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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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元市議名誉毀損事件 第8回
想定外の訴訟指揮

 元東村山市議の山川昌子が「詐欺事件に関与した」などとする『東村山市民新聞』(=「草の根市民クラブ」の政治宣伝紙)の記事によって名誉を毀損されたとして現職東村山市議の矢野穂積と朝木直子(いずれも「草の根市民クラブ」)を提訴していた裁判の第4回口頭弁論が平成28年4月11日、東京地裁立川支部で開かれた。被告側は代理人と朝木は出廷したが、矢野は通院のためかこの日も出廷しなかった。

 前回の口頭弁論で朝木は自分に対する尋問を要求し、裁判官から原告に対して「原告は(尋問は)どうですか」と聞いた。これに対して原告は朝木に対する尋問の必要性を否定するとともに、自らも尋問ではなく陳述書の提出で足りると答え、これを受けて裁判官は「ではもう1回やりましょう」と応じたという経緯があった。

 したがって、今回の弁論にあたり当面注目されたのは、①裁判官が朝木に対する本人尋問を容認するかどうか②朝木の尋問を認めなかった場合、「もう1回やりましょう」という言葉どおり、この日で弁論を終結するのかどうか――この2点だと私は考えていた。ところが、裁判はやはり何が起きるかわからないということを改めて痛感させる展開となった。

 裁判官は開廷後、すぐに双方に対して新たに提出する書面の確認を行い、その上でこれ以上の主張があるかどうかを聞いた。先に聞いたのは被告に対してだった。すると被告代理人はこう述べた。

「(原告が今回提出した準備書面4は)今いただいたばかりで読んでいませんので、改めて反論したいと思います」

 これはまったく想定外の主張だった。ところが被告代理人の主張を聞いた裁判官は、原告に対しても「もうないですね。あるいは、まだいいたいことがありますか」と聞いた上で、最終的に「ではもう1回(口頭弁論を)やりましょう」と述べたのである。「この日で結審ではないか」と考えていた私の予想は大外れだった。ただ、裁判官は原告に対してか被告に対してかは明らかでないものの、念を押すようにこう付け加えた。

「次回で終わりですよ」

 裁判官は次回期日を指定し、閉廷となった。裁判官はこの日、前回朝木から出されていた尋問申請にはいっさい触れず、朝木の側も申請に対する裁判官の判断を確認することはなかった。

 前回口頭弁論からの経緯と合わせ、この日の裁判官の訴訟指揮をどう理解すべきだろうか。証人(本人)尋問が行われる場合には、通常以上の時間をとる必要があるし、尋問を希望する当事者に対して必要な時間等を確認するのが通常である。尋問の展開によってはあらためて書面の提出を求める場合もあるから、朝木の尋問申請を認めるのなら、この日の弁論の時点で「次回で終わり(すなわち結審)」と宣言することは考えにくい。

 またそもそも、裁判官は朝木に対する尋問にさえいっさい触れなかった。このことは、実質的に朝木の尋問申請を却下したに等しいと思われた。

 前回口頭弁論で尋問を申し立てた朝木が、そのことについてなんらの確認もしなかったことも意外な気がした。裁判官が触れなければ、自分の方から聞けばよかろう。なぜ積極的に聞こうとしなかったのか、これもまた不可解というほかなかった。

双方が準備書面を提出

 断定はできないものの、「記事を書いた朝木に事情を聞いてみる必要がある」と裁判官が判断したとすれば、朝木の尋問申請を無視するようなことはなかったのではあるまいか。

 本件記事は被告を「詐欺事件に関与した」と断定するものである。被告の矢野と朝木が責任を免れるためには、「山川は詐欺事件に関与した」とする事実あるいはそう信じたことの相当性を立証しなければならないが、彼らはこれまでに明らかな証拠をなんら提出していない。仮に裁判官が、本件記事にはなんらかの正当な理由、つまり真実性とまではいかなくても相当性があるのかもしれないと考えたとすれば、裁判官としてもそういう判決(すなわち原告を請求を棄却する判決)を書くためには相当の根拠を集めなければならないから、朝木の尋問申請を認めてもおかしくない。

 ところが裁判官は朝木の主張を無視する形で尋問申請を事実上、却下した。裁判官は、法廷で朝木の供述を聞く必要性があるとは判断していないということになろうか。裁判官はこれまでの双方の主張に基づいてそう判断したということになるが、問題は「山川が詐欺事件に関与したのはすでに明らかだから、尋問の必要はない」と考えたからなのか、「どうみても山川が詐欺事件に関与した根拠は認められないから、尋問の必要はない」と考えたからなのか――ということである。

 少なくとも、朝木が自分に対する尋問を申し立てた前回口頭弁論の時点では、裁判官はまだそれを認めるかどうかの最終的判断を下していなかった。すると裁判官が、今回の口頭弁論で事実上朝木の尋問申請を却下する判断をしたのは、前回口頭弁論のあと、つまり原告と被告の双方がそれぞれこの日の口頭弁論までに準備書面を提出したあとということになろうか。裁判官は口頭弁論までの間に双方の準備書面に記載された主張や証拠を検討し、その結果として、朝木の尋問申請を無視することにしたのではないかと推測できた。

 なお、裁判官が「次が最後」と通告した次回口頭弁論は、平成28年5月23日午後1時10分と指定された。

(つづく)
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