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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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東村山市議会がヘイトスピーチの禁止の法整備を求める意見書採択
切っても切れない関係

 平成26年12月18日、東村山市議会は最終日を迎えた。この日の議案予定表の最後には、議員提出議案(「ヘイトスピーチ(憎悪の煽動)に反対し、拒絶のための法整備を求める意見書(案)」)の採決が行われることが記載されていた。

 在特会や「行動する保守」Aらの右翼とその支持者らは全国各地でヘイトスピーチとデモを繰り広げている。したがって、ヘイトスピーチに反対するとは事実上、在特会や「行動する保守」が行っている運動に反対するということであり、彼らを敵に回すということでもある。

 東村山と在特会、「行動する保守」はまんざら知らない間柄ではない。平成20年9月、当時はまだ無名だった在特会の桜井誠、「行動する保守」A、「主権回復を目指す会」の西村修平、「政経調査会」の右翼M、浦安の行政書士らが東村山駅東口で一堂に会した。彼らは創価学会に対する誹謗中傷を行い、ハンドマイクで「万引き事件を捏造した」などと騒ぎながら市民の店に大挙して押しかけ、雑言を浴びせた(=洋品店襲撃事件)。

 この東村山における街宣活動のネタを提供したのが、東村山市議の矢野穂積と朝木直子(現「東村山を良くする会」)だった。私の知るかぎり、それまで別々の団体名を掲げて活動していた右翼らは、結果として以後、一体となって多くの差別的街宣やデモを行うようになった。

 翌平成21年には、「行動する保守」らが東村山市議会本会議場にも顔を出した。彼らはビデオカメラで議場を撮影し、インターネット上に公開した。ところが、その動画には傍聴席が映り込んでおり、傍聴者が確認できる状態になっていた。右翼らは意図的に傍聴席が映り込む角度で撮影していたのだった。傍聴人に対する嫌がらせであることは容易に推測することができた。

 当時、東村山駅前での街宣に参加した者の1人が矢野の控室に出入りしており、その仲間が集まって矢野が発行したビラの配布活動をした事実もある。配布場所まで彼らを車で送り届けたのは朝木直子だった。

 それほど矢野、朝木と今回の意見書によって批判対象とする者たちは親密な関係にあった。以後も、「行動する保守」らは毎年のように東村山で街宣活動を繰り返し、平成26年8月31日にも「行動する保守」Aが東村山駅東口で矢野が提供したネタをもとにデマ街宣を行ったばかりである。

「行動する保守」Aはその街宣で、「この街宣は矢野さん、朝木さんとは無関係」であると強調したが、街宣の内容は矢野、朝木が流したデマをそのままなぞるものにほかならなかった。つまり「行動する保守」Aがその街宣と矢野との関係をいかに否定しようと、「行動する保守」Aの主張が矢野のデマに基づくものであるかぎり、矢野との関係は切っても切れないのである。

かなり不自然な釈明

 しかも、街宣と矢野、朝木との関係を否定する「行動する保守」Aの釈明が5分におよぶ執拗なものだったことはやや不自然に思えた。

 平成20年9月1日、「行動する保守」Aらが矢野と朝木とともに「朝木明代謀殺事件の真相を究明する」などと称する街宣活動を行って以後、右翼らは顔ぶれは異なるが、今回を含めて5回以上の街宣を行っている。

 一方、在特会や「行動する保守」によるヘイトスピーチは年を重ねるごとに社会的批判を浴びるようになってきた。そのような者たちと協力関係にあるとみられることは選挙にも大きなマイナスとなる――矢野がそう考えてもなんら不思議はない。矢野にとって正直なところ、選挙の半年前に「行動する保守」Aが東村山で街宣活動を行うことは迷惑な話だったのではあるまいか。そうでなければ、矢野と朝木が街宣に参加しない理由はない。

 ただ参加しなかったとしても、それだけでは「矢野と朝木がやらせている」と世間はみるだろう。そこで矢野は「行動する保守」Aに対し、「矢野、朝木とは無関係」と街宣で表明するよう依頼したということではないかと推測していた。

いっさい答えなかった矢野

 本当のところはどうなのか。採決の日の昼休み、議員控室前で矢野が私の方に歩いてきたので直接聞いた。

――矢野先生、瀬戸さんに協力しないんですか?

 矢野は何も答えないまま私に背を向けて、あらぬ方向に行こうとした。仕方なく私は追従してさらにこう聞いた。

――街宣で「関係ない」といわせたんですか?

 すると矢野はようやく一言だけ口を開いた。

矢野  お前と話しているヒマはないんだよ。

「行動する保守」Aが街宣をした日、私にいったセリフ(「あんたには用はないんだよ」)によく似ていた。矢野が「行動する保守」Aにそんなことはいっていないというのなら、「いっていない」と一言そういえばいいのではあるまいか。かつてあれだけ利用し、襲撃事件まで引き起こしておきながら、都合が悪くなると知らん顔を決め込もうとしているように私にはみえた。

今も襲撃事件を容認

 午後2時過ぎ、「ヘイトスピーチ(憎悪の煽動)に反対し、根絶のための法整備を求める意見書」の提案議員の1人である佐藤真和が提案理由の説明に立った。矢野は今期の一般質問で佐藤を「越境通勤市議」などと誹謗中傷している。その佐藤の提案に矢野は賛成するのか。

 佐藤に対する質問はなく、ただちに採決に入った。すると矢野も朝木も、なんらためらう様子もなく起立、賛成したのである。こうして東村山市議会は、在特会や「行動する保守」らが全国で行っているヘイトスピーチを排除するための法整備を求める意見書を全議員の賛成で採択した。

 矢野から「関係ない」といわせられたらしい「行動する保守」Aはその日、東村山市内の別の場所でりんごを売ると伝えられていた。ちょうどその日、販売場所から数キロ離れた東村山市議会では矢野と朝木が自分たちを否定する決議に賛成していたとは、かつてはあれほど親密だった「行動する保守」Aの心中やいかばかりだっただろうか。

 意見書の採択後、佐藤のもとには在特会支持者から抗議が寄せられているという。しかし採択したのは佐藤だけではない。仲間と思っていた矢野も朝木も賛成したのだから、彼らにも理由を聞くべきだろう。

 こうして矢野は、表面的にはヘイトスピーチに反対し、在特会や「行動する保守」Aの主張を否定する意思を示した。しかしだからといって矢野が、彼らを全面的に否定しているかといえばけっしてそんなことはない。

 矢野は洋品店襲撃事件について、現在も、あたかも千葉が洋品店に待機していて、右翼らに口を出したことが騒ぎの原因だと主張している。しかし、右翼らが洋品店に向かって大声で誹謗中傷していたから千葉が出ていって抗議したというのが事実であることは明らかである。

 つまり矢野は事実を曲げてまで、いまだに在特会や「行動する保守」の襲撃事件を擁護しているのだった。「襲撃事件」をなかったことにすることは、千葉だけでなく被害者である洋品店の人権を無視するということにほかならない。

「襲撃事件」の責任が右翼らにあることを否定しなければ、最終的にその責任は右翼らをそそのかした自分にはね返ってくることを矢野はよく理解しているのだろう。保身のためなら他人の人権を蹂躙することもなんらいとわない矢野と朝木の本質になんら変わりはないのである。

(了)
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