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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』を読む(平成26年第184号-その2)
年明け早々の更新

 平成27年1月4日、インターネット版『東村山市民新聞』の日付が数カ月ぶりに更新されていた。このサイトは日付のみの「更新」が多いが、今回の更新では中身も大きな変化があった。長らくトップにあった記事が、紙版『東村山市民新聞』(=矢野と朝木の個人的な政治宣伝ビラ)第184号のトップ記事(前回参照)とほぼ同じ内容のものに更新されていたのである。

 前回の記事で私はビラの記事について「事実でなければ、重大な虚偽宣伝ということになる」と書いたが、インターネット版の年明け最初の記事も「虚偽宣伝」ということになるのだろうか。

棄却された異議申立

 矢野(「東村山を良くする会」)はビラ第184号において、佐藤について〈裁判所から「越境通勤市議」の判決を受けながら、なお市議の椅子に恥知らずにも座り続ける「親公明」・佐藤真和〉などと記載し、佐藤が本来なら東村山市議の資格がないにもかかわらず東村山市議の椅子に座り続けていると断定している。そのような事実はあるのか。

 佐藤の東村山における住所について矢野が騒ぎ始めたのは平成19年に行われた東村山市議選の半年前に当たる平成18年9月である。同選挙で佐藤が当選すると、矢野は今度は「佐藤は東村山市内に生活実体がなく、当選は無効」と主張して、東村山市選管に対して異議を申し立てた。市選管は同年7月、これを棄却。続いて東京都選管に対して異議を申し立てたが、都選管も同年10月に矢野の申し立てを棄却した。

 よほど確かな証拠でもなければ、普通はここで手を引くだろう。しかし平成7年に議席譲渡事件を起こした際、同じ経路をたどって追及され、ついには議席から引きずり降ろされた経験を持つ矢野と朝木は、異議申立では気がすまないようだった。彼らは同年11月11日、都選管の裁決の取り消しを求めて東京高裁に提訴したのである。

 議席譲渡事件では、千葉県松戸市に転出したと主張していた朝木直子がわずか1カ月の間に同市内で3度も移転を繰り返すなど、住民票上にもきわめて不自然な動きがあった(最高裁は朝木の転居先に生活の実体はなかったと認定し、矢野の繰り上げ当選を無効とした)。一方、佐藤には東村山における生活実体を疑わせるような具体的な動きは何もなかった。

 結局、矢野と朝木が提訴してから半年後の平成20年4月30日、東京高裁は彼らの異議申立を棄却した東京都選管の裁決が正当であると認め、矢野と朝木の主張を退けた。東京高裁もまた、佐藤の生活の本拠が東村山市にあることを認めたのである。つまりこの判決は、ビラの記事①②(前回引用)を否定している。

 矢野と朝木は判決を不服として上告受理申立を行った。しかし最高裁は平成20年12月5日、矢野らの上告を受理しない決定を行い、佐藤の当選にはなんらの違法性もないこと、すなわち佐藤の東村山における生活実体にはなんらの問題もないことが確定している。

 朝木は佐藤を追及する理由を聞かれて「(議席譲渡事件で)私たちがやられたことをやり返しているのよ」と答えたという。転出先の生活実体など最初から存在しなかった朝木が「やり返す」というのである。

 まさに、万引きで被害届を提出された朝木明代が、万引き犯であるにもかかわらず矢野とともに洋品店にお礼参りに行ったことと似ていよう。母娘ともども、過ちを批判されてもいっさい非を認めず、それどころか逆恨みの念を募らせ実行に移すあたり、血は争えない。

「越境通勤市議」の違法性

 さて、この判決とともに、矢野が佐藤について「越境通勤市議」と宣伝したことの違法性(名誉毀損性)を直接的に問題とした裁判の判決も存在する。東京高裁が都選管の裁決をめぐり矢野の請求を棄却した判決から1カ月後、佐藤は紙版、インターネット版『東村山市民新聞』および多摩レイクサイドFM(矢野が運営するミニFM放送局)と自らのメディアを駆使して〈前代未聞の「越境市議」〉などとする宣伝を繰り広げていた矢野と朝木を提訴した。

 この裁判で東京地裁は佐藤の請求を棄却。佐藤は控訴せず、1審判決が確定した。その限りにおいて、矢野がビラで記載した〈第1審で敗訴が確定した〉という記載は虚偽ではない。しかしその判決で東京地裁は、矢野が記載するように〈(佐藤は)「越境通勤市議」と呼ばれても仕方がない〉などという認定はしていない。

「前代未聞の『越境通勤市議』!!」を含むビラの記事について東京地裁は次のように述べている。



(「越境通勤市議」に対する東京地裁の認定)

〈これらの表現は、原告(筆者注=佐藤)が、生活の本拠を東村地山市内に有しないにもかかわらず、形式上、同市内に住民票を移転して、15年選挙の選挙権及び被選挙権を取得した上、同選挙に立候補して当選するとともに、……さらには、これらの事実を追及されることを恐れて、逃げ回っているという事実を婉曲ないし間接的に摘示した上で……公選法に規定する詐欺登録罪及び詐欺投票罪に該当するとの意見ないし論評を表明したものというべき〉

〈本件記事……は、その内容に照らしていずれも現職の東村山市議会議員である原告の社会的な評価を低下させるものであることは明らか〉



 東京地裁は矢野の記事が佐藤の社会的評価を低下させるものであると認定している。

否定された真実性

 その上で、「越境通勤市議」とする表現の真実性について次のように述べている。



(「越境通勤市議」の真実性)

〈被告ら(筆者注=矢野と朝木)は、平成15年1月17日の本件転入届(筆者注=佐藤が東村山に転入届を提出した日)の時点で、原告の生活の本拠は東村山市内になかったと主張するが、これを認めるに足りる証拠はない。〉

〈本件転入届の際、原告の生活の本拠が東村山市内になかったことは、被告矢野及び被告朝木が表明した意見ないし論評の前提となる事実の重要な部分であるところ、これを認めるに足りる証拠はないから、被告らの行為が違法性を欠くということはできない。〉



 東京地裁は矢野が主張する「越境通勤市議」には根拠がないと認定し、その上で矢野らの行為には違法性があるとする判断を示したのである。

 ただ名誉毀損の裁判においては、相当性が認められた場合には違法性が阻却される。この裁判で東京地裁は、矢野が佐藤には東村山の生活実体がないと信じたことについては相当の理由があると認定した。その結果、東京地裁は佐藤の請求を棄却する判決を言い渡した。

 つまり、矢野が佐藤の当選に対して異議申立を行った裁判と、佐藤が矢野から「越境通勤市議」などと宣伝されたことに対して提訴した裁判の2つの裁判で、佐藤には東村山における生活実体があること、すなわち「『越境通勤市議』ではないこと」が認定されたのである。

(つづく)
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