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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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「右翼の弟子」事件 第5回
想定外の主張

 第2回口頭弁論は午後2時に始まった。弟子が第1回口頭弁論後に代理人に選任した駒場豊弁護士も出廷した。傍聴席には被告席の前、最前列に「行動する保守」Aが支援者とともに弟子を見守っている。後方には公安関係者と思しき傍聴人が3、4名座り、そのほかに裁判所の職員が数名、警戒にあたっていた。

 弁論に先立ち、弟子の代理人に就いた駒場弁護士から準備書面が提出されていた。代理人選任前の答弁書で弟子は「(集団)ストーカー」という文言の「男女間」の問題に限定した法的位置付けに基づき、原告らをそう呼んだからといって名誉毀損は成立しない旨の主張をしていた。ところが、駒場弁護士が提出した準備書面の内容は千葉も私もまったく予想していないものだった。

 駒場弁護士は「被告が原告らの名誉を毀損したとして原告らが提出した証拠(甲第1号証)は『魚拓』といわれるものである」として次のように主張していた。なお原告らは第1回口頭弁論で、甲1が魚拓から出力したものであることを認めている。



(駒場弁護士の主張1)

「ウェブ魚拓」とは、……記事内容を保存していれば、……元のページが消えたとしてもウェブ魚拓のキャッシュから当時の記事を見ることができる。またこの機能は、……だれでも利用することが可能である。

 被告は、原告らが名誉毀損であるとして訴えを起こしてきた当該ウェブサイトの記事について掲載した日から3日以内にすべて削除している。

 当該ウェブ魚拓は被告により作成または公開されているものではなく、被告のウェブサイト記事を閲覧した第三者が作成・公開しているものであり、被告の作成したウェブサイト記事とは全く別物と言える。



 魚拓が本件記事と内容的に「全く別物」といっていいのかどうかはともかく、それ以外の主張には反論の余地はない。だがこの弁護士は、魚拓が元記事とは別物だからどうだといっているのか。ここから先の主張にはかなり違和感があった。駒場弁護士は「魚拓は被告の意思で削除したりすることはできない」として次のように主張していた。



(駒場弁護士の主張2)

 被告は原告らが記事を出力した9月12日以前に記事を削除している以上、……原告ら(は)……このウェブ魚拓によって記事を作成・公開した第三者を被告とすべきである。



 弟子の代理人弁護士は、「訴えるなら魚拓を公開した者を訴えろ」といっているのだった。つまり原告らが記事を出力した時点では、被告の記事は削除されていたのだから、その時点で原告らの名誉を毀損したとすれば、それは魚拓の記事であると主張しているようでもある。だから魚拓を作成した者を訴えろと。

 しかしもちろん、原告らは魚拓を記事としてではなく、削除されるかもしれない記事を証拠として保全したものと認識している。すなわち、魚拓として保存された記事が過去に確かに存在し、不特定多数が閲覧可能な状態にあったという事実の証拠としてである。

 また私が魚拓を出力した際に弟子がすでに記事を削除していたからといって、記事が最初から存在しなかったことにはならない。したがって、弟子を訴えるのは筋違いだという弁護士の主張は成立しないのではあるまいか。いずれにしても第2回口頭弁論が始まるまで、千葉と私はこの代理人の主張には反論しなければならないと考えていた。

準備書面の取り扱い

 開廷後、裁判長は最初に弟子の代理人が提出した準備書面に触れてこう述べた。

「被告代理人から準備書面が提出されていますが、本件とは関係がないと思いますので、不陳述としたいと思います」

 準備書面の主張が陳述扱いとなれば、採用不採用は別にして一応、考慮の対象となる。不陳述とは考慮の対象とはしないということのようだった。

 その理由は「本件とは関係がないと思う」という裁判官の言葉から推測できよう。弟子の代理人が陳述書で主張していたのは、「提訴の対象は弟子ではなく魚拓を保存した第三者だ」ということである。これに対して裁判官もまた、代理人の主張する第三者は関係ないと判断したということと理解できた。

「不陳述とする」という裁判官に対し、代理人はいっさい反論しなかった。この裁判官の判断によって確認されたのは、本件の争点は、弟子が千葉と私を「集団ストーカー」などと記載したことが名誉毀損にあたるかどうかをめぐるものであるということだった。

和解条項に違反

 その上で裁判官は双方に対し、本件を和解協議で解決したい意向を伝えるとともに意見を求めた。千葉には和解自体に異論はなかったが、それまで裁判官に対して主張していない事実があった。

 平成20年9月1日、「行動する保守」Aや在特会の桜井誠など「行動する保守」の主要メンバーが東村山に集結して街宣を行った際、千葉を誹謗中傷するプラカードが掲げられた。その後「行動する保守」Aはそのプラカードの写真などを複数回にわたってブログに掲載したため、千葉は「行動する保守」Aとその弟子を提訴した。

 裁判は和解で終結をみたが、和解条項には「行動する保守」Aらが10万円を支払うことのほかに〈原告と被告らは、今後、相互に誹謗中傷しないことを確約する。〉という文言があった。裁判官から発言を許された千葉は、「集団ストーカー」と呼ばれたことが名誉毀損であるだけでなく、弟子による本件記事は上記和解条項にも違反していると主張したのである。

 こうして第2回口頭弁論は終了し、和解協議へと移った。しかし、和解条項違反の話が初めて出てきたこともあって、成立は次回以降に持ち越しとなった。次回協議は3月2日に行われる予定である。

(つづく)
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