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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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「議席取り戻し」事件 第6回
万引き関係者も登場

 ビラ87号に掲載した最高裁判決関連記事を読むと、矢野と朝木が議席譲渡事件の中でもとりわけ朝木の最初の2度の住民票移動が生活の本拠の移転であるとは認められなかったこと、つまり架空の住民登録を行ったと認定された事実を否定しようとしていることがうかがえた。

 最高裁が最初の2度の住民票移動を生活の本拠とは認めなかった点については2面でも、今度は彼ら自身ではなく、市民の「寄稿」という形で「架空の住民登録」を否定する主張を掲載している。「住所」とはいえないと断定されたことがよほど気にかかっているとみえた。

「寄稿」したのは彼らの古くからの支持者Kだった。朝木明代が万引きで被害届を出された際には、明代とともに万引き被害者の店を訪れ、被害者に対する嫌がらせを手伝った人物である。Kは朝木の最初の2度の住民登録について次のように述べていた。

〈「草の根」側は、架空の住民登録をしたわけでありませんし、ニセの住所移転をしたわけでもないことは現に、最高裁もはっきり認めており、95年5月29日には、朝木直子編集長が松戸市に住所を移したことは間違いないと認定しています。〉

「架空の住民登録」「ニセの住所移転」とは生活実体がないにもかかわらず、住民登録をしたということである。Kは朝木がそのようなことをしていないことを「最高裁もはっきり認めて」いると主張している。しかしそんな事実があるかどうかは、判決文を確認すればすぐに明らかになる。最高裁は朝木の最初の2回の住民票移動について次のように述べている。

〈朝木は、……次点者の矢野を当選人とすることを目的として、急きょ、松戸市への転出の届出をしたものであり、同女が単身転出したとする先は父の部下一家が居住する社宅であった上、その後、わずかの間に、いずれも松戸市内とはいえ、2度にわたり転居の届出をしているというのである。そうすると、仮に、朝木が、現実に平成7年4月26日以降松戸市紙敷で起居し、同年5月29日以降は松戸市馬橋のマンションを生活の本拠としているとしても、松戸市紙敷の前記社宅は生活の本拠を定めるまでの一時的な滞在場所にすぎず、せいぜい居所にとどまるものといわざるを得ない。〉

 最高裁は最初の2度の住所移転は「生活の本拠を定めるまでの一時的な滞在場所」にすぎないと認定している。朝木は当時、母親の明代とともに「松戸で生活している」と、生活実体があると主張していた。最高裁の認定からすれば、彼らの主張は虚偽だったという結論になる。

 少なくともKが主張するように、最高裁が「(朝木が)『架空の住民登録』『ニセの住所移転』をしていないこと」を「はっきり認めた」などという事実はない。むしろ、〈矢野を当選人とすることを目的として、急きょ、松戸市への転出の届出をした〉とする認定は、松戸への住民登録は生活の本拠を移すことが目的ではなかったと認定したに等しい。

 すると朝木が当時急いで行った松戸への住民登録を「架空の住民登録」「ニセの住所移転」と評価することになんらの支障もあるまい。朝木は矢野を繰り上げ当選させるために、虚偽の住民票移動を行ったのである。

 最初の2度の住民登録が虚偽ではないというのなら、「せいぜい居所にとどまるもの」とした最高裁の認定に反論すればよかろう。しかし矢野にしてもKにしても、最初の2度の住民登録が「住所」とは認定されなかったことに対してなんらの反論もせず、3度目の住民票移動である「平成7年5月29日以降に松戸に住所を移したとしても」とする最高裁の仮定を受け入れている。つまり彼ら自身が、最初の2度の住民票移動が実体のないものだったと認めているということだった。

 ただビラ87号において、矢野もKも朝木が同年5月29日より前に2度、住民票を移動した事実を表に出していない。当然、2度の住民票移動に触れれば、最高裁からも否定されているから「架空の住民登録」を否定できなくなる。だから最初の2度の住民票移動については触れなかったということと理解できる。矢野らしい狡猾さというべきだろう。

 またビラ87号は、同年5月29日以降は松戸市内に居住していると最高裁が確定的に認定したかのように主張している。しかし最高裁は〈仮に、朝木が、現実に平成7年4月26日以降松戸市紙敷で起居し、同年5月29日以降は松戸市馬橋のマンションを生活の本拠としているとしても〉としているにすぎない。最高裁がここで「仮に」という文言を挿入したことは無意味ではあるまい。

はなはだしい責任転嫁

 ビラには虚偽の住民登録を行った朝木本人も登場した。朝木こそ平成7年4月26日に最初の住民票移動を行い、「自分は東村山の被選挙権を失ったから東村山市議ではない」と主張していたのだから、最高裁が「住所とはいえない」と認定したことについてなんらかの見解が表明されてしかるべきだろう。

 しかしそのタイトルは、〈最高裁「手続きやり直せ判決」〉〈混乱の原因作っただけ〉というものだった。謝罪どころか、釈明する気さえ毛ほども期待できない内容であることは中身を見るまでもなかった。

 タイトルの「手続きやり直せ」とは1面から矢野が主張しているとおり、「市議会が改めて朝木の市議資格が喪失したことを議決し、選挙会はそれに基づいて矢野の繰り上げ当選の決定をすべき」という趣旨である。矢野と朝木は市議会が「最高裁判決に従わない」とし、「新たな混乱が生じている」と主張している。

 つまり結果として、「許さない会」が矢野の繰り上げ当選を違法として提訴したこと自体が〈混乱の原因を作った〉と主張しているのだった。「混乱」の原因は、朝木と矢野が議席譲渡を企て、架空の住民票移動を行ったことではなく、それが民主主義に反する行為であるとして提訴した「許さない会」にあるといいたいようだ。ここまで責任転嫁できること自体に驚かされよう。

 朝木は議会が〈最高裁判決を拒否して矢野議員の繰り上げ当選の手続きをやり直していない〉が、〈矢野議員の繰り上げ当選という結論は変わりがない〉とし、〈「矢野議員」の身分は法律上変更がないので同じ呼び方を続けます。〉と記事を締めくくっている。ここまで非を認めないとは、はやり並大抵の神経ではないというほかない。

(つづく)
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