内容はない。矢野はその裁判の控訴審で「裁判の重複による差し支え」を理由に期日変更を申し立てたが、尋問の内容からすると特段、控訴理由書を提出することによって差し支えが生じるものとは思えない。

 この裁判は一審の進行と結論からみて、東京高裁もそれほど弁論を重ねるとは考えにくかった。一方、争点が重なっている『フォーラム21』裁判はまだ一審の証拠調べの段階で、弁論終結までにはまだ半年近くはかかりそうな情勢にあった。すると「不起訴処分」をめぐって提訴した裁判の判決の方が先に出てしまう可能性が高く、しかも一審の東京地裁の判断内容からすれば、控訴審においても矢野の請求が認容される可能性があるとはみえなかった。

 するとこの裁判の結論が先に出そうな状況の中で、矢野がこの裁判の判決が『フォーラム21』裁判の判断に影響することを危惧したとしても不思議はない。これらの状況を総合的にみると、矢野が控訴理由書を提出せず期日変更を申し立てた背景には、なるべく結論を先送りにしようとする意図があったのではないかと思えてならない。

 しかしいかなる事情があったにせよ、第1回口頭弁論の前日になって延期を申し立てたのは戦略的にみてどうだったのか。控訴理由書を提出できない言い訳と受け取られても仕方があるまい。

 結果として東京高裁は予定通り第1回口頭弁論を開き、裁判の終結を求める創価学会代理人の主張を容れて同日、弁論を終結した。また判決は弁論終結から1カ月もたたない平成17年7月19日に言い渡された。矢野の期日変更の申し立てが裁判官の訴訟指揮や判決に影響したとは思わない。しかし、現実は矢野の申し立てとは逆の進行をたどったことになる。

 判決内容も矢野の思惑とは反するものとなった。東京高裁もまた一審同様、矢野の請求を棄却したが、それだけでなく東京高裁はより踏み込んだ判断を示しており、矢野にはより不利な内容となっていたのである。

(つづく)
関連記事

TOP