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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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『聖教新聞』事件 第61回
直接の関与を示せなかった矢野 

『聖教新聞』裁判で、創価学会に対する提訴のうち、東京地裁が次に検討したのは明代の転落死に「創価学会の関与があった」とする矢野らの主張に相当な理由があったかどうか――である。

 矢野らは、明代の転落死が「他殺」であると疑われる理由について、次のような「根拠」をあげていた。



(矢野らが主張する「他殺」と考える根拠)

①明代が履いていたはずの靴が発見されていない。

②転落した明代は事務所の鍵を所持していなかった。

③矢野が「草の根」事務所に帰ってきた際、事務所は電気がつきっぱなしになっていたほか、明代のワープロも原稿が打ちかけのままにっており、バッグや財布等も置いたままだった。

④明代が転落したと思われる時間帯に、マンションの住人が「キャー」という悲鳴を聞いていた。

⑤明代は体を横にしたほぼ水平状態で落下しており、両足を下にして落下するとか、頭から落下するという姿勢ではなかった。

⑥明代が転落する直前に明代から矢野に電話がかかってきたが、明代の声には精彩がなく、どこかの部屋の中からかけられていたようなものだった。(筆者注=当時、矢野は明代が「拉致・監禁された状態でかけさせられた」と主張していたものと思われる。しかしその後、矢野はこの電話について、明代が自宅からかけてきたものであることを認めている)

⑦転落した明代に第一発見者が「飛び降りたんですか」と聞いたのに対して、明代は「いいえ」と答えていた。

⑧明代は万引きをしておらず、自殺の動機はまったくなかった。



 矢野は以上の理由から、明代の転落死は「自殺ではなく他殺だ」と主張し、前回=本連載第60回で紹介した8項目にわたる「創価学会の関与をうかがわせる様々な事件」との関係から、「明代の転落死=他殺事件には創価学会が関与している」と主張していた。

 しかし、たとえば転落現場で「明代を創価学会員が拉致した」などという「目撃証言」があって、その「目撃証言」が事実と立証されたというのなら、創価学会の関与が疑われたとしてもやむを得ないのかもしれない。ところが、かつて矢野は「目撃情報があった」と週刊誌にコメントしたものだが、この重要な裁判ではそんな主張はおくびにも出さなかった。

 明代の「転落死」に関する矢野の上記の主張の中に、創価学会の直接的な関与をうかがわせるものはない。常識的に考えて、転落死とは直接的には無関係の「事実」を理由に「転落死(=「他殺」)に関与している」とする主張を認めることは不可能なのではあるまいか。

創価学会との関連性を否定

 矢野の8項目にわたる「創価学会の関与をうかがわせる様々な事件」と転落死に関する主張に対して東京地裁はどう判断したのか。東京地裁は次のように述べた。



(「創価学会の関与の疑い」とする矢野の主張に対する東京地裁の判断)

(矢野が主張する前記8項目にわたる「創価学会の関与をうかがわせる様々な事件」)及び原告らが本件死亡事件について存在したとする……事実が全て真実であったとしても、それは……原告らにとって、……創価学会の関与について疑いを抱かせるものではあったとしても、客観的に見れば、被告創価学会と本件各事件とを結びつける根拠としては極めて薄弱というべきである。……被告創価学会が亡明代を陥れるために本件窃盗被疑事件をねつ造したり、ついには亡明代を殺害したということができないことはいうまでもない。



 東京地裁はこう述べて「明代の転落死には創価学会が関与している疑いがある」とする主張を退けた。その上で、矢野らが「明代は創価学会に殺された」、あるいはしきりに「創価学会の関与」を匂わせる発言を繰り返していたことについて次のように結論付けたのである。



(矢野による「創価学会疑惑」説に対する東京地裁の結論)

 原告らは、被告創価学会が本件各事件に関与したと認められるような客観的な根拠もなく、被告創価学会に対し、さきに判示したとおりの名誉毀損行為をしたものであるから、被告創価学会は、本件記事掲載当時、原告朝木ら発言を含む原告らの名誉毀損行為により、その正当な利益を侵害されていたということができる。



