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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

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『聖教新聞』事件 第54回
消え去ったコメント

「行動する保守」Aが「内部告発」という「伝聞の伝聞」を軽率にも真実と思い込み、東村山に乗り込んでくるまでに、矢野は当初「朝木が4人の男(あるいは創価学会員)にビルに連れ込まれるのを見た」とする情報があるとし(平成8年4月)、『怪死』が出版された平成8年5月の時点では「箱詰めにされて連れ込まれた」(『怪死』による)へとその内容を変遷させていた。『怪死』によれば、「箱詰めにされた」とする理由について矢野は、東村山署の捜査の結果、「はだしで歩いている朝木を見たという目撃証言がない」からだと主張していた。

 この論理がどれほど乱暴なものであるかはいうまでもないと思うが、乙骨は矢野のこの主張についてなんらの異議も差し挟んでいない。しかしいずれにしても、矢野は「朝木は4人の男に連れ込まれた」つまり「外部から朝木と確認できるかたちで拉致された」とする主張から、「外部からは確認できないかたちで拉致された」へと主張を180度変遷させたのである。「4人の男」の存在も、その主張からはもう消えてなくなっていた。

事情聴取を恐れた可能性

 この主張の変遷の中でとりわけ重要なのは、当初は存在した「4人の男」という「目撃情報」が消えてなくなっていることだろう。「4人の男に連れ込まれるのを見た」という「情報」には、理論上、その光景を見ていた「目撃者」が存在する。しかし「箱詰めにされた」というのはたんなる矢野の憶測にすぎない。「目撃情報」と「箱詰め説」との決定的な違いは「目撃者」の有無である。

 矢野が『週刊宝石』にこのコメントをしたのは平成8年4月であり、形式的には東京地検の結論が出ていない時期だった。矢野が東村山署から「箱詰め説」についてその根拠を聞かれても、「たんなる憶測だ」ですむ。しかし、矢野が「目撃者」から情報を得ていたということになれば、話が違ってこよう。「朝木は4人の男に連れ込まれた」という状況は刑事事件の捜査対象となり得る。そうなれば、矢野は当然、東村山署から事情を聴かれる可能性が生じることになる。

『週刊宝石』にコメントが掲載されたあとで、矢野はそのことに気づいたのだろう。実際に、同じ「情報」のタレ込みをした匿名の人物は、千葉から直接、疑問点について質問を受けた。同様に、矢野に対しても事情聴取の動きがあってもなんら不思議はない。

矢野は東村山署から「朝木は4人の男に連れ込まれた」という「情報」についてこと細かに聴かれてはまずいと考えた。だから乙骨の取材(『怪死』)には「4人の男に連れ込まれたという情報がある」とはコメントせず、憶測にすぎない「箱詰め説」に変更した――矢野の主張の変遷の背景にはこういう事情があったのではあるまいか。

本当の「情報提供者」

「朝木が4人の男に連れ込まれるのを見た」とする「情報」に関してその後、続報が途絶えた理由を矢野はいっさい説明しない。矢野がこの「情報」を引っ込めた事情が私の推理どおりとすれば、矢野はなぜこの「情報」について東村山署から聴かれることを忌避したのか。

 東村山署がまず聴きたいのは当然、矢野にその「情報」を提供したのが誰かということだろう。「目撃した」というのが事実なら、その「情報提供者」が矢野に身元を隠すことはあるまい。

 矢野が東村山署の聴取を恐れたということは、「情報」そのものだけでなく「情報提供者」について聴かれることを避けたかったということになるが、それはなぜか。矢野が「情報提供者」について答えられないということになれば、そんな「情報提供者」など最初から存在しないのではないかという疑いも当然出てこよう。

 東村山署(千葉)はすでに、矢野のコメント以前に同じ内容のタレ込みがあり、「どうして110番しなかったのか」「どうして犯人が創価学会員とわかったのか」と聞くと「ばかやろう」としか答えられなかった「目撃者」と称する人物が存在したことを確認している。しかしタレ込み自体の内容から、この人物が「目撃者」などではないことが明らかになっている。つまり、この情報は作り話だったということである。

作り話の作者

 次に生じる疑問は当然、この作り話の作者は誰なのかということになろうか。矢野が『週刊宝石』でコメントした「情報」は捏造が明らかになったタレ込みの内容に酷似している。タレ込みをしてきた男は、千葉に疑問点を追及されたとたん、疑問に答えるどころか「バカヤロー」と開き直り、千葉の質問にはいっさい回答しなかった。

 一方矢野は、『週刊宝石』でのコメントを最後にこの「情報」にはいっさい触れなくなった。矢野がこの「目撃情報」に触れなくなったのは、形式的にはまだ東京地検で捜査中という時期であり、東村山署から追及される可能性があることに気づき、それを恐れたからではないかと推測できる。

 詳細を聴かれて開き直った匿名の男と、詳細を聴かれるのを予見して触れなくなった(と推測できる)矢野の対応には詳細を答えないという共通点がある。また「朝木さんが4人の男に担がれて」とする「情報」の中身も酷似しており、「タレ込み」と「矢野のコメント」という2つの「情報」の出所が1つである可能性をうかがわせる。しかも、匿名の男と矢野のその後の対応をみる限り、「情報提供者」なるものは実在しない可能性がきわめて高い。

「情報提供者」が存在しないとすれば、「情報」の出所はどこなのだろうか。一般に、このような虚偽と判断できる情報が提供された場合に、虚偽話を作成した者として最初に疑われるのはその情報提供者自身、あるいは「第三者から情報があった」と主張する人物本人である。では矢野がコメントした「目撃情報」の場合、匿名の男と矢野のどちらが作成した可能性が高いだろうか。

 匿名の男は電話でこう述べた。

「私は当日、例のマンションで女性が男4名に担がれていくのを見た。2人で見た」

 と。この「情報」の出所を探索するにあたり、匿名の男が「2人で見た」といっている点はきわめて重要なのではあるまいか。この「情報」を主張しているのはこの匿名の男と矢野の2人だけである。しかも2人とも、情報の詳細についてなんら説明できていない。

 すると、この「情報」の出所はどこだと考えるのが自然だろうか。これまでに知り得た「情報」そのものの内容、およびこの「情報」をめぐる匿名の男と矢野の対応を総合すると、この「情報」の出所は「匿名の男と矢野の2人」であると考えるのが最も合理的という結論にならざるを得ない。

 矢野がそれを否定するというのなら、情報の出所を明らかにしなければならない。しかし、すでに「箱詰め説」へと主張を変えた矢野にとって、当初の「情報」の出所を明らかにすることは至難の業なのではあるまいか。

(つづく)
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