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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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元市議名誉毀損事件 第29回
 一審判決は本件記事について、一般読者は〈塩田が被害者女性から約2140万円を借り、うち1860万円を返しておらず、この行為が詐欺まがいの行為であり、市議会議員である原告が松田を被害者女性に紹介し、松田が妹の塩田を被害者女性に仲介したことにつき、原告が、お金を巻き上げる連中の口ききであり、上記行為について、仲介のような役割を果たしており、上記貸金が返済されないことについて、知らん顔をしているあきれた人だと述べている〉と読むものと認定した。

 すると、上記認定内容について真実性あるいは相当性が認められれば不法行為は成立しないことになる。そこで矢野らはまず、一審が否定した「山川が(詐欺グループの一員である)松田を被害者に紹介した」とする部分について真実性・相当性があるとする主張を行った(前回)。

「口きき」の相当性

 矢野らが続いて論点としたのが、一般読者の読み方に関する上記認定のうち「原告が、お金を巻き上げる連中の口ききであり、上記行為について、仲介のような役割を果たし」とする部分に関してだった。なお、矢野らは控訴理由書で、一審の上記認定のうち「仲介のような役割を果たし」については受け入れたが、「原告が、お金を巻き上げる連中の口ききであり」については「誤り」で〈「(山川は、)結局はお金を巻き上げる連中の口ききでしかなかったのであり」とするのが正しい〉とした上で、それぞれの相当性について主張していた。

 矢野らは一審でも、山川が松田に対して「○○さん(筆者注=被害者)が一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことが詐欺事件のきっかけとなったとし、詐欺グループへの「口きき(でしかなかった)」、「仲介のような役割を果たした」との記載は客観的真実と一致すると主張していた。矢野らは控訴理由書でも、「山川が松田を被害者に紹介し、知り合うきっかけを作ったことは「『仲介のような役割を果たした』ものと評し得る」と主張した上、「山川が仲介のような役割を果たした」ことについては、山川が松田に対して「○○さん(筆者注=被害者)が一人暮らしになっちゃったのよね」と話したことが「より重要である」と主張していた。

 矢野らが上記主張を初めて行ったのは、本件裁判の提訴(平成27年10月9日)から3カ月後、第2回口頭弁論においてだった。第1回口頭弁論(平成27年11月30日)の際には「事実は記事に記載したとおりである」と主張するのみだった。ところが、それから2カ月後の第2回口頭弁論で上記の主張を始めたのだった。

 山川が松田に対して「○○さん(同)が一人暮らしになっちゃったのよね」と話した事実については、被害者が塩田らに対する告訴状を提出した際に山川が被害者に協力して提出した陳述書で供述していた。被害者はその陳述書を保管していた。矢野らは被害者からその陳述書のコピーをもらい受け、乙第5号証として平成28年2月4日付(第3回口頭弁論)で提出したのである。

相当性を強調

 それほど「重要」と考える事実なら、第1回口頭弁論で主張してしかるべきである。矢野らはなぜ、そのような「重要」な事実を示さなかったのか。実は、その根拠である山川の陳述書を朝木が入手したのは第1回口頭弁論以降だったのではないか――第三者からはそうみられても不自然ではない。

 また本件記事が、「原告が、お金を巻き上げる連中の口ききであり、上記行為について、仲介のような役割を果たした」と読み取れるとされ、矢野らに真実性の証明ができず、相当の理由(根拠)があったかどうかが問われる局面になった場合、たんに「被害者から話を聞いた」というだけでは伝聞にすぎず、相当性の根拠としてはきわめて弱い。すなわち、「被害者から話を聞いたというだけでは、相当性も認められる可能性が低いのである。

 だから、資料を入手したのが提訴されたあとではないことを主張しておく必要があると考えたのか、矢野らは次のように主張して、記事には相当の理由があったことを強調していた。

〈(「原告が、お金を巻き上げる連中の口ききであり、上記行為について、仲介のような役割を果たした」とする記載が)仮に真実であるとまでは認められないとしても、控訴人ら(矢野ら)が本件記事を掲載した本件新聞を発行した時点において、○○(筆者注=被害者の実名)を取材することにより同人から聴取済みであった内容及び同人から入手済みであった資料からすれば、控訴人らが、少なくともこの事実を真実と信ずるについて相当の理由がある。〉

 いやしくも〈1860万円詐欺、元公明市議らが関与〉〈創価、元市議らが仲介して〉などと、少なくとも「詐欺に関与した」と断定的な見出しを付ける以上、たんに「被害者から話を聞いた」というだけではない、見出しの根拠となる相応の資料を入手しているのは当然だろう。ところが、矢野らはそのことについてわざわざ、〈本件新聞を発行した時点において、……入手済みであった資料〉などと強調していた。

 なお、この資料の入手時期については、「詐欺グループの一員である松田を被害者に紹介したのは山川だ」と主張した際にも同様に、「入手済みの資料により」と主張している。それならなぜ、一審の第1回口頭弁論においてそう主張しなかったのかと、かえって疑念が生じてしまう。

(つづく)
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