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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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元市議名誉毀損事件 第17回
直筆の署名と捺印

 第5回口頭弁論までに原告が提出していたもう1つの重要な証拠は、被害者T自身の陳述書(=「証言」)である。この陳述書は第4回口頭弁論(平成28年4月11日)以後に作成されたものではなく、平成22年にTがS(金を貸した相手)に対して返金を求めて提訴した際に作成されたもので、T本人の直筆の署名と捺印がある。

 陳述書の日付は「平成23年」となっており、以後の「○月○日」の欄の日付は空白になっているが、重要なのは「平成23年に被害者T自身がSに対する貸金状況について証言した」ということである。当時の貸金返還訴訟に提出することになれば日付を記入しなければならない。しかし、日付が記載されていなくても「Sに対する貸金状況に関する被害者T自身の証言」という本質は署名・捺印によって保証されている。

 TがSに最後に金を貸したのは平成21年の11月で、平成22年3月に提訴、和解成立が平成23年6月である。陳述書の頭書にはその裁判の事件番号が記載されてもいるから、この陳述書が返金請求訴訟の最中に作成したものであることは疑いなかった。被告らが提出した被害者Tの告訴状が平成24年11月5日付だから、告訴の1年以上前に作成されたものということになる。

 山川は当時、被害者Tから「貸金を返してもらえなくて困っている」との相談を受け、東村山署に相談に行き、アドバイスに従って弁護士を紹介するなどTを支援するために奔走した。そのおかげで、Tは提訴することができた。「金を詐取した連中の仲間」だと思っている人物に対して、通常、貸金を取り返す相談をもちかける者はいない。

「必要ない」と言い張った被告ら

 なお、朝木直子が陳述書を提出した際、原告が「伝聞にすぎない朝木の陳述書ではなく、被害者Tの陳述書を提出すべきだ」と反論したのに対し、被告らは「(被害者Tが警視庁に提出したSらに対する告訴状)を提出している以上、重ねてTの陳述書を提出する必要がないと判断しているためである」と主張していた。

 被告らは告訴状だけでなく、Tが陳述書を作成した裁判の和解調書、さらにその裁判に提出したMと関わりのあった市民の陳述書を2通提出していた。被告らが提出したこれらの書類をみる限り、被告らはTから本件貸金に関わる書類一式を預かっているとみるのが自然ではあるまいか。当然、その中には、今回原告が証拠として提出したT自身の陳述書も含まれているだろう。しかし被告らは、T自身の陳述書に限っては「提出する必要がない」と主張していたわけである。

 被告の矢野と朝木は、最近の準備書面で「山川がMに対して『Tさんが独り暮らしになっちゃったのよね』と話したことが、本件詐欺事件の端緒となった」、すなわち「『Tさんが独り暮らしになっちゃったのよね』と話すことによって山川は詐欺事件に関与した」と主張している。被害者Tの陳述書を評価するにあたり、まず注目されるのは、陳述書の中に、矢野と朝木が主張する「山川が詐欺に関与した」と疑われるような記載があったのかどうかである。

親切すぎる対応

 Tの陳述書はSに貸した2600万円の返還を求めるものだから、Tがいかなる経緯でそのような大金をSに金を貸すことになってしまったのかが詳細に記載されていた。陳述書ではまず、被害者Tが直接金を貸した相手Sの実の姉であるMとの関わりについて述べている。

 それによると、Mはマッサージをしている間、身内に経営者がいるとか、妹が毎年海外旅行に連れて行ってくれたり、よくブランド品をくれるなどと自慢話をしていた。平成21年の5月上旬、Mがしばらくぶりにやってきたときのこと、Mは「妹が孫の月謝の支払いに困っているので10万円を貸してもらいたい。すぐ返すので」といってきた。Tは高級婦人服を個人で商っており、「10万円ぐらいなら」と思ったのだろうか。Tはその場で10万円をMに手渡した。

 その後しばらくして、Mの妹であるSが「お礼に伺いたい」といってMとともにやって来て、その日を境にSはT宅を頻繁に訪問するようになった。ある日、Tが夫婦関係がもめていることを話すと、Sは弁護士を紹介するといって、事務所まで同行した。

 和解成立後に被害者Tが警視庁に提出した告訴状によれば、弁護士との面談にはSも同席した。Tは弁護士に対して親から相当の金融資産を相続した旨を具体的な金額で説明をした。当然、Sもその話を聞いていた。もちろんTは、弁護士に話した自分の資産がまさかのちにSに狙われることになるとは思いもしなかった。

 また、Tが持病を持っていることを知ると、Sは「知り合いの先生がいる」と病院を紹介し、その病院まで連れて行ってくれるなどした。その際にもSは診察室までついてきた。その後、通院は毎月1回続いたが、10月頃までSは毎月のように診察に同行した。Tはそのたびに固辞したが、Sは同行するのをやめなかった。

払拭された不安

 ただ、Sはこうして通常では考えられないくらい親切にしてくれたものの、「すぐに返す」といっていた10万円は5月下旬になっても返すそぶりをいっこうにみせなかった。いつ返してくれるのだろうかとTは不安に思うようになっていた。親切にかこつけて、借金を返さないつもりではないか、と。

 ところが、Tのそんな不安を一気にかき消してしまう出来事が起きた。5月末、SがMといっしょにやって来て、「12万円をお返しします」というのだった。「それは多すぎます」とTは2万円を返そうとした。しかしSは「この2万円はお礼です」といって引かなかった。Tは仕方なくその2万円を受け取ることにした。

 ――ここまでが、TがSに多額の金を貸してしまうまでのプロローグだった。Sが10万円の借金をきっかけにTと知り合い、Tの具体的な資産状況を知り、さらに関係を深めていった様子がうかがえる。この間に、原告山川の名前はいっさい出てこない。

(つづく)
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