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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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東村山市議会傍聴記(平成27年6月--その2)
転んでいた年配者

 矢野の「体調不良」の度合いをうかがわせる出来事があったのは、一般質問の2日目が行われた6月8日午前9時30分ごろである。

 東村山は南北に府中街道が通っており、東村山駅東口から市役所まで府中街道を通れば徒歩15分程度の距離にある。東村山駅から市役所に向かうと、そのすぐ手前に警視庁東村山署がある。かつて矢野と親密な関係にあった朝木直子の母親、「草の根市民クラブ」の朝木明代が平成7年6月19日に洋品店で万引きをし、取り調べを受けたのはここ東村山署だった。ちょうど20年前の今ごろである。

 一般質問の開始時刻は午前10時である。ある東村山市議が議会に出席するために自転車で府中街道を東村山駅方向から市役所へと向かっていた。すると東村山署の手前に差しかかったあたりの左側歩道の脇で、しゃがみ込んでいたのか、転んだのかはわからないが、両膝をついた状態から立ち上がろうとしている男がいた。男は立ち上がろうとしてまたつまずき、また転びそうになった。市議は男の状態が普通とは思えなかったので、自転車を降りて近づくと、男は矢野穂積だとわかった。

 市議が矢野に「大丈夫ですか」と声をかけると、矢野は「つまずいて転んだんだよ」と答えた。市議が「市役所までいっしょに行きましょうか?」と聞いたところ、矢野は「大丈夫」というので、市議は再び自転車に乗って市役所に向かった。市議は矢野の様子がただ転んだのではないように見えたから声をかけたのだという。その日、矢野は本会議が始まる前に議長に対して「体調が悪いので午後から早退させてほしい」旨の届けを出し、早退したのだった。

 普通の議員なら問題視するようなことではないが、体調不良で議会を休んでいた議員を非難していた矢野に限っては「体調不良」だろうが何だろうが、這ってでも議会に出なければならない。だから、体調不良を押して会議に出席したこと自体は評価もしよう。しかし残念ながら矢野は、現実には3月定例会に続き、6月定例会でも早退(欠席)してしまった。矢野は自分の言葉に対する責任を取るのだろうか。

 6月議会では1回の早退ですんだが、矢野の早退は3月に続いて2度目である。9月議会でも同じような欠席が続くようなら、矢野は自分自身の発言に対するけじめをつけねばなるまい。あるいは朝木ともども、別の「けじめ」を求められる可能性もあるのかもしれないが。

不可解な経路

 余談だが、矢野が転んだ日、矢野が東村山駅方向から徒歩で府中街道を通って市役所に向かっていたことが明らかである。矢野の自宅は市役所を挟んで東村山駅とはまったく逆の方向にある。つまり矢野が歩いていたのは、矢野が自宅から市役所に向かったのだとすれば、通常ではあり得ない経路だった。

 あるいはたまたまその日に限って東村山駅方向に行く用事があり、そこから市役所に向かったという可能性も考えられた。しかし翌日も、東村山駅方向から市役所に向かって歩く矢野が目撃されていたのである。その理由は定かではない。

不親切な慣例

 ところで6月8日午後、矢野がいなくなった議場の様子はどうだったのだろうか。この日も3月のときと同様、議長(午後からは公明党の副議長に交替していた)からは矢野の早退とその理由について議場内に向けて何のアナウンスもなく、名札も立ったままで、議席を見るかぎり「出席」しているのと同じ状態となっていた。

 このことについて議会事務局に聞くと、東村山市議会にはこんな慣例があるというのである。「終日欠席」の届けがあった場合には議長が開会前に議場内にアナウンスをする。しかし開会前に「早退」の届けがあり、午前中は本人が会議に出席し、午後に早退した場合には、そのことについて特に議場内にはアナウンスしない。だから、この日も副議長は議会事務局から矢野の不在について説明の必要はないといわれたという。議会事務局もまたこのまったく合理性のない慣例を継承してきたのだ。

 名札の扱いについては、事務局には特に何も感じていないようだった。6月議会の最終日、議長が閉会を告げると矢野は立ち上がるやいなや名札を倒していた。議場を退出する際には倒し、着席すれば立てるのが通常ではないのだろうか。名札の扱いについて東村山市議会にはどんな慣例があるのか知らないが、短時間の退出は別にして、早退を含めて欠席している議員の名札が立ったままというのは市民だけでなく他の議員にも誤解を招こう。

つれない返事

 さて、矢野に対しては確認しておきたいことがあった。武蔵村山市議のコメントで初めて明らかになった『東村山の闇2』に関してである。東村山中央図書館のサイトで検索すると『東村山の闇2――女性市議殺害事件20年目の真実』という書籍名が出てくる。『東村山の闇』の副題は「女性市議転落死事件」だった。つまり最初は「転落死事件」だったものが「殺害事件」へと変わったことになる。捜査機関は事件性を否定したが、矢野には「殺害事件」と断定する根拠があるということらしかった。

 それがどんな根拠によるというのか、20年間取材してきた者としては内容を読みたいと思うが、あいにく図書館は「貸出中」でいつ順番が回ってくるかわからない状態である。しかも「自費出版」ということだから、本を入手しようと思えば発行人に直接申し込むしかない。

 6月11日、矢野が委員を務める総務委員会が開かれた。3日前に早退した矢野も(一見)元気に出席していた。委員会終了後、控室前に矢野が戻ってきた。ちょうどいい機会なので、私は本のことを直接聞いてみることにした。以下は矢野とのやりとりである。



――本を売ってもらえない?

矢野  お前に売る本なんかない。

――せっかく出版したんなら、広く読んでもらわないと。

矢野  売る本なんかないんだよ。



 矢野は立ち止まることもなく、そう言い放つと控室の中に消えた。矢野は私に『東村山の闇2』を売ることを拒否したのである。武蔵村山市議や香川大学の教授には売っても、私には売れないとは、いったいどういう事情なのだろう。あるいは、その答えは『東村山の闇2』の中にあるのかもしれなかった。

(了)
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