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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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元市議名誉毀損事件 第9回
被告らの第3回口頭弁論までの主張

 被告の矢野側が朝木直子の本人尋問を申し立てた前回の口頭弁論から第4回口頭弁論までに、原告被告双方の間で準備書面のやりとりがあった。

 原告は口頭弁論1週間前の平成28年4月4日、裁判所と被告代理人に対して「準備書面(4)」を送付した。その内容は前回第3回口頭弁論までの被告の主張に対する総括的反論と、本件記事の名誉毀損性についての主張である。

 被告らのこれまでの主な主張は以下のとおりだった。



(第3回口頭弁論までの被告らの主な主張)

本件記事が記載した「詐欺事件」の存在は事実である。

原告山川は被害者に加害者Sの姉で詐欺の仲間でもあるMに対し、「Tさん(被害者)が一人暮らしになっちゃったのよね」などと、被害者の個人情報を漏洩した。その結果、SによるTに対する詐欺事件に発展した。これは結果的に、詐欺犯人を仲介し、事件に関与したということである。

筆者注=なお、第3回口頭弁論前に提出した準備書面で矢野側は、上記「個人情報」について当初は「被害者が一人暮らしをしており、相当高額の資産を持っている」との情報である旨の主張をしていたが、第3回口頭弁論において上記の「個人情報」のうち「相当高額の資産を持っている」との部分について口頭で削除を申し出たという経緯がある。)

「1860万円詐欺、元公明議員らが関与」「創価・元市議らが仲介して」「言葉巧みに、一般市民から、借りて1860万円を返さず」との見出しで本件記事が摘示しているのは「原告は詐欺事件に関与した」(原告の主張)というものではなく、本文中に記載している以下の部分、すなわち、

①「結局はお金を巻き上げる連中の口ききでしかなかった。」

②「元議員の立場で、貸金の仲介者のような役割を果たしながら、山川元市議は『知らん顔』」

 というものであり、上記記載は客観的真実と一致する。よって記事には真実性も相当性もある。

筆者注=被告らの上記主張によれば、被告らが主張する真実性・相当性の立証対象は上記①②についてであるということになる。)

④本件記事は「山川元市議は口では被害者の味方になってお金を取り戻すそぶりをしていたが、結局はお金を巻き上げる連中の口ききでしかなかった。」と記載し、批評しただけで、原告が直接的に詐欺を働いたと読み取れる箇所はない。よって名誉毀損は成立しない。



 矢野と朝木はこう主張し、第3回口頭弁論では新たに証拠として貸金被害者がSに対して貸金の返済を求めた民事裁判の和解調書および、和解成立後も返金がなされなかったためにSやMを告訴した際の告訴状、またその際に原告山川が被害者に協力して提出した「陳述書」(筆者注=原告は本件裁判でも陳述書を提出しているので、本件のものと区別するために告訴の際の陳述書を括弧付きとする)などを提出していた。

自らの首を絞める証拠

 ただ、矢野が新証拠として提出した告訴状には原告が事件に関与したことをうかがわせる記載はいっさいなかった。「陳述書」には原告がMに「Tさん(被害者)が一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことが記載されてはいるものの、和解成立後も原告が被害者に協力していた事実が記載されており、原告に有利な証拠のように思われた。告訴のために「陳述書」を作成したこと自体、むしろ被害者に協力したことを裏付けていよう。そんな原告を利するとしか思えない証拠を矢野と朝木はなぜ提出したのか、私には謎だった。

 しかしその後、矢野の主張をあらためて検討してみて、ようやくある結論にたどり着いた。告訴状は本件事件がたんなる貸金問題ではなく「詐欺事件」であると主張するためであり、「陳述書」は原告がMに対して「被害者が一人暮らしになった」と話したことを立証するためだったのだろう、と。

「被害者が一人暮らしになった」ことを話したことが「詐欺への関与」を疑わせると認定されるとすれば、上記の2つの要素をつなげ合わせると、「原告山川は詐欺事件に関与した」ということになるのである。

 理屈の上ではそうだが、現実には告訴状は警視庁に提出したものの受理されていないから、法律上、本件は刑事事件としては成立していない。また「一人暮らしになった」ことを話したことが「詐欺事件に関与した」ことになるといえるのかどうか。

 少なくとも矢野が提出した告訴状には、原告山川が詐欺に関与したことをうかがわせる記載はいっさい存在しない。被害者が「原告山川は詐欺に関与している」と認識しており、また被害者の代理人弁護士もまたそう判断していたなら告訴状にそう記載しただろうし、山川に「陳述書」を依頼することもあり得ないのではなかろうか。

 つまり矢野と朝木が提出した上記2つの証拠はいずれも、部分的に見れば矢野の主張にも一応の理由があると思わせるものであるのかもしれなかった。しかし全体を見れば、どうみてもむしろ原告が詐欺にはいっさい関与しておらず、むしろ被害者の側に立っていたことを証明するもので、これほど原告に有利な証拠はないように思えた。

 とすれば、原告が関与していないことを証明する証拠を、原告ではなく被告の方から提出したということだから、矢野と朝木は原告山川の主張を裏付けるために告訴状と「陳述書」を提出してくれたことになる。常識的に考えれば、彼らは彼らの主張を裏付ける証拠として提出した以上、そこに記載された内容を否定することはできない。

 自分たちの首を絞めるような証拠を矢野と朝木はなぜ提出したのだろう。木を見て森を見なかったということではないのだろうか。

(つづく)
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