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著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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右翼が再開した「東村山デマ」街宣 その11
コメントを寄せた「仲間」

 さて、教授が記事を掲載して2日後、1本だけコメントが寄せられた。「天目石要一郎」の署名がある。本人なら、さきの武蔵村山市議選で当選した武蔵村山市議のようである。

 この市議はコメントで、『東村山の闇』と違って「Ⅱ」が自費出版になった事情について〈大手出版社が手を引いてしまったので〉と内情を明かしている。「Ⅱ」の内容は当然、朝木明代の転落死は「万引きを苦にした自殺」であるとする捜査機関の結論を覆そうとするものと思うが、出版社は「手を引いた」ということらしい。結果としてきわめて賢明な判断というべきだろう。

 出版社が「手を引いた」理由について市議は〈大手出版社がトラブルを恐れて、二の足を踏んだ〉と説明している。さらにコメントで、「Ⅱ」では〈矢野穂積市議を襲撃暴行した狂信的創価学会員の名前を……実名〉で記載していると紹介し、〈中々興味深い〉などと述べているが、この部分だけでもまさに「トラブル」が起きてもなんら不思議がないのではないかと思われた。

公的機関が否定した事件

 矢野が「襲撃暴行された」と主張している事件とは、平成7年7月16日に少年から襲われたとする事件のことだろう。確かに『東村山の闇』では実名を伏せている。しかし市議によれば、「Ⅱ」では実名を公表しているという。

 矢野が「襲撃された」と主張している事件で、矢野は1人の少年を「犯人」であるとして東村山警察署に突き出した。しかし東村山署が捜査を尽くした結果、この少年は事件とは無関係であるだけでなく、矢野とは一面識もなかったことが判明している。この結果、警察はこの少年は無実であると断定した(=少年冤罪事件)。つまり、少なくとも少年に関する矢野の主張には根拠がないと判断されたわけである。

 ところが矢野はその後、この少年に対して損害賠償を求めて民事で提訴した。しかし裁判所もまた少年が矢野を暴行した事実はないと判断し、矢野の請求を棄却している。一審の東京地裁八王子支部が判決で、〈仮にも公職にある者がこの曖昧な記憶に基づき、しかも司法警察職員による捜査がなされながら刑事訴追の手続きが執られていない被告を名指しで犯人であると断定している点において極めて特異であるといわねばならない。〉と強い口調で矢野を批判したことは、この提訴の異常さをうかがわせた。

 矢野は「Ⅱ」でその少年の実名をそのまま記載したということだろうか。それが事実なら、矢野は刑事でも民事でも無関係と認定された少年をいまだに犯人扱いした上、少年の実名を記載したとすれば、これは重大な人権侵害にほかなるまい。提訴されれば、代理人には防御方法がみつからないのではないか。

「人権侵害」に加担

 この市議は、少年について実名がさらされていて「興味深い」などとコメントしているが、実名が記載されているのが事実なら、公人として軽率のそしりを免れないのではあるまいか。なぜならこれは、矢野が「暴行犯」と主張する人物の氏名を広めることに協力したということにほかならない。自分でその証拠を掴んだというのなら別だが、そうでなければ公的機関が無関係と認定した人物の実名を広めるような行為に協力すべきではあるまい。公人なら、なおさらである。

 また市議は少年について〈狂信的創価学会員〉とも記載している。しかし判決では、少年と創価学会の関係さえも否定されている。創価学会と無関係の少年が「狂信的」な会員である道理もない。

 控訴審では、矢野の代理人は控訴理由書を提出することができなかった。代理人も少年を犯人と断定することができないことがわかっていたのである。それ以上に、少年を「犯人」と断定して裁判を継続すること自体が少年の人権を侵害するものであると感じていたのではあるまいか。

 この直後、矢野はこの弁護士を解任した。この事実こそ、少年の犯人性をめぐる矢野と代理人の深刻な対立を示していよう。当然、裁判はただちに結審となり、東京高裁も矢野の請求を棄却し、矢野の敗訴が確定している。

 この市議とて、少年が刑事でも民事でも無関係と認定された事実を知っていれば、矢野が今も「犯人」と断定し、実名をさらしたことを無責任に「興味深い」などと囃し立てることはできないのではあるまいか。

「行動する保守」Aとも浅からぬ関係

 この市会議員は、「行動する保守」Aが東村山で街宣を行った際に応援に駆けつけていた。「行動する保守」Aが「内部告発」について「伝聞の伝聞」であることを自白したこと、仲間の「行動する保守」を次々に被告席に座らせ、見殺しにしたことを知らなかったのか。あるいはそれを知っていてもなお、この口舌の徒を信頼しているのだろうか。少なくともこの人物もまた、「朝木明代は殺された」とする矢野のデマを事実と信じて疑っていないことは確かなようだった。

 矢野のデマを信用するということは明代の万引きを否定するということである。この市議は、矢野のデマを信用することは万引き被害者の申告を虚偽と決め付けることにほかならないことも当然、理解しているのだろう。

「行動する保守」Aの締まらない街宣が終了したあと、市議は「行動する保守」Aに教授を取り次いだ宗教団体関係者とおぼしき人物と2人で連れ立ち、姿を消した。その後も含め、2人の関係については知る由もない。

 しかしこの市議もまた、矢野のデマに加担し、その結果、無実の市民に汚名をなすりつけようとする勢力の一員とみなして差し支えあるまい。コメントによって市議はあらためて、公人でありながらデマを称揚し、それによって市民を誹謗中傷することも辞さない者であることを自ら認めたに等しかった。

 ところで、矢野の「自費出版」を紹介するのはいいが、「行動する保守」Aがあれほど持ち上げた教授による「暴力団員による拉致・殺害説」の究明はどうなったのだろうか。「創価学会側の担当者」まで特定されているというのに続報も出ないようでは、「この話もまた『内部告発』並みの与太話だった」と評価されかねない。 

(つづく)
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