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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『週刊現代』事件 第50回
『フォーラム21』事件における判断

『フォーラム21』裁判の尋問において矢野は、東京地検の「『不起訴処分』の理由」は「明代の転落死に創価学会が関与していた疑惑は否定できない」というものであると主張する一方、別件の控訴審で自分の健康上の理由によりその主張ができなくなったのは「やむを得ないことだった」と述べた。これは重大な「捜査の結論の変更」という事実を、場合によってはもう2度と訴えることができなくなってもかまわないといっているに等しい。これはまた、矢野が聞いたとする「『不起訴処分』の理由」について詳細な主張も立証もしなかった口実のようにも聞こえる。では、裁判官は矢野の主張についてどう判断したのか。

 問題の『フォーラム21』の記事は、〈昨年11月、朝木直子さんと矢野さんは、『東村山の闇』を上梓されました。その中で警察や創価学会が主張する『自殺』説を根底から覆す新事実を発表されています。〉と導入した上で、主要テーマとして矢野が聞いたとする東京地検の「『不起訴処分』の理由」を紹介することで、あくまで自殺を否定する『東村山の闇』における矢野と朝木の主張をより支援、正当化する作りになっている。だから、矢野の「『不起訴処分』の理由」に関する主張の真実性・相当性が裁判の主要な争点となったのである。

 矢野が主張する「『不起訴処分』の理由」の真実性・相当性を判断するにあたって東京地裁がまず着目したのは、矢野の説明する「『不起訴処分』の理由」の具体的内容が、時期によって異なっている点だった。矢野は東京地検の不起訴処分直後には〈朝木議員殺害までに至る事件・嫌がらせに関与した疑惑〉(『東村山市民新聞』第97号)としていたが、『東村山の闇』や『フォーラム21』では〈(明代の転落死)事件に関与〉へと変化していた。この矢野の主張の変遷について創価学会側は、当然ながら、それが事実に基づかないもの、すなわち虚偽であることを示すものであると主張していた。

 東京地裁はまず、矢野の主張が変遷しているかどうかについてまず次のように述べた。



(「不起訴処分」の理由に関する矢野の主張の変遷に対する裁判所の認定)

 被告矢野は……自ら現認したと主張する担当検察官の発言は本件不起訴処分がされた平成10年7月15日直後には、東村山市民新聞第97号(平成10年9月1日付)や別件訴訟の本人尋問(平成11年11月15日実施=筆者注=『聖教新聞』事件)においては、原告(筆者注=創価学会)が、朝木市議転落死事件そのものではなく、上記事件に至るまでの事件・嫌がらせに関与した疑いは否定できないとの趣旨であると述べていたところ、東村山市民新聞125号(平成14年4月30日付)以降は、「東村山の闇」(平成11月10日発行)、さらに本件検察官発言にあるように、原告が朝木市議転落死事件そのものに関与したとの趣旨であると主張するようになったもので、被告矢野の検察官の発言内容に関する供述には著しい変遷があり、……



 裁判所もまた〈朝木議員殺害までに至る事件・嫌がらせに関与した疑惑〉から〈事件に関与した疑惑〉へと変化した矢野の主張には「著しい変遷」があると認定したのである。通常、事実関係に対する供述に、基本的な事実を変えてしまうような変遷が認められる場合には、その供述には信用性がないと判断されることが多い。

「『不起訴処分』の理由」に関する矢野供述の信用性

 東京地裁は上記認定および創価学会代理人の供述から、矢野が主張する東京地検の「『不起訴処分』の理由」について次のように述べた。



(矢野が主張する「『不起訴処分』の理由」に対する東京地裁の判断)

 ○○弁護士は、本件における証人尋問において、担当検察官が上記のような発言(筆者注=矢野の主張内容)をした事実はない旨明確に記述していることにも照らすと、本件検察官発言を現認したとする被告矢野の供述は信用することができず、他にこれを認めるに足りる証拠もない。



 東京地検の「『不起訴処分』の理由」に関する創価学会代理人の説明は終始一貫している。これに対して矢野の主張が具体的な根拠も示さないまま変遷していることを根拠に、東京地裁は「不起訴処分」の理由に関する矢野の供述は信用できないと断定したのである。ここで東京地裁が、東京地検の「『不起訴処分』の理由」について創価学会代理人の説明が信用できると述べているに等しい判断を示していることはきわめて重要である。

 さらに東京地裁は、「『その後』という文言によって、明代の転落死事件に対する捜査結果の発表が東京地検の不起訴処分の後だったかのように意図的に時系列を入れ替えている」として創価学会代理人の「不起訴処分」の理由に関する主張を否定している矢野の主張についても判断している。東京地裁はこの点について、創価学会代理人の「その後」とする記載について「文脈からすると必ずしも適切とはいえない」とした上で次のように述べた。



(創価学会代理人の主張を否定する矢野の主張に対する東京地裁の判断)

 しかし、上記陳述書(筆者注=創価学会代理人が提出した陳述書)には、「……平成10年7月15日、東京地検八王子支部は、上記刑事告訴について不起訴処分にするとの決定をしました」と、本件不起訴処分の日が正しく明示されているのである。そうすると、上記のように適切でない表現が使用されていたからといって、これをもって、被告らが主張するように、○○弁護士が本件検察官発言(筆者注=矢野が『フォーラム21』で主張した検察官発言)が虚偽であることを証するために、殊更に陳述書に虚偽記載を行ったものと認めることはできない。よって、○○弁護士が作成した陳述書中に一部事実と異なる記載があることを理由に、上記陳述書の記載内容が虚偽であるとする被告らの主張も失当である。

『フォーラム21』裁判でも、創価学会代理人が「その後」という文言を使用したことについて「適切な表現ではなかった」としつつも東京地裁は、捜査結果を公表した日付と不起訴処分を決定した日付を明確に記載しているとして、創価学会代理人が「不起訴処分」の日付をごまかそうとしていたとは認められないと認定したのである。

 矢野は「創価学会代理人は、自分が聞いた「『不起訴処分』の理由」という事実を否定するために、不起訴処分の日付をごまかした」と主張していた。するとこの認定は、創価学会代理人の証言の真実性を認定したに等しいといえる。

(つづく)
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