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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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元市議名誉毀損事件 第19回
準備書面における原告の主張

 原告は被害者Tの陳述書とTに事情を聞いたOの陳述書とともに、準備書面5を提出している。口頭弁論1週間前の平成28年5月16日である。1週間前に提出すれば、被告側にも反論を用意する時間があるだろうという趣旨もあった。

 準備書面5で、原告はまず被害者T自身の陳述書に基づいて次のように主張している。

〈被告らは原告がM(筆者注=原文は実名。被害者Tから多額の金を借りたSの姉、以下同)に対して「Tさん(筆者注=実名、以下同)が一人になっちゃったのよね」と話したことが「本件詐欺の端緒となった」と主張しているが、Tの陳述書には、TがS(筆者注=実名、以下同)に対して最終的に2600万円を貸してしまう経過や心理状態が詳細に記載されている。とりわけ同陳述書……には、「そのような申し入れは断れば良かったのですが」と前置きした上で、……「……Sらにいろいろと世話になったこと」で借金の申し込みを断れなかったと当時の胸中を具体的に述べている。すなわち、TはSらに世話になっていなければ借金の申し入れを断っていたと述べているのであり、この点からもTがSに多額の貸金をしたことと「一人暮らし」であることとは全く無関係だったことが明らかである。〉

 また原告は、Tの陳述書には、多額の金を貸してしまったTが最後には「貸さなければこれまでの金を返してもらえないのではないか」と不安になり、さらに求められるままに金を貸してしまうに至った心理状態が記載されている一方、原告にはいっさいの言及もない点を指摘。これらの点からも、原告がMに対して「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことと本件「詐欺事件」にはなんらの因果関係もないと主張していた。

 矢野らは原告がMに対して「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことが「詐欺事件に関与した」とする根拠であると主張している。この点について原告は、刑法上の観点からも反論している。

「詐欺事件に関与した」とは「詐欺の共犯」であるとの趣旨である。「共犯」であるとは、原告がMに対して「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話した際、原告がMと同様に被害者Tから金を詐取するとの犯意を持っていたと被告らは主張しているということになる。

 原告はMに対して「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したこと自体を否定していない。ところが被告らは、原告がMに対して「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことが「詐欺事件の端緒となった」と主張するのみで、原告がSと同じ「犯意」を持っていたとする立証はもちろんのこと、主張すらしていない。このような被告らの主張について原告は次のように主張している。

〈詐欺の犯意がない原告を詐欺の共犯であるとする主張は、刑法の「共犯理論」を無視した独自の主張であり、本件記事の真実相当性を主張することは許されない。〉

 裁判所としても、原告がMに対して「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話した事実のみをもって「詐欺事件に関与した」と認定するのは難しいのではあるまいか。

 以上が、「山川は詐欺事件に関与した」とする本件記事の本論に関して原告が準備書面5で行った主張だった。

奇怪な反論

 原告が最後の準備書面5を送付してから3日後、被告らは準備書面5に対する反論を記載した準備書面4を送付してきた。原告が提出した準備書面5のうち最も重要な、被害者Tの陳述書に基づく主張に対して矢野らはどう反論するのか――。これが原告の最大の関心事だった。矢野らは準備書面4でこう主張していた。

〈被害者Tの陳述書に、Sによる貸金名目の詐欺に際し、原告の口利きによって詐欺された旨の記載がないとしても、原告山川が……犯人グループのMに被害者の個人情報を報せたことが、本件詐欺事件の引き金になったという被告等主張の事実が否定される訳がない。〉

 被告らはこう主張し、さらに〈(Oの陳述書)を含め、原告山川がMに被害者女性(T)が……独居となったという個人情報を報せたことが詐欺事件の引き金となった、という本件訴えの争点事実〉と主張し、「原告がMに対して『Tが一人暮らしになったこと』を報せたことが詐欺事件の引き金となった」とする事実が、あたかも本件ですでに認定済みの「本件訴えの争点事実」であるかのように主張していた。

 矢野らがここで用いた「本件訴えの争点事実」という聞き慣れない文言が厳密に何を意味するのかは定かでない。しかし、「争点」という以上は「重要な争点」であり「摘示事実」という意味のようにも聞こえる。

 しかし矢野らがそう主張しているのだとしても、原告が問題にしている本件記事は「原告が詐欺事件に関与した」というものである(記載内容は〈1860万円詐欺、元公明市議らが関与〉〈創価、元市議らが仲介して〉など)。したがって、本件の争点は「原告が詐欺事件に関与した」する記事に真実性・相当性があるか否かである。

 すると矢野らは、原告がMに対して「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことが「詐欺事件に関与した」証拠であることを立証しなければならないことになる。つまり「共犯」としての「犯意」、あるいは山川が当初からTから金を詐取する目的でMやSと通牒関係にあったことを立証しなければならない。言い換えれば、それが立証できて初めて、原告がMに対して「Tさんが一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことが重要な意味を持つことになるのである。

 矢野らは本件の立証対象について、「『原告山川が詐欺事件に関与した』とする事実」ではなく、「『原告山川がMに対してTの話をしたことが詐欺事件の引き金になった』とする事実」であると主張しようとしていたのだろうか。問題となっている『東村山市民新聞』第186号にはそのような記載は存在しない。

(つづく)
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