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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』を読む(平成27年第185号-その1)
「選挙対策号」

 東村山市議会平成27年3月定例会は同年3月26日、閉会した。3月議会で「草の根市民クラブ」の矢野穂積は数人の議員に対して市議会議員としてふさわしくないかのような質問を繰り返したものだった。4月26日に執行される4年に1度の東村山市議選を視野に入れた側面もあるようにみえた。

 その矢野と朝木直子が市議選前になると必ず発行するのが政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』である。今年も3月議会閉会前に3月15日付第185号をいち早く発行し、市内の一部に無料配布された。その後も配布活動が続けられている。

 B4二つ折4ページからなるビラの第4面(1ページはB5)には〈市川房枝、朝木明代議員を受け継いで〉と題して「草の根市民クラブ」の基本的スタンスなどを1ページを割いて記載しており、矢野穂積の顔写真がB5の約4分の1の大きさで掲載されている。写真の周囲には履歴とともに「矢野の担当地域」として東村山市内の大半の町名が示されている。

 これは『東村山市民新聞』「矢野穂積版」で、その他の地域には顔写真のページを朝木の写真に差し替えた「朝木直子版」が配布されている。ビラ第185号は東村山市議選のための「選挙対策号」でもあるということである。 

 もちろん選挙を意識したビラを配布するのは彼らだけではない。ただ通常の候補者が配布するビラは自らの政策などを有権者にアピールしているだけなのに対し、矢野と朝木のビラが特異なのは他の議員など個人に対する誹謗中傷が掲載されていることである。

 他人を貶めれば相対的に彼らの優位性を強調することになるから、通常の選挙用ビラよりも効果があると考えているのかもしれない。かつては現職市議すべてを顔写真付きで取り上げ、勝手な「採点」(誹謗中傷や揶揄を含む)をしていたものだった。

 なお私の知る限り、ビラはいつも東村山市議会3月定例会の最終日より前に配布が始まっている。矢野は今年も3月議会の開会中に選挙対策活動を始めたということになろうか。

予算委員会での発言を自ら否定

 選挙対策用『東村山市民新聞』第185号が批判(誹謗中傷を含む)の対象としているのは行政(市長)、与党である自民党議員、公明党議員から野党の佐藤真和、生活者ネットにまで及んでいる。それに対して、共産党とつい最近まで会派を組んでいた民主党の奥谷浩一などについては言及がない。

 その中で、平成26年12月に発行したビラ第184号および今年3月議会の予算委員会で主張したテーマを継続し、より具体的に主張している記事がある。3月の予算委員会では誰のことをいっているのか名指ししなかった、ある自民党市議の生活の本拠に関する主張である。

 3月議会で矢野は「生活の本拠」についてこう述べていた。

「住居、職業、生計を一にする配偶者その他の親族の生活、資産の所在等が、客観的事実に基づいて、そこに一緒に住んでいるということになんなきゃいけない」

 矢野が問題視する自民党市議はそれまで隣市に家族とともに住んでいたが、前回市議選の3カ月前に単身東村山に引っ越してきたという。矢野はこの議員の東村山における住所は生活の本拠とはいえず、被選挙権はないと主張している。3月の予算委員会でこの議員の生活実体が東村山にないとする根拠について、「判例ではこうなっている」として述べたのが上記の主張だった。矢野の主張によれば、判例では「住居、職業、生計を一にする配偶者その他の親族が一緒に住んでいなければならない」となっているように聞こえよう。

 このような判例が存在するのなら、矢野が問題とする議員は確かに東村山の被選挙権がないということになるのかもしれない。それは本当だろうか。この点について矢野は、予算委員会における主張をビラ185号でより具体的かつ詳細に述べている。矢野は裁判所が認定する「生活の本拠」についての判例として次のように記載している。

〈住居、職業、生計を一にする配偶者その他の親族の存否、資産の所在等の客観的事実に、居住者の言動等により外部から客観的に認識することができる居住者の居住意思を総合して判断するのが相当で……、その者が間断なく居住することを要するものではなく、……〉

 この判決のどこに「(生活の本拠は)住居、職業、生計を一にする配偶者その他の親族が一緒に住んでいなければならない」と書いてあるのだろうか。判決はその者の「生活の本拠」を認定するにあたり「配偶者その他の親族の存否……等の客間的事実に、居住者の言動等により……」総合的に判断するのが相当といっているのであり、「親族が一緒に住んでいるかどうか」もまた判断の一要素といっていると理解すべなのではあるまいか。むしろ私にはこの記載によって矢野は予算委員会における自分自身の主張を否定しているように思える。

強引な結論

 矢野はこの判決の紹介に続いて、当該市議が〈自分名義の一戸建て住宅(資産)を有していることから、生活の本拠は東大和市である可能性が非常に高い〉と結論付ける。矢野がこう結論付けるに際して、この判例をどう理解したのかはわからない。しかし断定まではしていないところをみると、矢野も実際には裁判所が「住居、職業、生計を一にする配偶者その他の親族が一緒に住んでいなければならない」といっていると理解しているわけではないらしいことがうかがえる。すると、予算委員会における上記発言ははったりだったということになろうか。

 もちろん、矢野が「生活の本拠が東村山にはない」とする根拠としてここで加える「資産」の存在も、矢野が引用する判例によれば、「生活の本拠」がどこにあるかを判断するための一要素にすぎない。したがって、「家族の居住」と「資産」の存在から「生活の本拠は東大和市である可能性が非常に高い」とする結論も、そう決めつけるにはやや根拠に乏しいように思えてならない。

(つづく)
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