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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』を読む(平成26年第184号-その1)
「東村山を良くする会」の矢野穂積は平成26年12月3日に行った一般質問で、ある東村山市議会議員の東村山市内における居住実体を問題にする質問を行った。公選法では、地方自治体の議会の議員は、選挙の3カ月前から継続して当該自治体に居住し、生活していなければならず、住所を失えば、被選挙権すなわち議員としての資格も失うと定められている。矢野の質問によれば、この議員は近隣市に妻子が住む自宅を持っているから、実際には東村山には生活実体がないのではないかというのである。

 近隣市に妻子が住む自宅があるからといって、それだけの理由で東村山における生活実体がないことにはならないと思うが、矢野の質問にはもう1つの含みがあった。矢野が一般質問に先立って提出した発言通告書には、表題に〈越境通勤市議は許されるか〉と記載されており、質問の最後にこんな一文が加えられていた。

〈数年前にも越境通勤市議がいるというので、問題になったが、このような人物が再び出てきたということか。〉

 矢野がいう「越境通勤市議」とは、「市外に生活の本拠を置きながら東村山に通っている議員」という意味である。生活の本拠が市外にあるというのだから、「本来は市議資格がないにもかかわらず東村山市議の地位に居座っている市議」と言い換えることができる。「そのような市議が数年前に存在し、問題になった」と矢野はいっているのだった。すなわちこの人物は、一般質問で聞こうとする市議とは別の人物であることが明らかだった。一般質問でも矢野は、名前こそ出さないものの、本来問題にしようとする市議だけでなく、「生活の本拠が問題になったケースがある」として、「過去にももう1人、東村山市内の生活実体が問題になった議員がいた」(趣旨)と述べたのである。

 かつて矢野が「越境通勤市議」として騒ぎ立てたのは佐藤真和である。裁判所は、佐藤は「越境通勤市議」ではないと認定している。にもかかわらず矢野は、新たに住所を問題にしようとする市議に加え、ついでに佐藤についても「越境通勤市議」を蒸し返そうとしているように思えた。

トップ記事は「越境通勤市議」

 その矢野は東村山市議会平成26年12月定例会が終了してから数日後、同じく「東村山を良くする会」の朝木直子を編集長として発行している彼らの政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』184号を配布した(発行は同年12月15日付)。ビラ184号を見て驚かされた。1面トップ記事には次のような見出しが並んでいた。



(ビラ184号トップ記事の見出し)

〈自民・石橋氏が「越境通勤」市議!〉

〈東大和(清水)に自宅(土地建物)を所有し、妻子は現在も居住!〉

〈また公選法違反! 4年前にも「越境通勤市議」が大問題に〉



 2面には「発行人矢野穂積」の署名コーナーで同じ趣旨の記事が掲載されており、その見出しは次のとおりだった。



(2面の見出し)

〈未だに反省をせず「議会改革」を叫ぶ無神経〉

〈「越境通勤市議」に引導を〉



 矢野は一般質問で問題にした「越境通勤市議」が「自民・石橋氏」であることを明らかにしたのである。これらの見出しからは、自民党議員の「問題」にかこつけて、すでに結論の出た問題まで蒸し返そうという雰囲気もうかがえた。

 矢野がいう「越境通勤市議」とは「東村山市内に生活実体がない」という意味である。これが事実なら「自民・石橋氏」は東村山市議の資格がないということになるから、「オーバーな表現」ではすまない。その根拠はどうなのか。1面の記事で矢野は次のように書いている。

〈石橋博市議の場合は、行政境の東大和市○○(筆者注=町名を記載)に自分の土地・家屋を所有。……夕方になると、東大和の自宅に帰るため、バスを待つ石橋氏の姿が目撃されている。〉

 矢野は他にも「証拠」をもっているのかもしれないが、記事を見る限り、矢野が同市議には「東村山市内に生活実体がない」とする根拠はこれだけである。矢野は東村山市選管に対して〈調査と是正の手続きをとった〉という。

 東村山市議会議員の任期は平成27年4月23日までである。石橋市議に東村山市内の生活実体がないのかどうか、すなわち市議資格がないのかどうかを判断するには残された時間は多くない。

 矢野がここでいう「是正」とは、「市議資格がないこと」を議長に報告するということだろうか。手続きとしては、市選管が矢野の申し立てに基づいて調査を行い、東村山市内の生活実体がないと判断した場合、同市議が議員資格を失うかどうかの決定は東村山市議会が行うことになる。平成27年3月議会までに「生活実体がない」とする調査結果が出た場合には議題となる可能性がある。

一線を超えてきた矢野

 矢野が問題視している自民市議については市選管など公的機関の結論が出たわけではないから、たとえば〈自民・石橋氏が「越境通勤」市議!〉という見出しはただちに事実に反するとはいえないのかもしれない。しかし記事は、すでに公的機関の結論が出ていることまで蒸し返していた。一般質問で匂わせるだけで名指しはしなかった佐藤真和について、矢野は具体的に踏み込んできたのである。矢野は本文でこう記載していた(○番号は筆者)。



①〈4年前にも、日野市多摩平に妻子を住まわせて、自分は、東村山市内……に単身住民票を移し、……ていた市議が大問題となったが、結局、4年を過ぎてから家族と同居し、当選無効にはならなかった。〉(1面)

②〈東村山市議会でも、「越境通勤市議」がいることで2匹目のどじょうを狙った〉(1面)



 ここまではまだ東村山市議会にはほかにもう1人「越境通勤市議」がいるといっているだけで、それが誰とは書いていていない。しかし記事の終盤で矢野は、それが誰なのかを明らかにしている。矢野は次のように書いている。



(佐藤に関する具体的言及)

③〈この問題以前に、佐藤真和市議の例がある。

 裁判所から「越境通勤市議」と呼ばれても仕方がないという判決を言い渡されたが、第1審で敗訴が確定した「親公明」・佐藤氏がいる。現在もこの人物が市議で居続けていることが、自民・石橋氏のような例を再び、生み出したといえよう。〉(1面)

④〈「越境通勤市議」の判決を受けながら、なお市議の椅子に恥知らずにも座り続ける「親公明」・佐藤真和という人物がいることが、再発した大きな原因だ。〉(2面)



 上記①~④を総合すると、「4年前にも市外に妻子を残して東村山に単身で住民票を移した市議が大問題となった。その後、家族と同居したことで当選無効とはならなかったが、裁判所もこの市議について東村山市内に生活実体のない「越境通勤市議」と呼ばれても仕方がないと断じ、敗訴判決を受けた。この市議とは佐藤真和市議で、佐藤が今も市議で居続けていることが前例となって、石橋氏のような「越境通勤市議」という違法状態が容認されたといえる」という趣旨と理解できる。つまり「佐藤は市議資格がないにもかかわらず市議の椅子に居座り続けている」と断定するもので、一般質問における表現とは明らかに異なり、一線を超えたものであると判断できよう。

 では、「佐藤は本来なら当選無効となるべきところ、選挙後に家族と同居したから当選無効とはならなかった」、「裁判所が佐藤について『越境通勤市議』といわれても仕方がないと断じた」、「佐藤は『越境通勤市議』の判決を受けながらなお、市議の椅子に恥知らずにも座り続けている」という記載内容は事実なのか。事実でなければ、重大な虚偽宣伝ということになる。

(つづく)
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