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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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東村山市議会傍聴記(平成26年12月-3)
思わせぶりな一文

 矢野が再び市議選の半年前という時期に、一般質問で真実性・相当性がなければ名誉毀損となりかねない「越境通勤市議」という文言を持ち出し、〈越境通勤市議はゆるされるか〉と題する質問をするという。通告書には、何がいいたいのか、今回の質問とは直接には関係のないこんな一文も付け加えていた。

〈数年前にも越境通勤市議がいるというので、問題になったが、このような人物が再び出てきたということか。〉

「数年前」の話は矢野と朝木が騒いだだけだし、裁判所は「越境通勤市議」と呼ぶことには真実性はないと認定している。まして質問通告書からは、矢野が問題とする議員は佐藤ではないことがうかがえる。にもかかわらず矢野はなぜ、今回の質問とは無関係の佐藤を連想させるような文言をあえて加えたのか。すでに裁判所が真実性を否定した佐藤の件についてもついでに蒸し返そうとしていたのだろうか。

「妻子」の存在と「生活実体」

 さて、矢野は「まず質問時間制限に抗議して」と朝木と同じく意味のない前置きをしたあと、こう切り出した。



矢野  東村山市の住人でなかった人物が、今期の市議会議員選挙の半年前に、単身、東村山市内の廻田町に転入手続きをとった。一見、3カ月の住所要件を満たしているようにみえますが、この行政境を越えて接するところにご自分の自宅を持ち、妻子が住んでいる。要するに生活の本拠を当市の直近の位置に有していながら、3年半前の市会議員選挙に出るということはできるのか。

 生活の本拠である住所を持っていなければならないということだと思うんですが、その「生活の本拠」とはどういうふうに理解したらいいんですか。



 公選法では、被選挙権は「引き続き3カ月以上区域内に住所を有する者」となっているだけで、近隣市に妻子が住んでいる自宅があるという理由で被選挙権は認められないなどとする規定はない。公選法は、公職に立候補しようとする区域に住所を置いているかどうかだけを被選挙権の条件としているように思える。

 今期の任期が始まった当初、この議員が半年前に東村山に転入してきたことは市議会の中ではすでに話題になっていたと聞く。しかしこの議員について東村山市内の住所が公選法との関係で問題にされたことはない。

 矢野はこの議員が選挙の半年前に転入したことをこれまで知らなかったのだろうか。あるいは松戸に住民票を移動したと主張していた朝木に生活実体がなかったように、この議員もまた、現在もなお、東村山市内に生活本拠を置いていないと主張しているのだろうか。

「生活の本拠」とは何かについて、東村山市選管はこう答弁した。



選管事務局長  生活の本拠であるか否かの認定は、客観的事実を基礎とし、これに当該居住者の主観的居住意思を総合して決定することとされています。解釈としては客観的事実を重視すべきである、とあります。……住所の有無は各種の実情を斟酌し、個々に定めるほかないと考えております。



 市選管もまた、当該市議が東村山市に住所を置いているかどうかだけが問題で、近隣市に妻子が住んでいる家があるかどうかは特に問題にしていないようである。しかし矢野はそうは考えていないようだった。矢野はこう聞いた。


 
矢野  単身者の場合ですね、その人はどこに住むかはその人の考えで決まる、しかも住んでるところが住所、そういう言い方はできるんでありますが、ご当人に妻子がいて、自分の居住する家があるような場合に、生活の本拠というのはどういうふうに理解しますか。



 近隣市に妻子が住んでいる自宅があるという事情は、東村山市内の住所を認定するにあたり考慮の対象となるのか。矢野の再度の質問に対して所管はこう答えた。



選管  個々具体的に定めるほかないのかなと思います。その方がいまいわれた場合でも、生活の本拠が、たとえ奥様がほかのところにいても、こちらで生活しているということが客観的にいえれば、そこが住所と認定されるというふうに考えております。



 市選管としては公選法で定められた範囲で判断するほかなく、あくまで本人の生活実体だけが問題という立場であるのは致し方ないのではないかと思う。

担当者の気遣い

 しかし矢野はさらに聞いた。



矢野  客観的にいえるのは、その場所で生活してればいいんですか。具体的に60歳を超えているような場合に、どういう判断をするんですか。本来、同居世帯を構成している者が、ことさら世帯を分けて、妻の方は、夫の方と別々に住所を持つという場合に、これは生活の本拠という場合、これはどういう解釈をしたらいいんですか。



 矢野は今度は、「妻子が住む実家」に加えて「60歳を超えた年齢」という新たな条件を加えた。その場合には、生活実体が疑わしいと主張しているのだろうか。「法律に詳しい」矢野にしては、やや論理性に欠ける主張のように思われた。矢野よりは30歳以上若いと見える担当者は淡々とこう答えた。



選管  個々の具体的な例を見て定めるほかないということです。この段階でどうこうとはいえないと感じております。

 担当者は「『近隣市に妻子が住む実家があること』や『60歳を過ぎていること』が東村山市の住所に生活の本拠を置いていないことの根拠になるわけがないでしょ」といっているのだった。そうはっきりいわないのは、年長者に対する気遣いでもあろうか。

 東村山市に生活の本拠を置いていないとする具体的な根拠を示せない矢野は、ついにわけのわからない話を持ち出すしかなかったようである。



矢野  本件の場合もそうですが、過去になんだか別居して、離婚が間近いというような、そういうことを公言しながら、しばらくしたら元の鞘に収まって一緒に住んでると、いうような中で生活の本拠が問題になったケースがありますが、……今度も問題になるんじゃないですか。

 矢野のいう別の「ケース」とは何を意味するのか。佐藤の話を蒸し返したいが、はっきりわかるような形ではいえない矢野の事情がうかがえた。いずれにしても、現職議員を問題にしておきながら最後に別の話を持ち出さざるを得ないとは、どうみても矢野の敗色濃厚である。

 矢野の一般質問はそのまま時間切れとなり、議長はこういって質問を終わらせた。

議長  問題になりませんよ。

 議会の公正かつ円滑な進行を管理すべき議長が、議員の質問内容に踏み込んだ感想を洩らすとは異例だった。

 そもそも議席譲渡裁判で矢野は「生活の本拠」の定義について知悉していよう。矢野の繰り上げ当選を無効と判断した最高裁が述べた「生活の本拠」の定義は担当者の説明と同じである。

 矢野の質問が終わって控室前に戻ると、そこに朝木が通りかかった。すると朝木明代の万引き事件を捜査した元東村山警察署副署長の千葉英司がこう声をかけた。

「居住実体のことを矢野に教えてやれ」

 かつて「実体としても引っ越している」と主張しながら、最高裁から居住実体を否定された朝木からは何の返答もなかった。とても人の生活実体をあれこれいえる立場でないことだけは理解しているのだろう。

(了)
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