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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『聖教新聞』事件 第13回
最初に渡されたもの

 矢野が明代とレシートを受け取った際、特に質問をしなかった理由がもう1つあったことが最近になって判明している。矢野の陳述書では、店長が持ってきたレシートをそのまま警察に提出したことになっている。しかし千葉によれば、この部分の供述には明代と矢野が東京地検に提出した上申書の記載とは重大な食い違いがあるというのである。

 もう1度、矢野の陳述書におけるレシートを受け取った状況を確認すると、矢野は次のように供述している。



(矢野陳述書における「レシートを受け取った状況」)

 席についてしばらくすると、……若い店長が私達の席までやってきて、「多分、これだと思います」といいながら、朝木議員に「レジ・ジャーナル」のコピーを手渡した。



 ここでいう「レジ・ジャーナル」とは、私たちが買い物をした際にもらう幅4センチほどのレシートとほぼ同じものである。店長のいった「多分、これだと思います」とは、持ってきたレシートが、明代が電話で依頼した際の食事内容(人数・清算時刻等を含む)に該当するものと店長が判断したものであることを意味する。それを矢野と明代は〈特に質問もしないまま〉持ち帰ったのだという。つまり、数あるレシートの中から明代の要求に合致するものを探し、選んだのは店長で、矢野と明代はそれをただ受け取っただけで、レシートを選んだわけではないということになっている。

 しかし上申書ではニュアンスが異なると千葉はいう。千葉によれば、この点に関して矢野と明代の上申書における供述は一致しており、いずれも次のような記載になっているというのである。



(矢野と明代の上申書における「レシートを受け取った状況」=趣旨)

「6月19日の午後2時から4時の間で、『日替わりランチ』を注文した2人組のレシートを探してほしい」と依頼した。翌7月1日に「びっくりドンキー」に行った際、店長は「レジ記録リスト」を渡してくれた。

 7月3日、明代と矢野は東村山署に出向き、明代のアリバイを証明する「証拠」として「レジ記録票」を提出した。



 上申書には「レジ・ジャーナル」の記載はなく、その代わりに記載されていたのが「レジ記録リスト」と「レジ記録票」の文言だった。矢野の陳述書で出てくるのは、受け取った時点においても警察に提出した時点においても「レジ・ジャーナル」だけだが、矢野も明代も最初に渡されたのは「レジ記録リスト」で、提出した際には「レジ記録票」となっている。

 明代が警察に提出した「レジ・ジャーナル」は『聖教新聞』裁判でも証拠して提出されているが、それはどこから見ても「リスト」ではない。「レジ記録リスト」とはその日の清算記録がずらっと記録されたものとみるのが自然で、だから矢野も明代も上申書で「レジ記録リスト」と「レジ記録票」と明確に区別して記載しているのである。したがって、最初に店長が手渡したのは東村山署に提出した「レジ・ジャーナル」とは別のものということになる。

「リスト」と「レシート」の違い

 千葉によれば、矢野と明代が東京地検に提出した上申書には、最初に手渡されたのが「レジ記録リスト」で、警察に提出したのは「レジ記録票」だった事情について一言も記載されていない。するとこの間の事情については推測するしかないが、明代が「レジ記録リスト」ではなく「レジ記録票」を警察に提出するまでの間には何があったとみるべきだろうか。

 それを最も強く推測させる根拠は、矢野と明代が提出した上申書における「レジ記録リスト」と「レジ記録票」に関わる表現にあると千葉は指摘している。どういう表現なのか。

「レジ記録リスト」と「レジ記録票」についてそれぞれ彼らは次のように記載しているという。



(「レジ記録リスト」に関する表現)

〈店長は……「レジ記録リスト」を店内で朝木議員に手渡したのです。〉(矢野)

〈店長は……「レジ記録リスト」を店内で私に手渡してくれました。〉(明代)

(「レジ記録票」に関する表現)

〈東村山署に出向き、……朝木議員のアリバイを証明する資料として……店長から貰った「レジ記録票」を提出しました〉(矢野)

〈東村山署に出向き、……私のアリバイを証明する資料として……店長から貰った「レジ記録票」を提出しました〉(明代)



 矢野も明代も上申書で「レジ記録リスト」は「手渡してくれた」と記載しているのに対して「レジ記録票」については「店長から貰った」と記載していることがわかる。つまりこの記載からわかるのは、「レジ記録リスト」については「手渡してくれた」というだけで、「貰った」ものではないということである。

千葉の推測

「レジ記録リスト」には矢野と明代が「自分たちのもの」と主張している記録以外の記録も含まれているとみられる。すると、店側が明代に対して他人のものも含む「レジ記録リスト」をすべて持ち帰らせることはあり得ない。

 では店長は何のために「レジ記録リスト」を明代に手渡したのだろう。普通に考えれば、店長は「レジ記録リスト」を明代に見せ、その中から明代のものがどれなのかを指摘してもらおうとしたということなのではあるまいか。リストを渡された矢野と明代はどうしたのか。

――矢野と明代はリストの中から最もアリバイの「証拠」として使えそうな記録、すなわち2人連れで「レギュラーランチ」を食べ、「午後3時21分」に清算された記録を選び、「これがわれわれの記録だ」と指定した。その後に店長は、明代が指定した記録に対応した「レジ記録票」をコピーして手渡した。

 矢野と明代の上申書における表現の変化が物語るのは、7月1日、店長が明代に「レジ記録リスト」を手渡したあと、「びっくりドンキー」ではこのような事実があったのではないかと千葉は推測している。この推測には十分な合理性があるように思える。アリバイの「証拠」として使うことが目的なのだから、矢野と明代が慎重に選んだことは想像に難くない。

 矢野は陳述書で、店長からレシートを受け取ったあと「特に質問もしないまま、帰宅しました。」と供述しているが、上申書では最終的に受け取ったのが「レジ記録リスト」ではなく「レジ記録票」だったというのだから、矢野が何も質問しないのはどう考えてもあり得ない。しかしそのレシートが、「レジ記録リスト」の中から明代と矢野が自ら選び指定したものなら、それがリストのものと一致していることを確認するだけでよかった。だから矢野も明代も、店長に対してもう特に質問をする必要がなかったのである。

 明代のアリバイの「証拠」として東村山署に提出したレシートは、自らリストを見て選び抜いたものだった。レシートを入手した時点で明代はアリバイ主張を押し通せるかもしれないというばかげた自信と甘い期待を持った。翌7月2日、万引き現場に支持者と現れ、被害者に不敵な笑みを残したのは愚かな自信の表れでもあったのだろう。

(つづく)
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