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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』を読む(平成27年第185号-その2)
改めて佐藤を誹謗

 ビラ185号で市議の「生活の本拠」をめぐり自民党市議をひとしきり批判すると、矢野の矛先は案の定、もう1人の市議に対しても向けられた。予算委員会では氏名を特定はしなかったものの〈越境通勤市議〉を〈前にやった人〉として誹謗した市議である。矢野はビラ185号でその市議を佐藤真和と名指しした上、裁判所が〈「越境通勤市議」と言われても仕方がないという判断を示した〉などと記載している。

 これでは、誰の目から見ても佐藤がそういわれても「仕方がない」と裁判所が判断したかのように読める。どうかすると、裁判所が佐藤について「越境通勤市議」であると認定したとも受け取られかねない表現であるとさえいえよう。

 矢野と朝木は平成18年から19年にかけて、「東村山市民新聞」、ウェブ版「東村山市民新聞」、ミニFM放送「多摩レイクサイドFM」において、佐藤に対して「越境通勤市議」「詐欺登録罪」「詐欺投票罪」などとする宣伝を繰り広げた。彼らが佐藤に対して「越境通勤市議」などと宣伝したことについて、東京地裁は実際にはどう判断したのか。改めて判決文を紹介しておこう。

 東京地裁は上記の佐藤に対する表現は〈いずれも現職の東村山市議会議員である原告(筆者注=佐藤)の社会的な評価を低下させるものであることは明らか〉とした上で、これらの表現の真実性について次のように述べている。



(「越境通勤市議」などとする表現に対する東京地裁の判断=真実性判断)

 原告の生活の本拠が東村山市内になかったことは、被告矢野及び被告朝木が表明した意見ないし論評の前提となる事実の重要な部分であるところ、これを認めるに足りる証拠はないから、被告らの行為が違法性を欠くということはできない。



 東京地裁はこう述べて、「佐藤の生活の本拠は東村山市内にはなかった」とする矢野らの主張を否定したのである。

 ただ東京地裁は、矢野と朝木が「そう信じたことについては相当の理由があった」と認定し、不法行為責任を否定した。矢野がビラ185号で〈(裁判所は)「越境通勤市議」と言われても仕方がないという判断を示した〉と書いた根拠はわずかに、彼らがそう信じたことはやむを得なかったと認められた点にしかない。

 ところがビラにおける〈「越境通勤市議」と言われても仕方がないという判断を示した〉とする矢野の表現には、「矢野と朝木がそう信じたことに限って」という限定はいっさい記載していない。したがってこの表現は、普通の読者の読み方からすれば、裁判所があたかも、佐藤は誰から「越境通勤市議」といわれても仕方がないと判断したかのように読めるだろう。

 その上ビラ185号では、〈「越境通勤市議」と言われても仕方がないという判断を示した〉に続き、〈(佐藤は提訴したことで自ら)墓穴を掘る結果となりました。〉と記載している。「自ら墓穴を掘る」とは、自分を有利にするためにした行動によってかえって自分をますます不利な状況に追い込むことである。すると、矢野の記事を総合すると、「佐藤は『越境通勤市議』ではない」と主張するために矢野を提訴したが、逆に裁判所からそう認定されてしまった」という趣旨であるということになろう。

 しかし裁判所は、〈これ(筆者注=「佐藤が『越境通勤市議』であるという事実」)を認めるに足りる証拠はない〉と認定しているのである。したがってビラ185号における佐藤に関する記事は、佐藤に対するきわめて悪質なデマ宣伝といわれても仕方があるまい。

公的機関がすでに5度否定

 佐藤に対する「越境通勤市議」とする矢野の主張が否定されたのは、佐藤が提訴した上記の裁判だけではない。この裁判以前に、矢野と朝木は「佐藤の生活の本拠は東村山市内にはなかった」と主張し、東京都選管に対して佐藤の当選(平成19年に行われた東村山市議選)は無効であるとして異議申出を行ったが、東京都選管はこれを棄却(それ以前に東村山市選管も棄却)した。矢野らはさらに平成19年11月11日、これを不服として東京高裁に提訴したものの東京高裁は棄却し、最高裁も彼らの上告を受理しない決定を行っている。

 佐藤に対しても、矢野と朝木はかつて彼らが引き起こした議席譲渡事件で市民から追及されたとおりの手順で追及したことになる。しかし、いずれも矢野と朝木の主張を否定した。矢野と朝木による「佐藤の生活の本拠は東村山にはない」とする主張は、佐藤が提訴した裁判を含めて5度、公的機関によって否定されているのである。ビラ185号に記載された佐藤に対する記載がいかに根拠のないデマであるかがよくわかろう。

 佐藤が名誉を毀損されたとして提訴した「越境通勤市議」などの表現は、東京都選管や東京高裁などがその事実を認めない判決(裁決)を下す以前になされたものである。したがって、佐藤が提訴した裁判で東京地裁が、矢野らがそう信じたことについては相当の理由があったとして不法行為の成立を認めなかったこともやむを得ないのかもしれない。しかし、佐藤が東村山に生活の本拠があることを認めた5件の認定よりも後、なおも佐藤を「越境通勤市議」と呼ぶことに相当の理由があるといえるだろうか。

 しかもビラで「佐藤は提訴によって『墓穴を掘った』」とまで書き、裁判所が矢野らの主張を認めたかのように主張するに至っては、きわめて悪質なデマ宣伝というほかない。

(つづく)
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