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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『聖教新聞』事件 第16回
現実に矛盾する主張

 平成7年10月7日に東村山署で行われた矢野に対する事情聴取は、矢野からいわれるまでもなく当然、7月4日に明代が「アリバイの証拠」として提出したものを含めたレシートの件が焦点となる。

 矢野と明代は7月26日付で提出した上申書の中で、明代が書類送検前に東村山署で主張した「レギュラーランチ」は間違いで、彼らが本当に食べたメニューは「日替わりランチ」だったと主張していた。東村山署の取り調べで主張した「レギュラーランチ」のアリバイが否定されたからといって明代が、正しくは「日替わりランチ」だったと供述を変えるのは、よほどの裏付けがなければ信用されまい。

 ところで明代と矢野はメニューを変えたことに関してどんな説明をしていたのか。千葉によれば、上申書で明代と矢野は、「レギュラーランチ」ではなく「日替わりランチ」だったと「気づいた」経緯と時期について次のように主張していたという。



「日替わりランチ」だったことに「気づいた」経緯と時期(上申書=趣旨)

 7月8日を含め、その後の調査で7月3日に提出した「レギュラーランチ」のレシートは、店長が「日替わりランチ」のレシートと取り違えて渡したもので、間違いであることがわかった。



 2人の上申書では、7月8日の時点でレシートの間違いが判明していたことになっていた。すると、7月12日に明代が取調室で「レギュラーランチ」を食べたと主張した事実と矛盾する。その点についてはどう主張していたのか。



7月12日の「明代の説明」(上申書=趣旨)

 書類送検された7月12日、取調官からレシートが違うようだといわれたが、すでに7月8日に調査していたので、よく調べて次回に正確に話すと伝え、調書の作成は保留にした。



 だから当然、明代が「レギュラーランチ」の詳細な内容を供述したこともなく、「レシートは他人のもの」と指摘されてもなんら取り乱すことなく、冷静に応答したかのように書かれている。

 なるほど事実がこういう経過だったのなら、彼らが食べたのは「レギュラーランチ」ではなく「日替わりランチ」だったと主張しているのも理屈が通らなくもない。また矢野らが、東村山署がその日のうちに書類送検したことを非難するのも理解できないではない。また千葉によれば、上申書にはもちろん明代が東村山署の取調室でみせた醜態については一言も触れられていない。

 しかしそれでは、明代が署名しなかった調書の内容は別にしても、明代が「レギュラーランチ」のレシートに日付とともに署名捺印し、証拠として提出した事実は説明がつかない。東京地検もそう思ったにちがいなかった。

 それに、明代の署名・捺印がなされていないものの、明代が「レギュラーランチ」の内容を事細かに供述した調書も存在する。東京地検が、間違えて「レギュラーランチ」のレシートを出してしまったという彼らの供述を信用するとは思えなかった。

微妙な変遷

『聖教新聞』裁判でも矢野は、「レギュラーランチ」ではなく「日替わりランチ」だったと「気づいた」経緯と時期、および7月12日に明代が行ったとする「説明」について陳述書で次のように供述している。



「日替わりランチ」だったことに「気づいた」経緯と時期、および明代の「説明」(矢野「陳述書」)

 7月4日の事情聴取の際の課長代理の雰囲気から、……警察側は、「事件」として捜査する考えであることを知ったので、こちら側としてもきちんと当日の行動を思い出し、調べておくことにしました。

 朝木議員そして私達は、「びっくりドンキー」にも、数回出掛けて店員に質問するなどして、調査したところ、問題の「レジ・ジャーナル」には「ランチ」という文言が書かれてあったものの、記載されていた注文品は、朝木議員が6月30日に店長に伝えた「日替わりランチ」ではなく「レギュラーランチ」であることが判明した……。

 ……朝木議員は12日午前に東村山署に出向きました。

 その際、朝木議員は、課長代理から指摘される前に、7月3日に提出した「レジ・ジャーナル」は店長が間違えて渡して寄越したものであることを自ら伝えて……



 上申書では取調官(「陳述書」では課長代理)から先に間違いだと指摘されたことになっているが、上申書から4年後に作成された陳述書では「明代の方から先に間違いだったと伝えた」と、2つの供述には微妙な変遷がみられる。普通、アリバイを主張する容疑者の側で自分を有利にする新事実が判明したのなら、率先して新事実を伝えようとするものだろうから、状況説明としては陳述書の記載の方がより現実的に思える。

 とはいえ、いずれも第2回取り調べ(7月4日)から第3回取り調べの前日である7月11日までの間には、明代と矢野は「『レギュラーランチ』のレシートが自分たちのものではないと認識していた」と主張している点において変わりはない。

 ただ、「『レギュラーランチ』のレシートが自分たちのものではない」と認識した時期が上申書と陳述書で一致していたとしても、やはり明代が第3回取り調べで「レギュラーランチ」のレシートを署名・捺印した上で正式にアリバイの証拠として提出した事実とはどうしても相容れない。この矛盾を矢野が10月7日の取り調べで覆すのは至難の業であるように思われた。

(つづく)
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