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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『聖教新聞』事件 第24回
自分を見失った矢野

 東村山署における取り調べで矢野は、矢野が明代とともに食べたとする「日替わりランチ」が万引き事件の時間帯にはとっくに売り切れていて、彼らが食べることは不可能だった事実をリストによって突き付けられた。千葉によれば、このリストとは「びっくりドンキー」から提供された資料(「注文伝票」と「レシート」)に基づき東村山署が作成した注文と清算を一覧表にしたものである。取調官はリストを示し、「『日替わりランチ』を食べたとする主張は虚偽ですよ」といっているに等しかった。

 ところがこれに対して矢野は、今度は万引きの時間帯を無視して、「『日替わりランチ』を食べたのは間違いない」と本末転倒の主張を始めたのだった。すでに矢野の主張は明代のアリバイを主張しようとするものではなくなっていた。完全に自分を見失っている状態であるようにみえる。

 では、アリバイの意味はまったくなくなっているが、矢野が固執するように「午後2時12分より前」なら「日替わりランチ」を食べた2人連れの客はいたのだろうか。

「午後2時12分より前」でさえ、すでに当初主張した清算時刻よりも1時間も早まっている。矢野は「『午後2時12分より前』を調べないと」という。しかし、「午後2時12分より前」といっても際限なく遡るというわけにはいかないことは矢野も認めよう。なぜなら、矢野も明代も午前中は東村山市議会が開会中だったために東村山市役所内にいたと証言しているからである。

自ら狭めた時間帯

 彼らの供述によれば、当日の2人の昼間での行動は以下のとおりだった。



矢野……午前10時20分過ぎから総務委員会に出席。同委員会は12時過ぎに終了。矢野は途中退席せず、ずっと委員会に出席していた。12時30分ころ、明代と一緒に議員控室に戻った。その後2人で一般質問の準備などを行った。

明代……午前10時15分から始まった建設水道委員会に出席。同委員会は1時間足らずで終了したため、総務委員会を最後まで傍聴した。12時30分ころ、矢野と一緒に議員控室に戻り、2人で一般質問の準備などを行った。



 これまでの説明では、その後に昼食をとろうと一緒に控室を出て、明代は途中銀行に立ち寄り「午後2時12分」に振込をした。矢野が出席した総務委員会の終了時刻と明代が振込をした時刻は客観的な裏付けがあるから、この2つは彼ら自身が提出した証拠と供述から事実と認められるだろう。すると、仮に矢野と明代が「午後2時12分」より前に「びっくりドンキー」に行った事実があったとしても、どんなに早くても午後1時より前に行くのは困難であると推測できよう。

相次いで取り消していた2組

 では、午後1時から「午後2時12分」の間に「日替わりランチ」を注文し、「日替わりランチ」を食べて清算した2人連れの客はあったのか(「日替わりランチ」を注文すれば当然、その代金を清算するだろうといわれるかもしれないが、最初の注文をキャンセルすることもあり得る)。取り調べで矢野は「こっちを調べないと。2時12分より前の、この『日替わり』の2組を」と発言している(=第22回参照)。矢野の言い方をみると、矢野は取調官が示したリストを指してこういっていることがうかがえた。

 矢野の発言によると、「午後2時12分」より前に「日替わりランチ」を注文し、清算した客は2組あったようである。もちろんその日に「日替わり」を注文した客がたった2組であるはずがないから、矢野がここでいう「2組」とはあくまで矢野と明代の行動を振り返る中で入店できた可能性のある時間帯における「2組」ということと理解できよう。

 千葉によれば、「午後2時12分」より前でかつ午後1時以降に「日替わりランチ」を注文した客(「日替わり」を食べたとは限らない)は3組あった。そのうちの1組は、のちに「レギュラーランチ」に変更し、明代が「アリバイの証拠」として提出したレシートの2人連れで、清算したのも午後3時21分だから、ここでの検討対象からは除かれる。したがって、確かに矢野が主張する時間帯に「日替わりランチ」を注文し、清算をすませた客は2組だったことになる。

 では、この2組のうちの1組が矢野と明代だった可能性を考慮する余地があったのだろうか。千葉によれば、1組は4人で来店しており、「日替わり」を注文したものの取り消して最終的に「レギュラー」を注文している。人数からしても矢野と明代でないことは明らかだった。

 残る1組はどうか。この客は2人連れで午後1時ちょうどに「日替わり」を注文し、午後2時前に清算していた。しかしこの2人連れもまた、最初に注文した「日替わり」を取り消し、別のメニューに変更していたのである。

 だから取調官は、「『2時12分』より前の客を調べないと」という矢野の要求に対してこう答えている。

取調官  うん、2時12分より前にはあるんだけど、それはもう12時台なの。……売り切れたのが、12時台。

 千葉によれば、「午後1時00分」に「日替わり」を注文した2人連れの客は、それを取り消して別のメニューを注文している。それ以後、「日替わり」を注文してキャンセルした客はいても、食べた客は存在しない。このリストによっては午後1時以前に「日替わりランチ」が売り切れたかどうかまでは判別できないものの、少なくとも午後1時以後に「日替わりランチ」を食べた客がいないのは事実なのだった。

 矢野の供述内容を検討するにあたって最も重要なのは、「日替わりランチ」が12時台に売り切れていたかどうかではなく、矢野が主張する時間帯に「日替わりランチ」が注文され、それを実際に食べた客がいたのかどうかである。東村山署は「びっくりドンキー」に対する事情聴取によって、この日、「日替わりランチ」が12時台で売り切れた事実を把握していたし、リストの記録は店側の説明に矛盾しない(午後1時すぎに「日替わり」を注文した2組の客が相次いでキャンセルするというのも、「売り切れ」以外には想定しにくい)。どちらにしてもその記録は、矢野と明代が「日替わり」を食べていない事実を示していた。

「12時台には売り切れていた」と取調官から事実を聞かされた矢野は、それでも「『日替わり』を食べた」とする主張を引っ込めなかった。矢野はこうとぼけたのである。

矢野  そんな早く行ったのかなあ。

 矢野のいう「そんなに早く」とは、遅くとも12時台ということである。「2時12より前」からさらに入店時刻が早まったことになる。

 矢野が本当に明代とともに「びっくりドンキー」で「日替わりランチ」を食べた事実があるのなら、これほど簡単に時系列を撤回するはずがない。矢野自身の供述によれば、矢野は「12時30分ころ、明代と一緒に議員控室に戻った。その後2人で一般質問の準備などを行った。」と何度も供述している。その矢野が、「そんな早く」行けるはずがないのは明らかだった。

(つづく)
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