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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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元市議名誉毀損事件 第3回
 政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』の記事によって名誉を毀損されたとして、元東村山市議の山川昌子が東村山市議の矢野穂積(「草の根市民クラブ」=社会福祉法人「林檎の木」理事長でもある)と朝木直子(同)を提訴した裁判の第2回口頭弁論が平成28年1月18日、東京地裁立川支部で開かれた。被告側は朝木と田中平八弁護士が出廷したものの、月水金は差し支えという矢野はこの日も出廷しなかった。

 第1回口頭弁論で、裁判官は原告側、被告側双方に書面の提出を命じていた。原告に対しては被告の答弁書に対する反論および陳述書、被告に対しては第1回口頭弁論で原告が指摘した点について準備書面において態度を明らかにするよう命じていた。

重要部分には認否せず

 このうち本件裁判の行方を左右するとみられていたのは被告の準備書面である。原告は訴状の「不法行為」の項で、矢野と朝木が『東村山市民新聞』に〈1860万円詐欺、元公明市議らが関与〉〈創価、元市議らが仲介して〉〈言葉巧みに、一般市民から、借りて1860万円を返さず〉との見出しで掲載した記事は〈「原告が詐欺事件に関与した」との虚偽の事実を摘示し、原告の人格的価値について社会から受ける客観的評価を著しく低下させるものである。〉と主張している。これに対して矢野は、〈事実は、「東村山市民新聞」186号の1面及び2面に記載されているとおりである。〉と答弁していた。このわずか1行のみである。

 これでは、記事が「原告は詐欺事件に関与した」との事実を記載するものであることを認めるのか、あるいはなにかその他の「事実」を記載したという趣旨なのか、明確に特定することができない。このため原告は第1回口頭弁論で、「上記答弁は『記事は原告が詐欺事件に関与したとの事実を摘示している』と認めるものと理解してよいか」端的に答えるよう求めた。すると裁判官も原告の申し立てを認め、矢野側に対し、改めてこの項について第2回口頭弁論において明確に答弁するよう命じていた。

 原告は「『山川は詐欺事件に関与した』とする記事によって名誉を毀損された」と主張している。したがって、本件の主たる争点は、①被告が「山川は詐欺事件に関与した」とする記事を掲載したものと認めるかどうか、認めた場合には、②真実性の立証がなされるのかどうか、または「山川は詐欺事件に関与した」と信じたことについて相当の理由があったかどうか――という点にあることになる。

 矢野の代理人は、その点に関する認否が曖昧であるにもかかわらず、裁判官から聞かれるより先に「次回以降、立証活動を進めたい」と冒頭で述べた。ところが答弁書では、矢野側はまだ、「山川は詐欺事件に関与した」とする記事を記載したことを明確に認めているとは理解できなかった。だから原告側は、その点を明確にするよう求めたのである。

態度を明確にしなかった被告ら

 この代理人はいったい、根幹部分の認否もしていない段階で、何について「立証活動」を進めたいと考えていたのか。あるいは、最初の法廷だからとりあえず、記事には相当の根拠があると印象付けようとしただけだったのか。

 田中弁護士の認識は定かでないが、根幹部分に対する態度が曖昧なまま立証活動はあり得まい。無関係の事実について立証をされても意味がない。しかしいずれにしても矢野側は、第2回口頭弁論で「『山川は詐欺事件に関与した』とする記事を掲載したものと認めるかどうか」について明確な答弁をすることを命じられた。矢野の代理人は、「次回以降、立証活動を進めたい」といっていたにもかかわらず、裁判官の命令を何の反論もせずに受け入れたのだった。

 この弁護士は、名誉毀損部分に対する答弁が、不明確で、認否とはなっていないことがよくわかっていたのだろう。何の認否もしないまま「次回以降、立証活動を進めたい」と主張するとは、めったにない訴訟対応ではあるまいか。

 仮に矢野側が「『東村山市民新聞』に記載した事実とは、原告が詐欺事件に関与したとの事実である」と答弁すれば、矢野側は「原告が詐欺事件に関与したとの事実」が真実であること、あるいは「原告が詐欺事件に関与したとの事実」を真実と信じたことについて相当の理由があったことを立証しなければならない。したがって裁判の争点は、「原告が詐欺事件に関与したとの事実」について矢野側がどう立証するかに絞られることになると思われた。

開廷直後に提出

 一方、原告の山川は第2回口頭弁論の10日前、被告らの答弁書に対する反論を記載した準備書面と裁判官に命じられた陳述書(いずれも平成28年1月8日付)を提出。準備書面で原告は、本件の最大の論点すなわち原告が訴状で「被告らは、山川は詐欺事件に関与したと記載し、原告の名誉を毀損した」としている点に対する明確な答弁を求めた。

 しかし、被告らの準備書面は口頭弁論の前日、平成28年1月17日に至っても原告の元には送付されなかった。「山川は詐欺事件に関与した」とする『東村山市民新聞』186号の記載に明確な裏付けがあったとすれば、少なくとも相当性の立証はさほど難しいことではあるまい。また代理人の田中弁護士も、第1回口頭弁論の際、裁判官から聞かれる前に、「次回以降、立証活動を進めたいと思います」と述べていた。にもかかわらず、口頭弁論前日になっても準備書面が送付されないとは不可解なことに思われた。

 矢野らの準備書面は第2回口頭弁論の開廷直後、あわただしく提出された。それにしても、通常は事前に提出すべき準備書面がなぜ口頭弁論当日になったのか――。そのあたりの事情も準備書面の記載内容からうかがい知ることができた。

(つづく)
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