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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『聖教新聞』事件 第11回
「『日替わりランチ』だった」と主張

 明代がレストランに行く前に事務所に立ち寄ったと主張して、その時間帯を特定したところでそれが直接のアリバイ立証とならないのは明らかだった。問題は明代が矢野と食事をしていたとするアリバイをどう立証するかである。

 矢野は陳述書で、〈私が「びっくりドンキー」に一足先に着いたのは、午後2時20分ころで、店のドアを背にして、右手のずっと奥の府中街道に近い方の席に座って待っていると、ほどなくして朝木議員がやってきました。〉〈私と朝木議員は、午後3時半ころ食事を終え〉と供述している。矢野が主張するこの時系列が事実と証明されれば明代は万引き現場にはいなかったことになり、万引き犯ではないということになる。

 しかし東村山署の取り調べの際、明代は午後3時21分に清算された記録のある「レギュラーランチ」のレシートをアリバイの証拠として提出したものの、それが他人のものであることが判明し、犯行の時間帯に現場にはいなかったとする明代の主張は虚偽であると認定された。その点を矢野はどう説明するのか。陳述書で矢野は次のように供述していた。



(陳述書におけるメニューに関する矢野の供述)

 2人とも「日替わりランチ」とコーヒーを注文しましたが、私の方は、たしかアイスコーヒーだったように思います。「びっくりドンキー」は「ハンバーグ・レストラン」で、日曜・祭日を除いて、午前11時から午後5時まで「日替わりランチ」を注文できますが、……ライスと豚汁がセットで580円でした。この日の「日替わりランチ」には、ハンバーグにカキフライが付いていました。



 千葉によれば、明代と矢野が東京地検に提出した上申書でも、食べたメニューは「日替わりランチ」だったと供述している。では、明代はなぜ食べたとする「日替わりランチ」ではなく「レギュラーランチ」のレシートをアリバイの証拠として提出したのか。

店長の証言との間に食い違い

「レギュラーランチ」のレシートをアリバイの証拠として提出するまでの経緯について矢野は次のように供述している。



(「レギュラーランチ」のレシート提出までの経緯についての矢野の供述)

(平成7年6月30日午後4時過ぎ、第1回目の取り調べから事務所に帰ってきた明代は)私に、警察は、東村山駅そばの洋品店が……朝木議員がTシャツを万引きしたので被害届を出したと言っていると伝えました。

 私は、当日のその時間帯には、朝木議員と一緒に「びっくりドンキー」で食事をしていたことを思い出し、驚いて、即座に東村山署……に電話をしました。

 これに対して、……それなら何か証拠を出してほしいという話でした。それで、朝木議員が、すぐに事務所から「びっくりドンキー」に電話をかけ、6月19日の午後2時から4時の間で、「日替わりランチ」とコーヒーを注文した2人組のレシートの控えがあると思うので、探しておいてほしいと依頼したのです。朝木議員がこの電話をかけた際、私はそばで聞いていたので、その様子ははっきりと覚えています。



 千葉によれば、明代が東京地検に提出した上申書でも同様の供述をしているという。しかし、上記供述のうち、明代が「びっくりドンキー」に対して「日替わりランチ」のレシートを依頼したという点については店長の証言と食い違いがあった。店長によれば、明代は「ランチ」としか伝えず、店長から「『レギュラー』ですか、『日替わり』ですか」と聞かれ、「たぶん『日替わり』」と曖昧に答え、席の位置については答えなかった。

 矢野の上記陳述書によれば、明代が「びっくりドンキー」に電話した際の会話を聞いていたのだから、矢野は明代が店長から「日替わり」か「レギュラー」のどちらだったかを聞かれたことを知っていた。店長が明代から依頼された内容と当時のやりとりについて警察に対して虚偽の証言をする理由はない。したがって、明代が取り調べで「レギュラーランチ」のレシートをアリバイの証拠として提出した事実からも、明代が最初から「日替わりランチ」のレシートを依頼したとする矢野と明代の供述は信用できない。

 食べたメニューを聞かれた際、明代はどちらの事実もなかったために明確に答えられなかった。しかしこれは結果として、彼らの要求に合致するレシートの幅を広げることになった。東村山署に提出したレシートは、清算時刻と人数に限り、彼らの要求にたまたま合致していたということだった。明代と矢野にとって、そこまでは一応、結果的には順調だったのである。

確認をしなかった不思議

 しかし、取り調べで明代が提出したアリバイの証拠である「レギュラーランチ」のレシートは他人のものであることが判明し、明代はそれまで2回にわたって主張していたアリバイを撤回するつという醜態に追い込まれた。矢野は陳述書で、食べたのが「日替わりランチ」だったと主張しているにもかかわらず、明代が取り調べで「レギュラーランチ」のレシートを提出した経緯について説明している。



(明代が「レギュラーランチ」のレシートを提出した理由)

 7月1日土曜日の夜、朝木議員、私など計4名が……(「びっくりドンキー」に行き)席についてしばらくすると、……若い店長が……「多分、これだと思います」といいながら、朝木議員に「レジ・ジャーナル」(筆者注=前掲の「レシート」「レシートの控え」と同じもの)のコピーを手渡した。

 ……その「レジ・ジャーナル」を見ると、店を出た時刻は15時21分となっていたので、おおよその記憶と一致していたので、特に質問もしないまま、帰宅しました。



 矢野の陳述書によれば、明代が「びっくりドンキー」にレシートを依頼したのは、矢野が東村山署に電話して万引きのあった時間帯には明代と食事をしていたと伝え、これに対して「それなら何か証拠を出してほしい」といわれたためである。明代も矢野も、このレシートが証拠になると思っていた。にもかかわらず、レシートを受け取った矢野と明代は、レシートの清算時刻が「15時21分」となっており、〈おおよその記憶と一致していた〉ので〈特に質問もしないまま〉帰宅したというのである。

「証拠」であるにもかかわらず、それが自分たちのものであるかどうかを確認せず、〈おおよその記憶と一致していた〉ことで質問もしなかったとは、アリバイを主張して警察に電話までした矢野としてはどうみても詰めが甘いといわざるを得ず、きわめて不自然というほかなかった。

(つづく)
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