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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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選挙ポスター印刷代金踏み倒し事件 第4回(最終回)
                             ★第1回から読みたい人はこちら


差し押さえられた朝木直子の議員報酬

 さて、直子が簡裁の支払命令に素直に従ったかといえば、もちろんそうはいかなかった。直子は東京地裁に控訴。平成11年7月26日、東京地裁は直子の控訴を棄却したが、それでも直子は素直にポスター代金を支払おうとはしなかった。二審で勝てなければ上告しても勝算はきわめて0に近い。しかし、それでも直子は上告したのである。

 S印刷の代理人からは、控訴審の判決が出た時点で支払いがなければ差し押さえに出る可能性もあると聞いていた。はたしてS印刷は上告審の判決を待たずに直子の議員報酬を差し押さえたのか。7月26日に控訴審判決があり、ただちに差し押さえ手続きに入ったとすれば、8月ないし9月分の議員報酬が差し押されられるはずである。そこで同年10月、私は直子に会う機会があったので単刀直入にこう聞いた。

「直子さん、9月の給料は受け取ったんですか?」

 すると、直子はなぜか私の質問にはいっさい答えようとせず、ただ語気も強く「近寄らないで!」とだけいったのである。もちろん直子は質問の意味を理解していたはずである。私の質問はあまりにもいわゆる個人情報、それも都合の悪い部分に踏み込み過ぎた、ぶしつけなものだったのかもしれない。

 しかし後日、すべての裁判資料を閲覧した私は、直子が私の質問に答えなかった意味を理解した。8月26日(8月分の給料日の翌日)、東村山市に対して東京地裁から1通の債権差押命令が届いていたのである。「請求債権目録」には、S印刷が直子にポスター代金を請求した件に関して81万4046万円を差し押さえる旨の記載があった。

 債権差押命令とは、第三債務者(この場合は東村山市)に対して、債務者(朝木直子)に債権(この場合は議員報酬)を支払ってはならないとする命令である。すると、直子の月額の議員報酬は債務額81万4046円には足りないから、9月分全部と10月分の大半の議員報酬が差し押さえられたことになる。直子が私の質問に答えられなかったわけである。

 ちなみに、平成12年2月1日付『東村山市民新聞』には、矢野と直子の平成11年9月から12月までの収支報告が掲載されている。それによると、矢野と直子の議員報酬にはだいぶ開きがあった(矢野の方が多かった)。なぜ矢野と直子には差があるのか。これも本人に聞くのが一番と、私は矢野に聞いた。

「同じ市会議員でも、やっぱり 能力が高いと給料も高いんですか?」

 すると矢野は一言こう答えた。

「そういうこともある」

 と。しかし、市役所に問い合わせると、議員報酬は正副議長を除いて一律であるという。すると、役人か矢野のどちらかが嘘をついていることになるが、それはどちらか。彼らのビラに掲載された金額を見ればその答えは歴然だった。矢野と直子の議員報酬の差額は81万4046円となっており、まさに差押命令にある金額と端数までぴったり一致していたのである。

 なお、直子の議員報酬が差し押さえられた事実については、上告理由書の中で直子自身が認めるところでもある。直子は上告理由書で「不当な請求を受けた末に平成11年8月26日付で差し押さえられた」とした上で、S印刷が差押申請をした理由について次のような珍妙な主張を展開していた。

〈差押は、……殺された朝木明代を継承する議員としての、朝木直子の政治的社会的信用を失墜させることを目的とした政治意図から出たもの〉

〈(朝木直子は)公職にある者であり、本件訴訟で争っているのは、金額の問題ではなく、不当な請求を受けているからであって、金員の支払い能力がないわけではない。〉

 などと。9月13日、東京高裁は直子の上告を棄却したが、なにも直子の社会的政治的信用は差し押さえられたから失墜したのではない。善意から儲けも出ないような値段で印刷を請け負った印刷会社を泣かせ、実の伯父や伯母の好意を平気で裏切った時点ですでに社会的政治的信用は失っている。

 ただし、矢野と直子に根本的に欠けているのはそんな次元の信用ではなく、もっと単純な「人間として誠実に生きようとする」意思であるというべきだろう(「誠意」という言葉に対して矢野と直子のせせら笑う顔が浮かぶが)。裁判を通して明らかになったのは、矢野と直子が難癖をつけて印刷代金を踏み倒したという現実である。直子が伯父にいった「ヤクザじゃないから踏み倒すようなことはしないですよ」というセリフは、そのまま彼らの実態を映すみごとな逆説にほかならない。

(了)

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テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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