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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』を読む(平成27年第185号-その7)
不正を認めたかのように記載

「草の根市民クラブ」の矢野穂積は東村山市議会平成25年3月定例会において、市議会議員の子弟が市職員に採用されたことについて「情実採用」であると主張した。「情実採用」とは、正規の合格基準を満たしていないにもかかわらず「市議の子弟だから」という理由で採用された、つまり「不正採用」ということである。

 ビラ185号ではこの件について、当該市議は矢野の批判に対して「職業選択の自由」だと開き直ったかのように記載している。念のため、あらためて矢野の記載を再確認しておこう。矢野は以下のように記載している。



(ビラ185号における記載)

 熊木としみ氏は、自分が市議会議長当時、自分の娘を市の職員に採用させたが、これを指摘されると「職業選択の自由」だから問題ないと、開きなおった。



 これではあたかも、熊木が市議会議長の立場を利用して自分の娘を採用するよう働きかけたかのようである。さらにそれを矢野から指摘されると、熊木は「情実採用」の事実を認めた上で開き直ったかのように聞こえよう。そんな事実があったのだろうか。

 熊木の口から「職業選択の自由」という発言があったことは事実だった。「情実採用」とする矢野の執拗な非難に対して熊木は東村山市議会平成25年12月定例会の一般質問で「うちの娘の話になります」と前置きし、次のように述べた。


 
(東村山市議会平成25年12月定例会における熊木の発言)

  大学を卒業して数年企業で働き、キャリアアップということで、……自分で勉強して受けたんだろうと。試験を受けた結果、……元の企業も含めて選んだのが、たまたま東村山市であったということでございます。

 ややこしい議員がいるからやめておけという忠告もさせていただきました……が、本人が選んだというのが事実で、……おじいさんの姿を見てなのか……東村山で育ったから東村山で働きたいという気持ちでいっぱいなんだろうと思っております。職員、行政の方々のご子息であれ、議員の子息であれ、選んだ仕事、職業の選択の自由というのはあると思っております。



 これが、矢野がビラ185号で「熊木は情実採用であるにもかかわらず『職業選択の自由』だから開きなおった」とする発言がされた場面である。これをどう解釈しても、「情実採用」の事実を認めた上での発言とは思えない。熊木は親の職業に関係なく誰にでも市の職員を目指すことができると述べただけで、「情実採用」の事実を認めて開き直ったわけではないことは明らかである。

 熊木が「職業選択の自由」と発言したことについて矢野は、直後に発行したビラ180号(平成25年12月20日付)で〈(そういえるには)試験の制度にこれらのコネが合否に関係しない制度の確立していることが必要ですが、東村山市役所には問題がありすぎます。〉と反論している。しかし、どんな問題があったかについてはいっこうに明らかにしない。

 職員採用試験において関係者の子弟を優遇するような不公正が明るみに出ていれば東村山市役所を根底から揺さぶる大事件となっただろう。しかしもちろん、「情実採用」と騒いだのは矢野と朝木だけだった。

市長の関与も匂わせる

 熊木が本会議でこの発言をする2日前、矢野は一般質問で、「市長側」が熊木に対して「1次試験だけは点数を取っておくようにと助言したという話が伝わっている」などと、あたかも市長が熊木の娘さんの採用にあたって便宜をはかったかのように匂わせる発言をしている。熊木はこの発言に対する反論も行った。



筆者注=「市長側から、1次の筆記試験だけは点数をとっておくようにとの助言まであったという話が伝わっている」という発言に対し)私側から聞いたのであるとすると、私は「1次試験はみっともない点は取るな」といった覚えがあります。これは試験を受ける親の気持ちとして皆さんもおわかりになるんじゃないかと思います。



 万が一、矢野が主張するように、市長が便宜をはかったというのが事実なら追及されてもやむを得ない。しかし、この一般質問から2年半になろうとしている現在に至ってもなお、矢野は「市長が便宜をはかった」とする具体的裏付けは公表していない。

「市長側」とは誰のことかもわからない。あるいは裏付けがないために「市長」と名指しすることを避け、「市長側」とぼかした可能性もあろう。こう考えると、やはり矢野が一般質問で述べた話は裏付けの取れない「伝聞」にすぎないと判断せざるを得ない(仮に熊木が娘さんにいった言葉を、「市長側」の言葉にすり替えたとすればより悪質である)。

矢野が掲載しなかった部分

 なおここまでの発言は、矢野がビラ180号で〈熊木前議長が本会議場で「言い訳」〉の見出しで掲載している。しかし熊木が最後に述べた次の発言だけは掲載しなかった。



 ……いつもにこにこ明るい子として育ててきた彼女でございます。そんな彼女から笑顔を奪うことはやめてほしいと、この場をもっていわせていただきます。



 傍聴席から聞くかぎり、熊木の発言に嘘があるようには私には思えなかった。

 東村山市役所の職員採用について「情実採用」がはびこっているとすれば、そのような採用は取り消されてもやむを得ないのかもしれない。しかしそのような事実が存在しないのなら、矢野の一連の非難は議員だけでなく、市職員を志望した若者の気持ちをもいたずらに傷つけるものとなる。熊木の最後の発言を掲載しなかったのは、矢野もそのことを直感し、かえってマイナスになると判断したからなのではあるまいか。

 ビラ185号の〈職業選択の自由?〉と題する記事までにはこのような経緯があった。「情実採用」があったとする矢野の主張にはかなり無理があるとみるのが常識的な判断というべきではあるまいか。

(了)
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