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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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元市議名誉毀損事件 第10回
被告らの証拠に基づく反論

 第3回口頭弁論までの被告らの主張に対し、原告は準備書面で総括的な主張・反論を行った。その最大の根拠としたのは前回弁論で矢野が提出した被害者による告訴状と、その際に原告が被害者に協力して提出した「陳述書」である。

 とりわけ本件記事に記載された原告に関する主要部分はすべて告訴状記載の内容から反論することができた。被告が自分のために提出した証拠を、原告側が原告に有利な証拠としてそのまま使えるという例もめったにないのではあるまいか。

 原告の主張の論点は次の3点である。
 
「原告は詐欺実行犯であるSの仲間であるMに被害者の資産等の個人情報を漏洩した」とする被告らの主張に対する反論(筆者注=矢野らはこの「情報漏洩」をもって、原告が「詐欺事件に関与した」と主張している)

「原告はSの詐欺行為の口ききをした」とする記載は事実か

「原告は(Sの詐欺行為の口ききをするような立場にあったから)、被害者を支援するふりをしたものの結局は被害者を放置した」とする記載は事実か

 これらの論点に対する原告の具体的な主張は以下のとおりだった。



(矢野が提出した告訴状と「陳述書」に基づく原告の反論)

①について

 被告らは、原告が主犯Sの仲間であるMに被害者の資産等の個人情報を漏洩したことによってSによる「詐欺事件」に発展したと主張している。ところが告訴状には、Sが被害者Tの資産等の情報を入手した状況、またSが被害者Tから借金を重ねるまでの経緯が詳細に記載されている。

 それによれば、被害者Tが一人暮らしになったあとMを介してSと知り合いになり、Sに家庭の事情を話したところ、Sから紹介された弁護士に相談することになった。被害者TはSと弁護士事務所に行き面談したが、その際Sも同席しており、被害者Tが相当の資産を有していることなどを聞いていた。Sはその後わずか半年の間に、さまざまな理由で被害者Tから総額2600万円の借金をした――。

 告訴状には上記の事実が記載されている一方、被害者Tが(原告からTの個人情報の提供を受けたとする)Mから聞いたなどとはいっさい記載されていない。告訴状にはさらに、Sが被害者Tから借金を重ねた際にSが持ち出した様々な理由も具体的かつ詳細に記載されている。しかし、山川がSの借金に関与したことをうかがわせる記載は、告訴状にはいっさい存在しなかった。

 矢野と朝木は本件記事に違法性がないとする主張を立証するために告訴状を提出した。しかし、これはむしろ原告が詐欺事件には関与していないことを証明するもので、被害者Tもまた原告がMに対して被害者の資産等の個人情報を漏洩したとは認識していないことを裏付けている。

②について

 本件記事では〈(原告は)お金を巻き上げる連中の口ききでしかなかった〉、すなわち「原告がSの詐欺の口ききをした」との記載がある。しかし、告訴状にはそのような記載も「口きき」を示唆する記載もいっさい存在しない。したがってこの点についても、被告らの主張に根拠がないことは明らかである。

③について

 本件記事は、〈(原告は)口では被害者女性の味方になってお金を取り戻すそぶりをしていたが〉、〈貸金の仲介者のような役割を果たしながら、(返済が滞っても)山川元市議は「知らん顔」〉と記載している。その趣旨は、原告は当初は被害者の味方のように振る舞っていたが、実際にはSの仲間で、だから返済が滞っても知らん顔で放置しているというものである。

 しかし、被告らが証拠として提出した原告の「陳述書」には、和解成立後に返済が滞ったため、Sに対する返済を促す目的で原告が被害者TをともなってMの自宅を訪ねたことが記載されていること、またこの「陳述書」が被害者Tを支援する目的で作成したものであることが明らかで、和解成立後も原告が被害者を支援していたことを裏付けている。したがって、「原告は詐欺被害者を放置した」とする被告らの主張は失当である。



 原告の上記反論はいずれも、被告が自発的に提出した証拠に基づくもので、矢野らはそこに記載された内容についていっさい否定していない。つまり矢野らはその記載内容を全面的に認めているということである。記載内容に対する評価の問題はあるとしても、記載事実を覆すことはできない。

 矢野と朝木は告訴状と原告の「陳述書」を、それぞれ本件が「詐欺事件」であることおよび原告がMに対して「被害者が一人暮らしになっちゃったのよね」と話したこと、すなわち原告が主犯Sの仲間であるMに被害者Tの個人情報を漏洩したことを証明するものとして提出した。内容を総合的にみれば、どうみても原告が詐欺には関与していないことを立証するものとしか考えられないが、矢野はそうは考えなかったということなのだろう。

本件記事の重要部分に対する主張

 記事による名誉毀損裁判では、通常、記事すべてではなく、記事の中でも重要な部分についての真実性・相当性が問題となる。そこで原告は、本件記事の重要部分を挙げ、各部分についてそれぞれ総括的な主張を行った。

原告が重要部分として挙げたのは、

「Sが被害者Tから借金をしたことが詐欺事件に該当すること」

「原告が上記①の仲介の役割を果たしたこと」

「原告が①の詐欺事件に関与したこと」

 ――の3点である。その上で原告は、上記「主要部分」について記事には真実性も相当性もないことを主張している。まず「真実性」についての主張は以下のとおりである(要旨)。



(原告の上記「主要部分」に対する主張)

①について

 被告らが提出した「和解調書」や被害者TがSらを告訴しようとしたが告訴状が受理されなかった事実によれば、本件は刑事事件としての詐欺事件ではないことが明らかである。

②について

 告訴状に基づいて主張したように、「原告が被害者Tの資産等の個人情報を詐欺グループに漏洩した」との事実はなく、原告が仲介(口きき)したとする被告らの主張は失当である。

③について

 原告が関与したとする詐欺事件なるものは存在せず、存在しない事件に原告が関与する道理はない。仮に①が「詐欺事件」に該当するとしても、原告はSが被害者Tから借金したことについていっさい関与していない。



 原告が主張する「主要部分」の真実性に関する主張は以上だった。

(つづく)
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