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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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元市議名誉毀損事件 第25回
第1回口頭弁論期日が決定

 元東村山市議の山川昌子が東村山市議の矢野穂積と朝木直子(いずれも現職=「草の根市民クラブ」)が発行する政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』の記事によって名誉を毀損されたとして矢野と朝木を提訴していた裁判の控訴審第1回口頭弁論が、平成28年10月17日午前10時30分から東京高裁で開かれることになった(511号法廷)。矢野らは、彼らに15万円の支払いを命じた一審判決を不服として控訴していた。

 山川が「名誉を毀損された」として提訴したのは4面からなる『東村山市民新聞』の1面に掲載された〈1860万円詐欺、元公明市議らが関与〉〈創価、元市議らが仲介して〉〈言葉巧みに、一般市民から、借りて1860万円も返さず〉とする見出しの記事(以下=「記事1」)と、2面の〈勝手は許さない〉〈新興宗教の衣を脱ぎ捨てた集団〉〈本山破門「ご本尊」放棄の政治集団化の先は、「詐欺集団?」〉とする見出しの記事(以下=「記事2」)の2本の記事である。

原審における原告の主張

 記事1では、本文の冒頭で〈山川昌子・元公明市議の紹介で……〉と記載して、〈1860万円詐欺、元公明市議らが関与〉とする見出しの「元公明市議」が山川のことであることを明らかにし、その上で〈1860万円詐欺、元公明市議らが関与〉とする見出しの具体的内容を〈山川元公明市議は口では被害者女性の味方になってお金を取り戻すそぶりをしていたが、結局はお金を巻き上げる連中の口ききでしかなかった。〉と説明している。「お金を巻き上げる連中の口きき」であるとは、まさに「詐欺に関与した」ということなのではなかろうか。

 記事2では、本文の冒頭部分に〈公明党元市議らが仲介した創価学会信者らが、高額のお金を借り、そのまま返さないという、詐欺まがいの行為を繰り返している……〉との文言から、見出しの〈新興宗教〉〈「詐欺集団」〉との文言が「創価学会」を意味するものであることがわかる。公明党市議が創価学会員であることは周知の事実だから、冒頭の〈元公明党市議〉は「(創価学会という)詐欺集団」の一員であるということと理解できる。

 さらに本文には、「1860万円の被害がそのまま返済されていない」とする趣旨の記載に続いて次のような記載がある。

〈元議員の立場で、貸金の仲介者のような役割を果たしながら、山川元市議は「知らん顔」、あきれた人たちです。〉

 普通の感覚でこの記事を読むと、山川元市議は「1860万円を借りて返さないという詐欺事件に仲介の役割を果たしたにもかかわらず、知らん顔をしている」という趣旨であると理解できよう。しかし、見出しには〈「詐欺集団」〉という文言があるから、やはり「山川元市議はこの詐欺事件に仲介役として関与した。だから知らん顔をしているのだ」という記事であると読み取ることができるのではあるまいか。

 原告の山川は上記記事1、2についていずれも「原告(山川)が詐欺事件に関与した」との虚偽の事実を摘示するものであると主張していた。

一審の判断 

 原告の主張に対して被告の矢野と朝木は、「詐欺グループの一員であるMを被害者に紹介したのは山川だ」、「被害者が一人暮らしになったことを原告が詐欺グループの1人に話したことが詐欺事件のきっかけとなった。したがって、山川が詐欺事件に関与したことは間違いない」などと主張し、記事には真実性・相当性があると主張した。

 双方の主張に対して東京地裁は、まず記事1、2について次のように述べた。



(東京地裁の記事の読み方)

 本件記事は、一般読者が普通の注意を払って読んだ場合、塩田(筆者注=詐欺事件の首謀者)が被害者女性から約2140万円を借り、うち1860万円を返しておらず、この行為が詐欺まがいの行為であり、市議会議員である原告がMを被害者女性に紹介し、Mが妹の塩田を被害者女性に仲介したことにつき、原告が、お金を巻き上げる連中の口ききであり、上記行為について、仲介のような役割を果たしており、上記貸金が返済されないことについて、知らん顔をしているあきれた人だと述べていると読むことができる。



 東京地裁はその上で、〈本件記事は原告の社会的評価を低下させるものというべきである。〉と述べた。東京地裁は、記事は山川の名誉を毀損するものであると判断したのである。

 ただ、記事が他人の名誉を毀損するものであったとしても、記事に公益性あるいは公共性が認められ、真実性・相当性があると認められれば不法行為は成立しない。この点について東京地裁はこう述べた。



(公益性・公共性)

 本件記事は、本件新聞発行時において市議会議員であった原告が詐欺行為に関係したか否かについてのものであるから、一応公共の利害に関する事実に係るものであり、そうであれば本件記事の掲載は一応公益を図る目的でなされたものと推認できる……。



 東京地裁は真実性・相当性判断の前に以下の各事実について事実認定した。

①原告が平成10年頃、Mと知り合ったこと

②被害者が友人の紹介でMと知り合ったこと

③Mが塩田を被害者に引き合わせたこと

④塩田が平成21年頃以降、被害者から合計2140万円を借りたこと

⑤被害者が平成22年1月頃山川に相談し、山川は弁護士を紹介するなど被害者の貸金の回収に協力したこと

⑥被害者が平成22年、塩田らに対して貸金返還訴訟を提起したこと

⑦東京地裁が塩田に2140万円の返済義務があることを認め、和解が成立したこと

⑧しかし、塩田はそのうち1860万円を返済していないこと

 ――続けて、東京地裁は記事の真実性・相当性について次のように認定した。



(真実性・相当性)

 原告がM(筆者注=判決は実名)を被害者(同)に紹介したことについては、これを認めるに足りる証拠がなく、被告らが原告が松田を被害者(同)に紹介したと信じたことに相当の理由があることを認めるに足りる証拠もない。



 その上で、東京地裁は本件記事の名誉毀損性について次のように結論付けた。

〈本件記事のうち、原告がMを被害者に紹介したとの事実を摘示して、原告が、お金を巻き上げる連中の口ききであり、上記行為について仲介のような役割を果たしており、上記貸金が返済されないことについて、知らん顔をしているあきれた人だと述べる部分については、事実を摘示して原告の名誉を毀損する内容である〉

 矢野と朝木はこのような一審判決を不服として控訴したのである。控訴するには相当の理由と根拠がなければならないが、彼らは控訴審でどんな主張・立証をするのだろうか。

(つづく)
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