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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『聖教新聞』事件 第23回
注文し直していた客

 取調官からアリバイを主張する時間帯に「日替わりランチ」が売り切れであることを知らされるまで、矢野は東京地検に提出した上申書と同様に、明代が「午後2時12分」に銀行振込をした後の「午後2時30分前後に「びっくりドンキー」に着き、万引きの時間帯は明代と食事をしていたと主張していた。矢野の主張が事実とすれば、「日替わりランチ」が「午後2時30分前後」に注文された記録のある注文伝票と、それに対応する「午後3時20分前後」に清算された記録のあるレシートが存在しなければならない。

 明代が最初に提出した「レギュラーランチ」のレシートの清算時刻は「午後3時21分」で、清算時刻については辻褄が合っていた。しかし明代が撤回に追い込まれたそのレシートの客が最初に注文した時刻は「午後1時29分」だったから、この点からも明代が最初に提出したレシートは矢野と朝木のアリバイ主張とは大きく食い違っていた。

 矢野と朝木は、8月1日に店長から清算記録のリストを見せられて「レギュラーランチ」のレシートを選んだが、注文伝票までは確認していなかった(注文伝票の存在さえ知らなかったかもしれない)。このため矢野は、このレシートのメニューが注文されたのが銀行振込よりも1時間も前であることを知らなかったのである。

「メニューは『レギュラー』ではなく『日替わりランチ』だった」とする矢野の主張が嘘ではないと実証されるためには、少なくとも「午後2時12分」以降に「日替わりランチ」を注文し、「午後3時30分前後」に清算した2人連れの記録が存在しなければならなかった。しかし、最初に「レジ記録リスト」を見て、その中から最もアリバイ主張にふさわしいものとして「レギュラーランチ」を選んだ矢野が、次善の記録として「日替わりランチ」があると確認していたとは思えない。

 取り調べで「『日替わりランチ』が売り切れているはずはない」と強弁する矢野に対し取調官は、万引きの時間帯である「午後3時21分」に清算された「レギュラーランチ」の2人組の客が注文したのは「午後1時32分」だったことをリストによって説明したのだろう。その客のうちの1人は先に着席し「午後1時29分」に「日替わりランチ」を注文したが、すでに売り切れていたためにこれをキャンセルし、「午後1時32分」にあらためて「レギュラー」を注文し直しているのである。

「日替わりランチ」は「午後1時29分」に売り切れていたということだった。「午後2時12分」以降に行き、万引きの時間帯に「食事をしていた」と主張する矢野と明代が「日替わりランチ」を注文できるはずがないことは明らかである。これほど説得力のある資料はあるまい。

 だから矢野は当初の万引きの時間帯に「『日替わり』を食べた」とする主張を放棄し、銀行振込(「午後2時12分」)よりも前の時間帯を「調べないと」と主張を再び翻したのである。最初から確信などあるはずのない矢野の狼狽ぶりがうかがえた。

いなかったそれらしい客

 矢野が店長から「レジ記録リスト」を見せられた際、「レギュラーランチ」のほかにアリバイを証明できる記録として「日替わりランチ」もあると確認していたとすれば、取調官から「『日替わり』は売り切れている」といわれたとしても、すぐにアリバイの時間帯を放棄するはずはない。東村山署の捜査によれば、アリバイの時間帯に「日替わりランチ」を食べた客がいなかっただけでなく、仮にメニューを特定せずに、矢野が座ったと主張する席と時間帯(午後2時30分前後~午後3時20分前後)の面だけから検討しても、それらしい客が存在したことを認めることはできなかったのである。

 千葉によれば、矢野は上申書で席の位置について「右手のずっと奥」で、「ビールは飲んでいない」と説明したという。また矢野と明代は「レギュラーランチ」から「日替わりランチ」へとメニューを変遷させたものの、2人が頼んだとするメニューは同じものだった。東村山署はこれらの矢野と明代の主張に基づき、店内見取図、注文伝票とレシートの調査を行った。

 東村山署の調査によれば、「2人連れ」で「午後2時30分前後に注文し、午後3時20分前後に清算された記録」に最も近いのは、「午後2時47分に注文し、午後3時23分に清算した2組」と、「午後2時32分に注文し、午後3時3分に清算した1組」の計3組だけだった。しかしこの3組はいずれも、それぞれが別のメニューで、矢野が主張する条件とは大きく離れていたのである。

 ちなみに「日替わりランチ」を最後に注文したのは「午後1時29分」に注文し、それから3分後の「午後1時32分」に取り消した客、すなわち明代が最初にアリバイの証拠として提出した「レギュラーランチ」の2人連れだった。それ以後に「日替わりランチ」を注文した客の記録はなかった。

自分を守ろうとした矢野

 矢野は「日替わりランチ」が「午後2時12分」より前に売り切れていることを知らされると、「それだったら、こっちを調べないと。2時12分より前の、この『日替わり』の2組を」(=前回参照)と、なおも「『びっくりドンキー』に行った」と強弁しようとした。「午後2時12分」より前に清算した記録では、「午後3時過ぎ」に起きた万引き事件のアリバイにはならない。

 すでに矢野は、明代のアリバイを立証するためではなく、自分が作り出した「『びっくりドンキー』での食事」という架空の物語の「真実性」を守るために、さらに新たな架空の事実を積み重ねようとしているように思えた。自分自身を守ろうとしていた、といってもいいのではあるまいか。

(つづく)
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