ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

元市議名誉毀損事件 第6回
告訴していた被害者

 第3回口頭弁論を前に被告らが提出した重要な証拠とは、被害者が加害者らを①民事提訴した際の和解調書、被害者が②警察に提出した告訴状、その告訴に際して原告が提出していた③「陳述書」(筆者注=本件裁判の原告陳述書と区別するため、告訴の際に提出したものはカッコ付きの「陳述書」と表記する)の3点だった。

 この和解調書は、貸した金を返してもらえなくなった被害者が東京地裁立川支部に提訴し、被告らが月々決まった額を返済するという内容の和解が成立したことを立証するもの。しかし、和解が成立したものの相手方からの返済は滞った。このため被害者は相手方を告訴しようとした。

 その告訴状を本件裁判に証拠として提出したのである。告訴の相手には、「原告が被害者の『一人暮らしである』『資産家である』という個人情報を漏洩した相手」と矢野らが主張しているMも含まれた(民事提訴の際には、Mが直接借りた証拠(借用証等)がないと弁護士が判断したため被告には含まれていない)。

 この告訴状提出の際、原告は被害者(あるいは被害者の代理人弁護士)に求められて「陳述書」を提出していた。Mとの関わりや和解までの経緯、和解後の対応などを述べたもので、記載内容のすべてが被害者の側に立ったものであることが明らかだった。矢野と朝木はそれをこの裁判で、「原告が詐欺事件に関与した」とする証拠として提出したのである。

 被害者の側に立った「陳述書」であるということは、普通に考えれば、原告には逆に有利な証拠であるように思えた。矢野には何か、特別の狙いでもあったのか。

新証拠を提出した理由

 原告の準備書面と入れ違いに送付されてきた準備書面には、上記告訴状と原告の「陳述書」を証拠として提出した理由についてこう主張していた。

〈(和解後も返金がなされないため、被害者は)Mら4名を被告訴人とし、高井戸警察に刑事告訴をしようとしたが、……告訴状の受理には至らなかった。〉

 原告は上記事件について「民事で和解が成立したものであって、刑事上の詐欺事件ではなく民事上の返金問題として決着している問題であり、『詐欺事件』と記載することは刑事事件として扱われた事件と認識させるもので誤りである」と主張していた。矢野らはこの告訴状を提出することで、この事件は「和解」によって解決したものではなく告訴しようとしたもので、原告も「陳述書」を提出しているから「詐欺事件」として認識していた――こう主張するために告訴状を提出したもののようだった。

 しかし原告はすでに、これが「仮に『詐欺事件』だったとしても、原告が関与した事実はない」と主張している。本件で問題となるのは「原告が事件に関与したかどうか」であって、仮にこれが刑事事件としての「詐欺事件」だったとしてもその本質には影響しないのではないかと思える。

 もう1つの重要な証拠である原告の「陳述書」についてはどうか。矢野らは「原告は詐欺グループの一員であるMに被害者の『一人暮らしである』『資産家である』という個人情報を漏洩した。その結果、詐欺事件が起きた」と主張。それに対して原告は「そのような事実は存在しない」と主張していたが、「陳述書」には原告がMに「(被害者が)一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことがあるとの記載があった。矢野らはこれが「原告が個人情報を漏洩した」とする主張の裏付けであるとし、〈(原告)がこの事件に関して、結果的に仲介し関与したことは明らか〉などと主張していた。

 つまり矢野らは、原告が「詐欺グループの一員であるM」に対して、被害者が「一人暮らしになったこと」を話したとする主張には根拠があることを立証するために原告の「陳述書」を提出したとみられた。しかし、原告がMに対して被害者が「一人暮らしになった」と話したからといって、原告が「詐欺に関与」したことの証拠といえるのだろうか。かなり強引なこじつけのようにも思える。

相当性の主張も追加

 矢野らはまた、第2回口頭弁論の時点まではいっさい主張していなかった「相当性」の主張も行っていた。矢野らはまずこう主張している。

〈本件記事は原告山川が詐欺を働いたという記載ではなく「結局口ききでしかなかった」という記載内容である。〉

 したがって、原告が刑事告訴の際に提出した「陳述書」には「(被害者が)一人暮らしになっちゃったのよね」とMに話したとする記載があるから、「口きき」をしたと記載したことには真実と信じるに足る相当の理由があったと主張しているのである。

 矢野らは本件記事について次のように述べて名誉毀損の成立そのものも否定している。

〈「結果的に口ききとしての役割を果たしたに過ぎない」と批評しているのであって、原告山川が直接的に詐欺を働いたと読み取れる箇所はない。……原告山川の「役割」について結果を批判的に述べているに過ぎず、名誉毀損は成立しない。〉

 本件『東村山市民新聞』の記事をあらためて確認すると、〈結果的に口ききとしての役割を果たしたに過ぎない〉とする記載は〈山川元公明市議は口では被害者女性の味方になってお金を取り戻すそぶりをしていたが〉に続くものであり、原告が被害者の支援をしたことを否定する趣旨の文言にほかならない。つまりこの一節は「詐欺に関与」の見出しを裏付ける事実として記載されているのであって、たんに「『口きき』だったといっている」と読み取るのは難しいのではあるまいか。

 原告は準備書面の提出と入れ違いに送付されてきた被告らの上記の準備書面に対して、被告らの主張の根拠である告訴状と原告の「陳述書」が、原告が詐欺事件とは無関係であることを証明するものであること、さらに〈本件記事は「結局は口ききでしかなかった」という記載内容である〉とする被告らの主張に対する反論等を記載した準備書面を提出した。

(つづく)
関連記事

TOP