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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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元市議名誉毀損事件 第4回
原告が送付後に作成

 民事裁判では口頭弁論期日の1週間程度前に準備書面を提出するのが普通である。しかも矢野側は、〈1860万円詐欺、元公明市議らが関与〉〈創価、元市議らが仲介して〉〈言葉巧みに、一般市民から、借りて1860万円を返さず〉との見出しで掲載した記事に対して原告が〈「原告が詐欺事件に関与した」との虚偽の事実を摘示し、原告の人格的価値について社会から受ける客観的評価を著しく低下させるものである〉と主張したことに対して明確な認否をするよう裁判官から命じられている。

 本来なら第1回口頭弁論で答弁すべきであり、十分な取材に基づいたものとして自信があるのなら最初から明確に「虚偽ではない」とする主張をすればよく、準備書面の提出が口頭弁論当日になることは通常ではあり得ない。どういう事情でこれほど提出が遅れたのか。

 その理由は準備書面や朝木の陳述書の記載そのものに示されていた。朝木の陳述書(平成28年1月12日付)には次のような記載がある。

〈原告山川の陳述書を読み、原告山川がこの「詐欺事件」に関与していたという確信がより強くなりました……〉

 山川が準備書面1と陳述書を裁判所に提出したのは平成28年1月8日である。山川は同日、被告代理人に発送しているから、被告らは1月9日には原告の書面を入手しただろう。朝木は山川の陳述書を読んだあとで、陳述書の作成にとりかかったということと理解できる。

 一方、田中弁護士が作成したと思われる被告準備書面は平成28年1月16日付である。その内容は朝木の陳述書に基づいていると思われる箇所がいくつもあった。田中弁護士は朝木の陳述書が完成するのを待って準備書面を作成したものと推測できた。準備書面の提出が1月18日、口頭弁論当日になったのにはこんな事情があったようだった。

 それにしても、記事に確かな裏付けがあったのなら、朝木はなぜもっと早めに陳述書を作成しなかったのだろうか。最初から意図したものかどうかは定かでないものの、原告の書面を見たあとに作成したものであるためか、被告準備書面も朝木の陳述書も、提出した時点で原告の最新の主張に反論するかたちになっていた。

 なお原告は準備書面と陳述書で、詐欺事件にはいっさい無関係であること、むしろ被害者から相談を受けて、被害者とともに警察に行き、弁護士を紹介するなど、被害者のために尽力した経緯を説明した上で、にもかかわらず「詐欺に関与」と断定した本件記事がいかに悪質であるかを主張していた。

「事件」そのものはすでに裁判所で和解が成立している。しかしその後返済が滞り、1860万円が未返済となっているのだった。

真実性を主張した矢野・朝木

 では、本件で最も重要な争点と思われる部分、すなわち〈1860万円詐欺、元公明市議らが関与〉〈創価、元市議らが仲介して〉〈言葉巧みに、一般市民から、借りて1860万円を返さず〉との見出しで掲載した記事に対して原告が〈「原告が詐欺事件に関与した」との虚偽の事実を摘示し、原告の人格的価値について社会から受ける客観的評価を著しく低下させるものである。〉と主張したことに対する認否はなされていたのか。矢野側は今回提出した準備書面で次のように主張していた。

〈「原告の名誉を毀損された」と原告が主張する東村山市民新聞186号の「1860万円詐欺、元公明市議らが関与」、「創価、元市議らが仲介して」、「言葉巧みに、一般市民から、借りて1860万円を返さず」なる記事は、被告朝木直子が取材した事実関係に基づく記事であった。〉

 これだけではまだ答弁書の記載と同様に、何をいっているのか明確にはわからない。準備書面では「原告が詐欺犯のグループの一員であるMを被害者に紹介し、原告は被害者の個人情報を懇意にしていたMに漏らしたため、詐欺犯であるS(Mの妹)が被害者宅を訪ね、多額の現金を詐取した」などと主張した上で、次のように主張していた。

