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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『聖教新聞」事件 第20回
やっと「日替わりランチ」と認めた矢野

 矢野は東村山署の取り調べで「びっくりドンキー」で食べたとするメニューが「レギュラーランチ」だったことを否定しながら、何を食べたのかについてはなかなか明らかにしようとはしなかった。しかし、食べたものが明代の提出したレシートの「レギュラーランチ」ではないことだけは認めたため、取調官は「そうすると、朝木さんは『日替わり』を食べたということですね」と踏み込んだ。すると矢野は、「まあ、そういうことになりますね」と消極的に認めた。

 取調官と矢野の続くやりとりをみると、どうも明代は7月12日の取り調べの際、「レギュラーランチ」のアリバイを否定されたあと、とっさに「食べたのは『レギュラー』ではなく『日替わり』だった」と供述を翻していたフシがある。しかし明代はそのときすでに「レギュラーランチ」のレシートを証拠として提出していたから、そのレシートは食べたもの(「日替わりランチ」)のものかと確認した。すると明代は、そのレシートが「日替わりランチ」のものではないことを認め、「(『日替わりランチ』のレシートを)すぐ持ってきます」といって取調室を退去した――という流れだったようである。

 この明代の供述を取調官が信用していたかについては定かではない。しかし、明代は「レギュラーランチ」のアリバイが否定される直前には「レギュラーランチ」の内容を自信満々に説明しており、署名・捺印して提出したレシートは「『日替わりランチ』のものと間違えて提出した」と主張しても、もはや信用してもらえるような状況にはなかったことだけは確かだろう。明代と矢野が東京地検に提出した上申書でメニューを「日替わり」に変更したことには一応の理由があったことになろうか。

 その後、明代が東村山署に「日替わりランチ」のレシートを持って来ることはなかった。その点に関して矢野はこの日の取り調べで、「食べたのは『日替わりランチ』だった」とした上で、明代の取り調べ終了後すぐに「びっくりドンキー」に行くと「東村山署がレシートを押収していてここにはないといわれ、『日替わりランチ』のレシートを探すことができなかった」と主張したのである。

 もちろんこの主張は、その中に明代のアリバイを立証する「日替わりランチ」のレシートが存在すればの話である。万引き事件のあった時間帯に、矢野と明代が食べたとする「日替わりランチ」のレシートが存在するのかどうか。矢野はメニューを「日替わりランチ」と明言したことで、取調官に対して取り調べを次の段階に進めるきっかけを与えた。

 万引き事件が発生した時間帯に矢野と明代が食べたとする「日替わりランチ」のレシートあるのか。核心に入る前に、取調官は矢野と明代が食事をしたとする時間帯をあらためて確認した。それまでにもすでに10分~20分の誤差が生じているから、もっと大幅な「記憶違い」がないとも限らない。

 そこで取調官はまず、矢野がこの日に供述した「午後2時40分」よりも早い時間に入った可能性があるかどうかと水を向けた。その記憶の基準となるのは「午後2時12分」の銀行振込の記録である。取調官は矢野に、朝木が「『行き』に寄った」と答えたことを伝え、「びっくりドンキー」に行ったのがそのあとであることに間違いないかどうかを確認した。すると矢野は当然、その流れに間違いないと答えた。

明かされた重大な事実

 矢野と明代が「びっくりドンキー」で「日替わりランチ」を食べたとすれば、それは「午後2時12分」よりもあとだということが、矢野の口から確認された。矢野の答えを引き出した上で、取調官は矢野に重大な事実を伝えた。その場面をみよう。



取調官  (朝木)先生は2時12分より遅くドンキーに行かれた。さらに、矢野先生よりはちょっと遅い。

矢野  ちょっと遅い、と思いますね。

取調官  ……まあ、それ、わかってるから、いいと思いますよ。

矢野  ええ、いいですよ。

取調官  ただ、2時12分の時点では、「日替わり」がないんです。

矢野  ええっ? ウソっ!

取調官  ホントなの。だから、私がそれを、先生に聞いたの。

矢野  ウソだ。

取調官  先生、そうなんですよ。先生、ホント、どうなんですか。2時12分の時点では、「日替わり」はありません、と。売り切れてますよ、と。



「2時か12分には『日替わり』はない」といわれた際の「ええっ? ウソっ!」という矢野の反応は、取調官の発言に対して確信をもって否定するものではなく、続いて取調官が「ホントなの」と答えていることからも、「本当ですか?」と聞き返すニュアンスだったことは明らかである。万引きの時間帯に矢野が本当に明代と一緒に「びっくりドンキー」で「日替わりランチ」を食べており、その確かな記憶があるのなら「2時12分の時点で『日替わり』はない」といわれた矢野が聞き返すこともあり得ない。

 矢野と明代は7月1日、「レジ記録リスト」の中から最もアリバイの条件に合致した「レギュラーランチ」を見つけたことで他の記録は詳細には見ていない。矢野には「レジ記録リスト」の該当する時間帯に2人連れで「日替わりランチ」を食べた客が存在するかどうか確証の持てない状態にあった。だから「『日替わり』がないというのは本当なのか」と聞き返した――上記のやりとりが物語るのは、矢野の自信のなさにほかならなかった。

(つづく)
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