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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『聖教新聞』事件 第39回
万引き被害者は明確に否定

 矢野の代理人からいきなり「再現画像」なるものを見せられ、本物の「静止画像」との違いを聞かれた千葉は「雰囲気としてはよく似ている」と答えた。もちろん「再現画像」と「静止画像」の同一性を認めたわけではないが、矢野は強引にそう主張した。

 千葉への尋問に先立ち、万引き被害者に対する尋問も行われている。矢野側はその際、次に尋問が予定されている千葉については法廷から退出させるよう裁判官に申し立てた。裁判長は矢野の申し立てを認めたため、千葉は法廷から退出した。矢野側代理人は万引き被害者に対しても「再現画像」なるものを示して尋問している。千葉を法廷から退出させたのは手の内を隠す意図だったと推測できた。

 さて、矢野代理人は被害者に対して、被害者の見た万引き犯の服装が「グリーングレーのパンツスーツでチャイナカラーのブラウス」をだったことを確認した上で、「再現画像」を提示した。その後の尋問をみよう。



(「再現画像」についての尋問)

(スーツに関して)

矢野代理人  あなたがいうその服装の特徴というのは、この写真(=「再現画像」)と比べてどうですか。

万引き被害者  ちょっと違うような気がします。

……

代理人  どこが違うの。

被害者  機械も違うし、この立っている人も違うような気がします。服装が違うような気がします。

……

代理人  あと、スーツは。

被害者  スーツ、スーツもなにか違うような気がします。

代理人 「なにか違う」というのは、どこが違うか、いえますか。

被害者  形が違うような気がします。

代理人 「形が違う」というのは、具体的にどの形が違うのか、いえますか。

被害者  全体的な雰囲気が違います。

(ブラウスに関して)

代理人  このブラウスの襟の特徴はどうですか。

被害者  ブラウスもなにか違うような気がしますけど。

代理人 「違うような気がする」というのは、どう違うか、いえますか。

被害者  このブラウスだと、襟が、こう、寝ている。フラットカラーのように寝ている雰囲気がしますので、私が見たのはスタンドカラーなので、ちょっと襟の雰囲気が違うと思います。



 被害者は代理人から被害者が見た万引き犯の服装を聞かれた直後、まず「あなたがいうその服装の特徴というのは、この写真と比べてどうですか」と聞かれている。したがって被害者は、警察で見せられた本物の「静止画像」ではなく、自分が直接見て、記憶している万引き犯の服装の特徴と目の前に示された「再現画像」とを比較して答えたものと推測できる。

 被害者は服装に関してはプロであり、色合いやデザインに対する認識はより鮮明である。だからスーツの色についても「グリーングレー」と、素人では浮かんでこない表現で微妙な色合いを説明している。被害者はその鮮明で詳細な記憶と比較して、「『再現画像』の服装は万引き犯の服装とは違う」と答えたということと理解できる。

 ここで代理人は、この「再現画像」が矢野によって同じキャッシュコーナーで「再現写真」として撮られたものであること、したがって撮影の角度や構図が本物の「静止画像」と同じであること、捜査機関に提出を求めたが拒否されたのでやむを得ず作成したものであること――などを説明した。「捜査機関が出さないから矢野が作成した」ということで、「再現画像」なるものが本物の「静止画像」に写った服装と同じであるかのような印象を与えようとしたのだろうか。代理人はその上で、あらためて被害者に、今度はこう聞いた。

代理人  ……(この「再現画像」は)あなたの記憶に残っている、あなたが見せられた写真の服装の特徴と違うんですね。

 被害者は、それでも「はい、違います」と明確に答えた。被害者は本物の「静止画像」について、その服装は自分が実際に見た万引き犯=明代の服装と一致しているものとして記憶している。しかし目の前にある「再現画像」は自分が見た犯人の服装とは異なる。だから、「静止画像」とは違うと答えたのである。

まったくブレのない証言

 矢野と朝木が苦労して作成した「再現画像」は、このままでは被害者からただ「違う」と否定されるために提出したも同然である。少なくとも、このままでは何の収穫もないのは明らかだった。

 そこで代理人は矢野の主張をそのまま採用することで被害者を動揺させようと試みたようにみえた。「矢野の主張」とは「『再現画像』は東京地検で見た画像の記憶に基づいて作成したもので、『再現画像』のスーツは地検で見た画像のスーツと同一だ」という主張である。代理人としても、矢野らの「記憶するスーツ」なるものが本物のスーツと同一であるという客観的証拠などどこにもないことに気がついていないはずがない。

 しかし代理人は、この時点で、被害者に示した画像について「同じ場所、同じ構図で撮影されたものであること」「捜査記録にある静止画像の提出を求めたが応じないのでやむを得ず作成したもの」と説明し、あたかもそれが本物と同じであるかのように強調した。その上で、被害者に念を押すようにこう聞いた。

代理人  (「再現画像」の服装は)あなたの記憶に残っている、あなたが見せられた写真の服装の特徴と違うんですね。

 ここまで揺さぶられても被害者にはまったくブレず、明確にこう答えた。

被害者  はい、違います。

 現実に万引き犯の服装を目の前で見た被害者の記憶に鮮明に残っている明代のスーツと「再現画像」のスーツとでは、よほど大きな違いがあったということだろう。

 矢野は「再現画像」に写っているスーツには「裾の部分に紐が通してあり、絞れるようになっている」という顕著な特徴があると説明している。確かに矢野が提出した画像には裾の部分が絞ったように縮んでいる様子がうかがえる。しかし、被害者が見た万引き犯のスーツにはそんな特徴はない。矢野が際立った特徴のあるスーツを「再現画像」に採用したことが、かえって被害者に本物の「『静止画像』とは違う」という確信を持たせたのかもしれない。

(つづく)
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