〈東村山市民新聞186号の「1860萬円詐欺、元公明市議らが関与、創価、元市議らが仲介して言葉巧みに一般市民から借りて1860萬円も返さず」は、事実であって、これにより原告の名誉が毀損されたことはない。〉

「事実だから名誉毀損はない」とは弁護士とも思えない乱暴な主張だが、真実性を争うという趣旨と理解すべきなのだろう。普通は、「真実性」に加えて「相当性」(=記載事実を真実と信じるに足りる相当の理由があった)も主張するが、矢野側の準備書面には相当性の主張はない。あくまで真実性を争うということなのだろう。

 なお名誉毀損訴訟では、それが真実だったとしても、「公益性」、「公共性」がなければ名誉毀損は成立する。ところが田中弁護士の準備書面には、「公共性」「公益性」に関する主張もなかった。

朝木が主張する「詐欺関与」の態様

 さて、そう述べた上で、矢野側は準備書面でこう結論付けていた。

〈原告が、高齢で高額な資産を有する独居女性についての情報、換言すれば、詐欺犯にとって耳寄りな犯行相手に関する情報を、詐欺犯の一味であるMに伝えたことは、この情報がMからS(詐欺の主犯)に伝わり、この高齢で資産家の独居婦人が詐欺常習犯のSによる格好の詐欺対象人物となったことは間違いなかった。〉

〈従って、創価学会員で公明党所属の東村山市議会議員であった原告が、詐欺師Sの高齢で独居中の被害者女性に対する詐欺事件に関与したことは間違いなく、Sの姉であり、詐欺グループの一員でもあるMに被害女性に関する上記情報を開示したことは、Sの被害女性に対する詐欺行為を仲介したものである。〉

「原告が、高齢で高額な資産を有する独居女性についての情報、換言すれば、詐欺犯にとって耳寄りな犯行相手に関する情報を、詐欺犯の一味であるMに伝えた」とは具体的にどういうことなのか。朝木は陳述書でその経緯についてこう述べていた。

〈(被害者は)夫と別居し、一人暮らしを始めたことを原告山川に話した。〉

〈原告山川に夫と独り暮らしになったことを話した途端に、その情報を原告山川から得たMが、再び被害者女性宅に訪ねて来るようになり……〉

 その後、「被害者はMの妹であるSに総額2600万円を渡すことになった」(要旨)という。この間に山川が具体的にどんな関与をしたのかに関する事実は記載されていない。つまり、朝木が「原告の関与」として指摘しているのは「被害者が独り暮らしを始めたことを山川に話し、山川はそれをMに伝えた」とする事実だけだった。準備書面ではこれを「仲介」であるとも主張している。

 仮に「被害者が独り暮らしを始めたことを山川がMに伝えた」とする朝木の主張が事実だったとしても、直接関与者でもないMに「被害者の状況を伝えた」というだけでただちに「詐欺に関与した」とまで結び付けるのは、常識的に考えてかなり強引なこじつけというべきではあるまいか。これだけでは、朝木はむしろ、「『山川は詐欺事件に関与した』とする事実の裏付けはありません」といっているに等しいように思えてならない。

 なお、第3回口頭弁論は、朝木に差し支えがあって、いったんは3月にずれ込むかに思われたが、最終的に2月10日午後1時10分と決まった。口頭弁論の間隔がわずか3週間ちょっととは異例の早さではあるまいか。

 余談だが、口頭弁論終了後、私と千葉、それに山川は地裁の地下にある食堂で遅い昼食をとっていた。するとそこへ、朝木と田中弁護士、それから外1名もやってきた。その日、東京は大雪で、裁判所に来るだけでも一苦労だった。彼らも昼食にありついていなかったのだろう。ところが、ちらと中を見た朝木はすぐに私たちの存在に気がついた。すると朝木一行はすぐに踵を返し、食堂から出て行った。

(「第3回口頭弁論以降」につづく)
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