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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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『聖教新聞』事件 第31回
 朝木明代の万引き事件をめぐり、明代が取り調べで主張した「レギュラーランチ」のアリバイは存在しないことが捜査の結果明らかとなり、明代は平成7年7月12日書類送検され、同年9月1日、東村山駅前のビルから飛び降り自殺を遂げた。ところが驚いたことに平成7年10月7日、東村山署の取り調べに臨んだ矢野は「食べたのは『レギュラーランチ』ではなく『日替わりランチ』だった」と主張を変えた。

 しかし、これに対して捜査官は当日の注文リストを矢野に示し、当日は「日替わり」も12時台にはすでに売り切れていて、彼らが行ったと主張する午後2時12分にはそれを注文することさえ不可能だったことを明らかにした。すると矢野は「ええっ? ウソっ!」と動揺を隠せず、ついには「そんなに早く(筆者注=売り切れていた12時台)行ったのかなあ」などと、それまで主張していたアリバイさえ自ら撤回してしまった。

 当初、その時間帯は矢野も明代もまだ総務委員会が開かれていた市役所6階にいたと供述していた。総務委員会がその時間まで開かれており、少なくとも矢野が総務委員として出席していたことは客観的事実である。したがって、12時台に彼らが「日替わりランチ」を注文し得ないことは矢野自身が客観的事実をもって裏付けていた。「そんなに早く行った」とすれば、矢野は自分自身の客観的事実をも否定することになる。あり得ない矛盾だった。

 リストを突きつけられて「日替わり」のアリバイまで否定された矢野の混乱ぶりが伝わってこよう。矢野はそれほど動転していたということである。捜査官から追い詰められた矢野はこうして、彼らのアリバイ主張がとうてい信用できないものであることを自ら明らかにしたのだった(前回まで)。

言い逃れを試みた明代

 では、万引きそのものの事実関係について矢野はどう主張していたのだろうか。その前にまず、万引き事件の事実関係を振り返っておこう。

 朝木明代による万引き事件が発生したのは平成7年6月19日午後3時15分ごろである。明代が店頭にやってきたことに気づいた店主は、以前にも明代が立ち去ったあと商品がなくなっていたことがあり、警戒していた。店主は選挙などで明代の顔を知っていた。「またやるんじゃないか」――そう思って見ていると、明代は再び店の外に吊るしてあったTシャツをハンガーから外すと、すばやく上着の下に隠してイトーヨーカドー方向に立ち去った。

 店主はただちにあとを追い、十数メートル先で追いつくと、明代を問い詰めた。明代は「知らないわよ」「いいがかりをつけないでよ」などとシラを切ったが、その場に盗んだTシャツを落としてイトーヨーカドーの中に逃げていった。明代はもともと、誰の目にも明らかな非を咎められても、簡単にそれを認めて謝るような性格ではなかったのだろう。

「娘」と勘違いした事情は?

 店主は店に客を残してきたことを思い出し、明代を追いかけることをあきらめて店に引き返した。店に戻ると、店にいた客を含めて3人の目撃者がいた。3人のうち2人は万引き犯が誰なのかは知らなかった。しかしそのうち1人、店にいた客だけは万引きした人物が「市議会議員でしょ」といい、「警察に言った方がいいわよ」と店主を励ました。店主はすぐに駅前交番に被害を届け出た。明代の自宅方向を指さしながら、「あそこの朝木にやられました」と説明したという。

「あそこの朝木に万引きされた」といわれた警察官はすぐに東村山署に無線連絡を入れた。どういう因縁か、東村山署では偶然にも、無線の聞こえる場所に副署長の千葉がいた。今から思えば、明代と矢野にとってその偶然こそ最大の不運だったのかもしれなかった。

「現職市議会議員による万引き事件」の発生を知った千葉は、ただちに署員を現場に急行させるよう指示した。この初動対応が、のちの矢野と明代による隠蔽工作をことごとく突き崩す捜査態勢と連携につながったような気がしてならない。

 ただその直後、本論とは関係ないが、それなりにきわめて興味深い出来事が起きていたことがわかった。上司から出動を命じられた警察官はイトーヨーカドーの店内を捜索したが、万引き犯(明代)を発見することはできなかった。それにはもっともであるとともに、意外な理由があった。警察官から説明を受けた店主によれば、その警察官は「朝木が万引き」と聞いてなぜか反射的に、万引きをしたのが明代ではなく明代の娘(直子か妹)だと思い込み、娘を探していたというのだった。

「朝木が万引き」と聞いた警察官がなぜ、明代ではなく娘だと思い込んでしまったのかは今も謎のままである。なにか警察官が不遜にもそう勘違いしてしまうような背景事情があったということなのだろうか。

目撃者が「万引き犯は市議会議員」と証言

 そんな勘違いはあったが、明代が洋品店で万引きをした事実はこんな状況で千葉の知るところとなった。

 店主が被害を届け出た時点で、店主は万引き犯が朝木明代であることを知っており、目撃者のうちの1人は万引き犯が「市議会議員」であることを知っていた。明代の取り調べの際、店主と目撃者3名は目の前で聴取を受けている人物と万引き事件の際に目撃した犯人が同一人物であることを確認し(筆者注=東村山署は被害者と目撃者による面通しを行った)、目撃者のうちの1人はそれが「市議会議員」であることを証言している。その目撃者はなんらかの事情で、朝木が「市議会議員」であることを知っていたのである。

 のちに矢野は裁判で、被害者に対して「犯人を追いかけたとき、『あなたは朝木さんですね』と確認したか」などと追及し、しきりに犯人と明代の同一性について信頼性がないのだと主張しようとした。しかし被害者が自信を持って「万引き犯は朝木明代」といっているだけでなく、目撃者の1人が「犯人は市議会議員」であるといい、その上で3人の目撃者が面通しで万引き犯と明代の同一性を証言しているのだから、万引き犯が朝木明代であるという事実は動かしようがないことは明らかだった。

(つづく)
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