 ここで東京地裁は、矢野が主張する転落死に関わる状況の真実性について特に検討していていない。創価学会に対する訴えにおける重要な争点の1つは「創価学会が関与しているとする矢野の主張の成否」であり、転落死の状況そのものではないからである。

のちに裁判所が「自殺の動機」を認定

 念のために、明代の転落死に関して矢野が主張する事実について、のちに明らかになった事実に基づいてざっと検証しておこう。

「明代が履いていたはずの靴が発見されていないこと」

 靴は明代が転落死した日の早朝、事務所で目撃された事実がある。また、明代が履いていたストッキングの足裏部分が汚れ、破れていたことから、東村山署は明代が裸足で歩いて現場まで来たものとみている。したがって、靴が発見されないことは自殺の判断に影響を与えるものではない。

「転落した明代が事務所の鍵を所持していなかったこと」

 目撃情報などから、転落死の直前数時間の間に明代が第三者と接触した可能性はなく、第三者が明代の鍵を入手できた可能性はない。事務所には明代のバッグが残されており、むしろ鍵はバッグの中に入っていたとみるのが自然である。

「矢野が『草の根』事務所に帰ってきた際、事務所は電気がつきっぱなしで、明代のワープロも原稿が打ちかけのままにっており、バッグや財布等も置いたままだった」とする矢野の主張

 矢野がそう説明しているだけで、客観的な証拠はない。通話記録など、客観的状況からはむしろ、矢野が事務所に帰ったあと、明代が事務所に行った可能性が高い。バッグや財布等もその際に持っていたとみるのが自然である。

「マンションの住人が悲鳴を聞いた」

 第三者が関与した証拠とはいえない。

「明代は体を横にしたほぼ水平状態で落下しており、両足を下にして落下するとか、頭から落下するという姿勢ではなかった」

 明代の両足は骨折しており、逆に頭部には損傷がなく、遺体の状況は明代が足から落ちたことを示している。

「明代が転落する直前に明代から矢野に電話がかかってきたが、明代の声には精彩がなく、どこかの部屋の中からかけられていたようなものだった」

 当時、矢野は明代が「拉致・監禁された状態でかけさせられた」と主張していたものと思われる。しかし明代は自宅からかけたことが通話記録から明らかで、監禁されるというような状況だったことを現実的にうかがわせる事実も証拠もいっさいない。

「転落した明代に第一発見者が『飛び降りたんですか』と聞いたのに対して、明代は『いいえ』と答えていた」

 第一発見者の質問を意図的に改変することで、明代が自殺を否定したことにしようとしている。第一発見者は「落ちたのですか?」と聞いたのである。むしろ、第一発見者に「救急車を呼びましょうか」と聞かれた明代が、「いいです」と救急車の出動を断った事実には触れなかったところに、自殺を隠蔽したい矢野の意図がみてとれる。

「明代は万引きをしておらず、自殺の動機はまったくなかった」

 あらためて説明するまでもあるまい。東京地検から呼び出しを受けたあとの明代の様子がおかしくなっていったことは複数の証言から明らかで、明代がその後を悲観していたことをうかがわせる。万引き現場の状況について、犯人しか知り得ない事実を矢野が暴露していた(「秘密の暴露」)ことも明らかになっている。

 また千葉副署長が西村修平を提訴した裁判では、東京地裁は万引き事件で書類送検された明代が〈厳しい立場に置かれていることを憂慮していたことがうかがえる。〉とする判断を示し、〈したがって、……本件転落死事件当時、亡明代に自殺の動機がなかったとはいえない。〉と結論付け、「自殺の動機はなかった」とする矢野の主張を真っ向から否定している。

 以上のとおり、明代の転落死は「他殺」どころか「万引きを苦にした自殺」であることが客観的状況から明らかであり、明代には「自殺の動機」があったことを裁判所も認めるに至っている。他殺の可能性がないもの、すなわち自殺に創価学会の関与を疑う余地があるはずもない。

(つづく)
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