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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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公選法と『東村山市民新聞』
 東京地検特捜部は平成27年1月15日、選挙区内で有権者にうちわを無料で配ったとして公職選挙法違反(寄付行為)容疑で告発された松島みどり前法相を不起訴処分(容疑不十分)とした。

 東京地検は①うちわについては有価物と認定し、配布は寄付行為であると認定した。しかし、②うちわには作成者として松島が代表を務める自民党支部名が記載されており、寄付行為をしたのは同支部で松島前法相本人ではないと認定。③政党支部が有価物を配っても、代表者や担当者を処罰するには特定の選挙目的であることを立証する必要があるが、本件の場合には特定の選挙を目的にしたものと断定できなかった。

 ――この結果、東京地検は不起訴の判断を下した。言い換えれば、上記①~③の要件を満たす場合には公選法違反が成立してもおかしくないということになろうか。

1カ月前からポスティング

 先の東村山市議選で当選した「草の根市民クラブ」の矢野穂積と朝木直子が発行する『東村山市民新聞』第185号が東村山市内の各戸にポスティングされたのは市議選告示の約1カ月前、平成27年3月25日以降である。同日以後、同ビラは数日間にわたり、市内各所でポスティングされた。

 『東村山市民新聞』の題字の下には〈定期購読料1部150円〉と明記されている。『東村山市民新聞』は有価物であることを発行人自身が認めているということである。さらに、郵便受けに同紙が入っているのを認めた市民はすべて、同紙が勝手にポスティングされたものであり、代金を支払ったものではないことを証言している。

 これらの事実は、有価物である『東村山市民新聞』が有権者に対して無料で配布されたということと理解することができる。松島前法相のケースに比較すると、『東村山市民新聞』の無料配布もまた「寄付行為」に該当するといえるのではあるまいか。

発行と配布をしたのは誰か

 さて、ここまでは松島前法相のケースに重なるが、それから先はどうなのだろうか。前法相のケースでは、うちわの作成者は本人ではなく政党支部で、寄付行為をしたのも本人ではないと認定された。『東村山市民新聞』の場合はどうだろうか。

『東村山市民新聞』第185号には通常の号と異なり、「発行人」を記載しているものと「編集長」しか記載していないものの2種類が存在している。前者には〈市民新聞発行人・矢野ほづみの略歴〉として矢野の略歴を記載するとともにB5の紙面の4分の1近い大きさで矢野の顔写真が掲載されている。その写真は、選挙用ポスターで使用したのと同一のものである。

 この記載から、『東村山市民新聞』の発行人が矢野であることは疑いようのない事実である。よって、実際にポスティングしたのが誰であるかは別にして、配布の意思決定をし、配布を命じ、あるいは依頼したのもまた矢野であると判断できよう。

 一方「編集長」しか記載していないもう1種類の『東村山市民新聞』とは、矢野の顔写真を掲載した箇所をそっくり朝木直子のものに入れ替えた「朝木直子版」である。「矢野版」と同じく朝木の顔写真も選挙用ポスターと同一のもので〈市民新聞編集長・朝木直子の略歴〉と記載されている。

 一般に「編集長」は発行の責任を負う「発行人」とは立場が異なる。しかし『東村山市民新聞』の場合には、発行に関与しているのは矢野と朝木以外にはおらず、発行費用も月に15万円ずつを折半している点からみても、発行に関する責任は対等の関係にあるようにみえる。したがって、朝木が「発行人」ではなく「編集長」だからといって、配布の責任は負わないというのも無理があるのではあるまいか。

 いずれにしても、『東村山市民新聞』を発行したのは矢野と朝木であり、彼ら以外の第三者である可能性はない。

 ここまでみる限り、東村山市議である矢野、朝木が1部150円の『東村山市民新聞』を有権者に無料で配布したことは「寄付行為」を禁じた公選法に抵触する可能性があるように思える。

実質的な「投票地区割り」

 では「目的たる選挙が特定できるかどうか」についてはどうだろうか。ここ数年、『東村山市民新聞』は3月、6月、9月、12月に開催される東村山市議会の各定例会終了後の年4回発行というのが通例となっている。第185号の前号にあたる第184号が発行されたのは平成26年12月15日だが、184号の紙面構成にいつもと特段に異なるところはない。

 ところが東村山市議選の直前に発行された第185号では、3面に〈矢野穂積さん、朝木直子さんを応援します〉と題する反創価学会ジャーナリスト乙骨正生の署名記事が掲載され、4面には〈市川房枝、朝木明代議員を受け継いで〉と題して2人の政治的スタンスを表明するとともに、彼らの写真をそれぞれ掲載した「矢野版」「朝木版」を発行している。

 わざわざ2種類の『東村山市民新聞』を発行した理由は何なのか。「矢野版」には矢野の「担当地域」として「多摩湖町、野口町、廻田町、美住町、富士見町、萩山町、栄町、恩多町、本町」と東村山市内の9つの町名が記載され、「朝木版」には「担当地域」として「諏訪町、青葉町、久米川町、秋津町」の4つの町名が記載されている。東村山市議にはそもそも「担当地域」などない。したがって彼らがいう「担当地域」とは、「草の根市民クラブ」の支持者のうち、「矢野版」に記載された町の有権者は矢野に、「朝木版」に記載された町の有権者は朝木に投票するよう呼びかけているとみるのが自然である。

 それぞれ町名が記載された地域に配布されたのだろう。これが2種類に分けた理由なのではないか。

「矢野版」と「朝木版」の2種類が発行されていること、また配布された時期だけでなく、『東村山市民新聞』第185号には〈市議会が任期を残すところ約1カ月となり、事実上の選挙戦が行われているが、……公選法で禁止されている寄付行為などが横行している。〉など、市議選が迫っていることを示す表現がみられる。この点からみても、彼らが目前に迫った東村山市議選を想定して『東村山市民新聞』第185号を発行したことは明らかである。

 つまり『東村山市民新聞』第185号は特定の選挙を目的としたものであるといえる。こうみてくると、『東村山市民新聞』第185号を配布したことは公選法に抵触するのではないか--との疑念を抱いたとしても、合理的根拠がないとはいえないのではあるまいか。

 報道によれば、静岡では、告示前に運動員にビラを配布させるなどして報酬を支払ったとして静岡市議らが公選法違反容疑(日当買収、事前運動)で逮捕された。告示前にポスティングされた『東村山市民新聞』はどんな形で配布されたのだろうか。

(了)
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