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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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元市議名誉毀損事件 第13回
準備書面4に対する反論

 平成28年4月11日に開かれた第4回口頭弁論の1週間前、原告が裁判所および被告ら代理人に提出した準備書面4では、被告らが警視庁に提出した告訴状(=被害者TがSらを告訴しようとしたもの)と原告の「陳述書」(=上記告訴状を提出した際、原告が被害者Tに協力して提出したもの)に基づき、原告が本件詐欺事件にはいっさい関与しておらず、それどころか原告が被害者Tに協力していたことを主張するとともに、本件記事が「原告は詐欺事件に関与した」と断定し、原告の名誉を毀損したと主張している。これこそが本件の最大の争点である。

 被告らはこの点についても、第4回口頭弁論前に提出した準備書面3で、原告の主張に則して逐一反論している。原告の主張と、それぞれに対する被告らの主張を紹介しよう。最初の論点は原告がMに「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことに関する主張である。



原告がMに「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことに関する主張

(原告の主張①)
 被告らが提出した告訴状には、本件詐欺事件の発生までに「原告がMに被害者Tの個人情報を漏洩した」とする記載はいっさい存在しない。(趣旨)

(被告らの反論)
 原告が主張するような記載がなかったとしても、原告が犯人グループの一員であるMに「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことがSに伝わり、被害者Tに対する詐欺事件のきっかけとなった事実に変わりはない。(趣旨)

(原告の主張②)
 告訴状には「被害者Tが弁護士に話した内容をSが聞き、被害者Tの具体的な資産額を知ることになった」との記載がある一方、被害者Tが原告に資産額を話したという記載はなく、原告が詐欺の「口ききをした」とする記載もない。このことは、被害者Tは原告がMにTの個人情報を漏洩したとは認識していないことを示している。「原告が被害者Tの資産等の個人情報をMに漏洩した」との被告らの主張は客観的事実に反しており、失当である。(趣旨)

(被告らの反論)
 Sが被害者Tから多額の金銭を詐取するにあたり、Tの財産の具体的内容まで知る必要はなかった。よって、原告の主張は意味をなさない。(趣旨)



 上記2点に対する被告らの反論に共通しているのは、原告がMに世間話の中で「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことが詐欺事件の端緒となったと主張している点である。Sにとって「一人暮らし」は被害者Tの個人情報の1つだったとしても、だからといってその情報が詐欺行為の実行につながったと断定するのは、やや無理があろう。

 また、被告らは「Sが被害者Tから金員を詐取するにあたり相手の資産額を知る必要はなかった」と主張しているが、その後に詐欺に着手したという動かせない事実があるだけであり、詐欺の着手にあたりSが被害者Tの具体的資産を知る必要があったか否かを問うことは無意味ではあるまいか。被告らは、原告がMに対して「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことだけで詐欺のきっかけになり得ると強弁しようとしているだけのようにみえる。

 一般論でいえば、他人から金を詐取しようと企むような輩が、たんに一人暮らしの高齢者だからといって狙いをつけることはなかろう。同じエネルギーを使って詐取するなら大金と普通は考えるだろう。すると、狙いは取れるものを持っているのが確かな高齢者ということになろう。常識的に考えるとやはり、「一人暮らし」というだけでは詐欺の対象にはならないのではあるまいか。



「口きき」に関する主張

(原告の主張③)

 被告らが提出した告訴状にも原告が口ききをしたとの記述、もしくはそれを示唆する記述もいっさいなく、被害者Tが「原告が詐欺の口ききをした」と認識していないことは明らかである。(趣旨) 

(被告らの反論)
 原告は詐欺グループの一員であるMと長年にわたり懇意な関係にあった。とすれば、それまでのMの行状についても聞いていたはずである。にもかかわらず原告はMに対し、「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と詐欺師にとっては耳寄りな情報を提供したことにより、被害者TはSかから大金を詐取されたものである。(趣旨)



 被告らはここでも、原告がMに対して「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことが「口きき」すなわち「詐欺に関与した」とする事実の根拠であると主張しているものと理解できる。しかし、原告がMに対して「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことが詐欺の端緒だったと断定することが困難であるとすれば、「原告は詐欺の口ききをした」とする被告らの主張も無理があるといえるのではあるまいか。



「原告は被害者Tを放置した」かどうか 

(原告の主張④)
 原告は被害者Tから「貸金を返してもらえない」と相談を受けて弁護士を紹介し、和解成立後も支援してきたことは被告らが証拠として提出した「陳述書」の記載からも明らかであり、「山川は被害者Tを放置した」とする被告らの主張は失当である。(趣旨)

(被告らの主張)
 原告が被害者T(筆者注=実名)の損害の回収について何らの具体的対策をとっていないことは間違いない。



 被害者Tの状況には同情の余地があるとはいえるものの、少なくとも原告には、被害者Tの損害の回収について具体的対策を取る義務はない。それでも原告は和解成立後、Sに返済を促すことを目的に被害者TをともなってMの自宅を訪ねたり、告訴に際しては陳述書を作成にも協力している。被告らからみると、それでも原告が被害者Tを支援したことにはならないというのだろうか。



「摘示事実」をすり替えたことに関する主張

(原告の主張⑤)
 被告らは当初、本件の摘示事実が「原告が詐欺事件に関与した」というものであることを前提とする主張をしていたが、第3回口頭弁論においてなんらの釈明もなく、摘示事実を「結局はお金を巻き上げる連中の口ききでしかなかった」「元議員の立場で、貸金の仲介者のような役割を果たしながら、山川元市議は『知らん顔』」との記載にすり替えた。これは、そうすることによって「山川は口ききをした」「山川は仲介者のような役割を果たしながら『知らん顔』」とする事実に立証対象をすり替えようとする狡猾かつ悪質な企てで容認できない。本件記事が摘示しているのは「原告が詐欺事件に関与した」との事実であり、摘示事実のすり替えに基づく被告らの主張はすべて排斥されるべきである。(趣旨)

(被告らの主張)
 争う。被告両名の主張は、「原告山川昌子は、東村山市議会議員の立場で、Sの被害者T(筆者注=実名)からの金員詐取事件の切っ掛けとなるような役割を果たしながら、その後、「知らん顔」、呆れた人達です。というものである。

 被告両名は、原告が非難するような本件記事の摘示事実をすり替えたことなどない。



 前段は一応、反論の体裁をとっているものの、被告らは摘示事実を変更(=すり替え)した事実については具体的に言及しておらず、主張に正面から答えているとはいえない。論点を曖昧にした不誠実な主張というほかない。田中弁護士としては、曖昧に主張することで、(おそらくは矢野による)論点のすり替えをごまかすしかなかったのではないかと思えてならない。

 後段では「摘示事実をすり替えてなどない」と主張しているが、では「何が摘示事実なのか」についての言及は、この箇所ではなされていない。

(つづく)
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