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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『聖教新聞』事件 第12回
入手を最優先させた矢野

 矢野は〈おおよその記憶と一致していた〉という理由で、アリバイの証拠であるレシートについて店長に特に質問もしないまま帰宅したという。しかし1、2分のずれで清算した客がいた可能性がないとはいえず、清算時刻が〈おおよその記憶と一致していた〉というだけで、それが自分たちのレシートであるという確証がどうして持てようか。食事をしたというのが事実なら、メニューの内容や座席を2人で思い出し、その記憶とレシートが一致しているかどうかの確認を取るのは常識だろう。 

 むしろ本当にその時間帯に食事をした事実があったとすれば、より慎重にその事実を裏付けようとするはずである。アリバイが裏付けられなければ、身に覚えのない万引き犯にされてしまうかもしれないのだから。ところが矢野と明代は、それが重要な「証拠」であるにもかかわらず、2人ともメニューの内容について何の確認もしなかった。

 当事者である明代はどうしても冷静さに欠けていて細部の詰めにまで気が回らなかったとしても、第三者である矢野までレシートが自分たちのもので間違いないかどうか、確認する必要があることに気がつかなかったとは考えられない。またなにより、「万引きの時間帯に明代と『びっくりドンキー』で食事をしていたことを思い出した」のは矢野である(前回参照)。

「思い出した」本人である矢野には、それが「アリバイの証拠」であることを確認する責任があろう。しかし矢野は、「特に質問もしないまま帰った」のである。

「レギュラーランチ」のレシートを入手した際の矢野と明代の対応は、どう見ても、実際に食事をした際のレシートを受け取った者の態度ではない。むしろ2人の態度は、とりあえず万引きの時間帯に2人分の清算記録のあるレシートが存在したことだけで十分であるとし、そのレシートを店長から疑いを持たれることなく入手し、すみやかに持ち帰ることが目的だったことをうかがわせる。

 質問などすれば店長からよけいな疑念を抱かれかねず、「やはりお渡しできません」などということになれば元も子もない。矢野はそうなることを避けたかったもののように思えてならない。

工作を見破られた言い訳

 アリバイの「証拠」であるはずのレシートの内容について〈特に質問もしないまま〉帰ったとしていることについて矢野自身も不自然であることに気がついていたようである。だから矢野は、その日「びっくりドンキー」に行った状況について次のように供述する。

〈同年7月1日土曜日の夜、朝木議員、私など計4名が、その日都内で行われた「宗教法人法改正を求める緊急集会」から東村山に戻り、「びっくりドンキー」で、集会での朝木議員や私の講演などについて話をしました。

 席についてしばらくすると、初対面だったのですが、若い店長が私達の席までやってきて、……「レジ・ジャーナル」のコピーを手渡した。

 不意の出来事だったので、私達は「店長とは初対面なのに、朝木議員だということが、よくわかったね」と顔を見合わせました〉(筆者注=その直後、明代はレシートを入手した)

 レシートを入手したのは、「びっくりドンキー」にわざわざそのために行ったのではなく、別の用事で行ったところ思いがけず店長から唐突に渡されたものだったかのような供述である。あたかも心の準備ができていなかったために、レシートの内容を聞かなかったとでもいいたいように聞こえよう。

 しかしそもそもそのレシートは東村山署から「何か証拠を出してほしい」といわれて「びっくりドンキー」に依頼したものであり、唐突に渡されたなどと説明すること自体が不自然というべきだろう。矢野と明代らが「びっくりドンキー」に行ったのは、明代が電話でレシートを依頼した翌日である。また「びっくりドンキー」が事務所から歩いていくにはかなり離れており、多人数で話をするだけならその手前には別のファミレスがあった。そう考えると、7月1日に「びっくりドンキー」に行ったのは、やはりレシートを受け取ることが目的だったとみるべきだろう。

 しかも、店側に何も伝えないのに、店長がわざわざ席までレシートを持ってきたとは普通では考えにくい。矢野と明代はウェイトレスに料理を注文する際に来店目的も伝えた。だから店長はレシートを届けに来たとみるのが自然である。

 しかしそれでは、アリバイの「証拠」であるレシートの内容について「特に質問もしないまま」帰ったというのは不自然と受け取られよう。だから矢野は、7月1日に「びっくりドンキー」に行ったのも、レシートを受け取ったのも偶然だったことにしようとしたのだろう。

 常識的には大事なアリバイの「証拠」であるはずのレシートの内容について矢野がなぜ〈特に質問もしないまま〉帰ったことにしたのかといえば、のちに明代が取調室でそれが他人のものだと見破られたからである。矢野は陳述書で、明代が提出したレシートは店長が「間違えて渡した」からだと主張している。矢野は〈特に質問もしないまま〉帰ったために、その「間違い」に気がつかなかったということにしたいのである。

強気になっていた明代

 ただ、矢野も陳述書で供述するようにレシートの清算時刻が「午後3時21分」となっていて、人数も「2名」となっていたから、矢野と明代はアリバイの「証拠」として一定の自信を持ったのではないかと思う。だから、よけいな疑念を抱かれてはいけないという思いも手伝って、レシートの入手を急いだ。

 レシートの内容について矢野と明代が自信を持っていたことは、7月3日、2人で東村山署に出向いて「証拠」としてこのレシートを提出したこと、さらに7月4日と7月12日に取調官から否定されるまで、明代がこのレシートに沿った供述をしていることからも明らかである。

 またこのレシートを入手した翌日の7月2日、明代は支持者の小坂渉孝とともに万引き被害者の店に現れ、店内を一回りすると、被害者に向かって不敵な笑みを投げつけると、何もいわずに引き上げていった。このとき明代は、アリバイの「証拠」として使えそうなレシートを入手したことで強気になっていたのかもしれない。もちろん独りよがりの願望にすぎず、その錯覚は長くは続かなかったのだが。

(つづく)
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